×××Holic 18 3/3

×××Holic 18 3/3




きみは・・・



おでん屋さんの・・・



この人、いい人なの!
だから食べちゃわないでください!



いい人?



うそだ。



証拠は?



お父さんのおでん、美味しいって言ってくれたの!
それに・・・
この人に、これ、貰ったの!



おう!



破邪矢だ!



これは見事な・・・



清い魂を持った者の心がこもっている。



我々に害をなす邪気を祓ってくれる。



いいお守りだ・・・



本当にすごくいい人なの!
だから、お願い!



いいわ。



え!



その人間の子供にも
分けてあげましょう。



木?



木がしゃべっているように聞こえる。

あの木、どうだ?



やな感じはしない。

つか、近寄るのが畏れ多いつーか・・・



そんなたいそうな物ではない・・・



え!



つつぬけか。



さぁ、いらっしゃい。

ホオズキをこちらへ。



この匂い・・・



これは・・・?



そう、1年に一度
百鬼夜行に参加した者だけが飲める・・・
甘露。

大事にお飲みなさい。

その子狐のおかげで持って帰れるのだから。



ありがとう。
助かったよ。



えへへ。



二つと無い稀な気を持つ子供・・・
その気に吹き寄せられるのは
良いものばかりではない。
今までつらい事もあったでしょう。
けれど変わってきているわ。
少しずつだけど・・・
その変化を大切にしなさい。

特に、誰かと出会った事によって
変わるもの達よ。






戻ったのか?
夢・・・じゃ無いよな?



もし夢なら俺たちは8時間近く
立ったまま寝てた事になるな。



えー!!

けど、なんで侑子さん
おれにこのホオズキをくれたんだ?



それはね!



ぁ・・・



へへーん!



甘露が欲しかったからよ!



百鬼夜行の甘露はね
この世界のどんなお酒よりも
美味しい飲み物なのよ!



って事は・・・



つまり・・・



お使い、ありがとう!



もうちょっとで食われるところだったんすよ!
妖怪に!



あはははは。



あははじゃねぇっす!



百目鬼君も飲みましょう!



飲もう!



では、遠慮なく。



四月一日、特性
作り置き、つまみの数々も重箱に詰めて
持ってきたわ!



準備万端!
イエーイ!



さっき、木が言ってた。
誰かと出会ったことで変わるものって・・・



乾杯!



侑子さんと会ってからこっち
ずっとこき使われているこれか!



四月一日
飲まないの?



おれ、未成年ですからお酒なんて!



だからお酒じゃないんだって!
甘露!



頭かてぇよな。



来ないならぜーんぶ飲んじゃうわよ!



はー!
飲みますよ!
やけだっつーの!



あら、いい飲みっぷり!



もっと飲め!



飲むよ!



飲みすぎると明日がつらいぞ。



へへーん。
酒じゃねぇからいいんだもーんだ。
おまえの分まで飲みつくしたる!



駄目よ、四月一日
人のものとっちゃぁ。



いいんです!
おれさまが貰ってきたんですから。



俺も一緒だったろ。



おれさまのあの矢のおかげで助かったんだから
少しは感謝しやがれ!



あれはもともと俺のもんだぞ。



うるせぇ!
百目鬼のくせに!



あはは。
四月一日、それ
日本語として変!



いいんすよ。
百目鬼だから・・・



あはは・・・



うふふ。
四月一日ったら弱いわね。



どうしてここに居たんですか?

来なくても甘露はこいつがちゃんと
ミセに持って行ったでしょ?
でも、あなたは待っていた。
おれが一緒に居たからですか?



おれをあなたのミセには入れたくないからですか?



気付いていたのね・・・
入る必要がないからよ。
あたしのミセは
ここであって、ここにはないところにある。

入ってこられたのは
あのミセに来る必要があった者たちだけ。



こいつは入る必要があったって事ですか?



えぇ。

あのミセはね
これから起こることのために構えた物なの。
だから四月一日が来た。

この世に偶然はない。

全ては必然だから。