ツバサ・クロニクル 23 1/3

ツバサ・クロニクル 23 1/3


消えゆくイノチ。




ん?
なに?



ファイ
前におっきな湖がある国で言ったよね。
笑ったり楽しんだりしたからって
誰も小狼を責めないって・・・



うん。
それがどうしたの?



ファイの事もね
誰も叱らないよ。
小狼もさくらも、黒剛も
みーんな!



ぁ・・・!



ん?



オレ、いっつも楽しいよ。



でも、笑ってても違う事考えてる。



ぁ・・・

モコナは本当にすごいな。



モコナ108の秘密技の一つだよ。



淋しい人はわかるの。
ファイも黒剛も小狼
どこか淋しいの。

でもね、一緒に旅してる間に
その淋しいがちょっとでも減って
さくらみたいな暖かい感じが
ちょっとでも増えたらいいなって
モコナ、思うの!



そうなると・・・
いいね。



うふ。



いらっしゃいまほう!



ぁ!



すみませ〜ん。
今ちょっとお取り込み中なんですけど。



ここに鬼児狩りが居ますね?



ん!






カフェ、猫の目に
新種の鬼児が現れました。



なんだと?



星史郎さんが?



新種の鬼児は干渉者であるが故に
その行動を予測する事は不可能ですわ。



ぁ・・・






ん!



モコナ、さくらちゃんの傍に居て。



うん。



いらっしゃいませ。
お一人様ですか?



ここに
鬼児狩りが居ますね?



居ますけど、今はちょっと外出中です。



あなたは違うんですか?



オレはここでカフェやってます。



それだけの魔力があるのに?



うーん・・・

あなたもね。



で、うちのわんこコンビに
何の用でしょう?



ん!



ぁ・・・



消えてもらおうと思って。






急げ!



みんな、無事で居てくれ。



あぁ、あなた
ひょっとして星史郎さん?
小狼くんに戦い方を教えてくれたって言う。



小狼をご存知なんですか?



はい。
一緒に旅をしてますから。



異なる世界を渡る旅
ですか?
以前の小狼に移動の力は無かった。
という事は
次元の魔女に対価を渡したのかな?



あなたもですか?

あなたはすごい力の持ち主のようで
世界を渡る魔力は
その魔法具による物でしょ?



さすがですね。

これを得るために
本物の右目は対価として魔女に渡したので。



けれど、その魔力は
回数限定ですよね?

渡れる世界の回数が限られている。



えぇ。
だから、少しでも可能性があるなら
無駄にしたくないのです。
僕が探している二人に逢うために。



!・・・



ファイ!



さくらちゃんの傍を離れないで!



うん。



足を痛めてたんですね。
魔力を使えばもっと楽に逃げられるでしょう。



でも、魔力は使わないって決めてるんで。



命を落としますよ。

そのつもりですか?



最初のころは
それも悪くないと思ってたんだけどね。






う!



だがな
まだ命数尽きていねぇのに
自分から生きようとしねぇやつが
この世で一番
嫌ぇなんだよ。






でも、今はね
生きるのもまんざら悪くないなぁ
な〜んて思ってたりもして。



そうですか。
けれど、こちらも時間が無いんです。



めきょ!