ツバサ・クロニクル 23 3/3

ツバサ・クロニクル 23 3/3




取ろうと思ってるんじゃない。
書かれている内容を確かめたいだけだから。
その本には血を吸って生きる者達のことが
書かれている。



それって吸血鬼の事ですか?



よく知ってるね。



父さんがくれた本にも書いてありました。
でも、あれは物語で・・・



実在するんだよ。
吸血鬼は。



ぁ・・・!



ぼくは
その中の二人を
ずっと探してるんだ。



その探している相手の事が
ここに書かれているんですか?



わからない。
でも、手がかりになるかもしれない。



どうぞ。



いいのかな?

読むだけだ・・・
と言うのは嘘で
このまま本を持って逃げるかもしれない。



あなたの言葉が嘘かどうかは
おれにはわかりません。
でも、その吸血鬼をずっと探してるってのは
本当だと思うから。



この本に書かれている文字は
今使われている物とは違うんだね。



この国の古い言葉で書かれてるって
父さんが言ってました。



古語までは読めないな。



この国の人じゃありませんよね?



そういうきみも・・・
だね?



何処の国から来たんですか?



とても・・・
遠い所から。



その眼は・・・



きみと一緒だよ。



どうして知ってるんです?



さっき本を持って逃げているのを
見ていたからね。
すぐにわかったよ。



何をしている人なのか
聞いてもいいですか?



ハンターとでも言えばいいのかな?
吸血鬼を狩るのが僕の生業だから。



それであんなに強いんですね。

さっき探していると言った二人の吸血鬼も
狩るんですか?

ぁ・・・!



けど、困ったな。
この本を読める人を探さないと。



おれ、読めます。
父さんに教わったから。
その代わり・・・
おれに
戦い方を教えてください。



きみの名前は?



小狼です。



ぼくは星史郎。






あの頃と同じなんだね。
小狼

でも、そう簡単に負けては
あげられないんだ。



ぁ・・・!



鬼児は戦うために作られているから
操るのがなかなか難しい。

必要の無い者を襲ったり・・・





ぼくはイの一の鬼児に会いたいんだ。
イの一の鬼児には
永遠の命を与えるという
特殊能力があるらしい。
まるで吸血鬼のように。



それがあなたの目的ですか?



そうだよ。

イの一の鬼児とは
僕が探している二人かもしれない。
だからぼくはこの世界にやってきた。






ここは?

小狼くん!






強くなったね。
小狼

まだ完全とは言えないけれど
右からの攻撃に反応できている。






ぁ・・・
あ!






最強の鬼児に会うために
それを倒す可能性のある強いものには
消えてもらう。
もちろん、きみにも。

死んでもらわないとね。





うわぁ!



じゃぁ、また。
小狼



あ・・・!



小狼くん!



駄目だ、姫!
来てはいけない!



小狼くん!



姫、逃げてください!



ううん。
いや。



でも、このままじゃ・・・



いいの。



姫。