ツバサ・クロニクル 19 2/3

ツバサ・クロニクル 19 2/3




いてぇ!



人の店で一体
何やってんだ?



良かった。



申し訳ございません。
龍王をお止めできなくて。



いえ。



二人とも鬼児狩りなの?



はい。そうです。



蘇摩(そうま)を責めないでやってくれ。

いい店を見つけたって教えたときに
強い奴らに会ったって口を滑らせたのは
おれだからな。



はむ。
龍王は強い人と手合わせするのが好きだものね。



冷めないうちにどうぞ。



いただきます。

ん!
本当に美味しいです!
お二人で作られたんですか?



いえ、ファイさん・・・
おっきいニャンコさんが。



ぁ・・・
おれも食いたい。



まだあるから大丈夫ですよ。



あ!
しっかし、お前つよいな!
けど、右側からの反応がちょっと遅い。
どうかしたのか?






え?
情報屋の絵里衣ちゃんからの紹介やて?



そうなんだ。
でね、バーテンダーさん。



カルディナでええよ。



じゃぁ、カルディナちゃん。
オレたち
新種の鬼児に会ったって人の話を聞きたいんだ。



それは出来ひん相談や。



ぁ?



何でだ?



その人に会いたかったら
もうちょっと早う来んとあかんで。






よっ。



それであれだけ素早く動けたんか。
すっげぇな。



でも、あのまま戦ってたら
おれが負けてたと思います。



勝負に、もしも・・・
なんて、ねぇぞ。
勝ちは勝ち。
負けは負けだ。



はい。



その敬語はやめろよ。



はい?



歳なんてこの国じゃ関係ねぇだろ?
また手合わせしてくれよな!



はい。
いえ・・・
うん。



よろしくな。
ちっこいわんこ。



あぅ。



俺はこの間
ロの5段階の鬼児を倒したぞ!



凄いですね。



でも、草薙のとこは
ロの4段階まで倒したんだよな。



あぁ。
しかし、あれならお前でも倒せる。
後は遭遇するかどうか
運次第だ。



うーん!
ケーキも美味しいけど
このスコーンも最高!



俺も、それくれ。



はい。



1個じゃ足りない。
もっとくれ。



はい。



だから、敬語はやめろって!



でも、お客さんですから・・・



うふ。



美味い!



はい。
ありがとうございます。



敬語はやめろっつーの!



あぁ・・・
はい。



仲良しになったみたいね。
あの二人。



はい。



私も友達になりたいな・・・
あなたと。



ぁ・・・



駄目?



嬉しい!



へぇ!
美味かった!
腹いっぱいだぜ!



じゃ、ここは龍王のおごりで。



何でだよ?!



草薙さんが止めてくれなきゃ
今頃このお店の物
全部、壊しちゃってたでしょ?
それを弁償するのに比べたら・・・



安いだろ!
わるいな。



いいえ、こちらこそ。



毎度!



ありがとうございます。



龍王・・・
強さを求め戦うのも良いですが
状況を見極めて無用な争いを避けるのも
また一つの強さですよ。



わかってる。
けど、おれは自分がどれくらい強いか
試してみたいんだよ。
世界の広さを知らず、うぬぼれないように。
強い奴と出会えることが
俺の幸せだからな。



そう言えばお聞きになりましたか?
あの噂。



あぁ。
情報屋の絵里衣からな。



鬼児の新種が出たって話だろ?



ぁ!






小狼・・・






ん!



モコナ



こいつは・・・



鬼児が
来た。






ロの4段階ですね。



みんな手
出すなよ!

海龍波!



やったぜ!



ぅ!



馬鹿な!
ロの4段階は形態を変えないはずだぞ!



ぁ!?



龍王



すまん。
油断した。



あ!



小狼くん!



近寄っちゃ駄目。
危ないわ。



でも!



うわ!



小狼くん!



海王陣!



おまえ、武器は?



武器?



ロより上の鬼児は
素手じゃ倒せないだろ?!

武器はどうした?!



鬼児が強すぎます!



手出すぞ!
龍王



しかたねぇ!



嬢ちゃん!



はい!



ぁ!



逃げて!



あ!



武器もねぇのに無茶だ!



小狼くん!



う・・・



さくら姫!



ぁ・・・



小狼、大丈夫?



すみません。



どうして謝るの?



おれが不甲斐ないばっかりに
姫を危険な目にあわせてしまって。



ううん。



ひゃあ!