×××Holic １８　1/3

第十八話。
「ホオズキ」

宝物庫、このまえ片付けたばっかなのに
また散らかして！
まったく侑子さんは！

ぁ・・・？

なんか・・・
変わった猫だな？
着物着てるし、それに何か持って・・・

ん？

あーん！

んぎゃぁー！

痛！
あ・ややややや！

ふう。
猫の顔見るなり、腰抜かすなんて失礼な子だね。

なーに、騒いでるの？
四月一日？
お酒のおつまみが無くなったのよ。
味醂干し、あぶって！

酒ももっと持ってこーい！

あら。

こんばんは。
侑子ちゃん。

こんばんは。
あかりちゃん。

そっか・・・
もう、そんな時期なのね。

そうよ。
そんな時期なのよ。

一年って早いわ。

光陰矢のごとしだね。

って、しみじみしてねぇで、どいてください！

ワハハハハハ！

大虎が２匹。
・・・と１匹。

四月一日！
早く！

酒持ってこーい！

持ってこーい！

はい、はい。

酒、け、け、けー。

おつまみ、み、み、みー。

液キャベ用意しておかんとな。

今年はちょっと早かった？

そうね。
雨が多かったから
いい塩梅だったみたいよ。

この子だね？

ぁ？

座敷童女がこの子に懸想してるんだってね。
それに雨童女の頼みごとをやり遂げたとか。

ぇ？

うわぁ！
いてててて。

その上、管狐までご執心かえ！

おまえさん、こっちの世界じゃ有名だよ。

あははははは。
良かったじゃない。

良かった！良かった！

有名人！

こっちじゃ有名！

あっちじゃ無名！

こっちの世界ってどっち？

おっと、もう、こんな時間だ！
次の場所へ行かないと。

今年もありがと。

何、水臭い事いってんだぇ？
侑子ちゃんとあたしの仲じゃないか。

今年は四月一日にあげて頂戴。

え？

なかなか大変な子だけど
侑子ちゃんの目にかなっただけはあるのかねぇ。

ま、しっかりおやり。
少しずつだが変わってきているはずだよ。
いろいろとね。

ぁ。

ホオズキのお代はうまい酒と肴で確かに頂いた。

じゃ、また来年。

また来年！

侑子さん！
これは？

それはね・・・

それは・・・

ホオズキなんだって。

まんまじゃねぇかよ。

なんだと！？

でも、それ
普通のホオズキよりかなり大きいんでしょ？

何か妙な事が起こるもんなのか？

侑子さんによると
それを持っていると参加できるらしい。

何に？

参加してみりゃわかると。

面白そうね！

じゃぁ、ひまわりちゃん
是非一緒に！

今日はあたし、用があるの。

そんなぁ・・・

ごめんね。

百目鬼くんは？

百目鬼は・・・

来なくて良かったんだよ！
別に！？

うるせぇ。

何があっても助けてやんねぇからな！

助けてもらった事、あったか？
ぁ？

てめぇ・・・
この・・・
くやしい・・・

で、どうすりゃいいんだ？

今、何時だ？

４時ちょい前だな。

光ってるな。

けど、熱くない。

なんだ？

侑子さんの字だ。

注意。
ちゃんとホオズキを手にしている者だけが視えるし
参加できます。

何に？

なので、二人で仲良くホオズキを持つように。
例えば、ウエディングケーキの入刀って感じで。
侑子。

いやぁ！
なんで百目鬼と？
ひまわりちゃんとなら大歓迎なのに！

残念でした。

なんじゃと？！

そう書いてあるんだよ。
手紙に。

ぁ、ほんとだ。
侑子さん、まるでこうなる事を見透かしたように。

そう思うのならそうかもね。

ん！

探しても無駄よ。

ぷぷぷ。
アホ面丸出し。
その名は四月一日。

今の絶対てめぇの台詞だろ！

バイ、モコナ。

モコナかよ！？

アンド、マル、モロ。

嘘つけ！
あいつら字書けるのかよ！

へぇ。

ってゆうか、みんなして阿保って言うな！

うるせー。

でも、やだぁ〜。

はぁ・・・