ツバサ・クロニクル 16 2/3

ツバサ・クロニクル 16 2/3



ぁ・・・






はぁ!



ぉ・・・!



消えた!



あ!



はい。
おしまい。



った。






そうでしたか。
さくらさんのお仲間も
あの大会に・・・



はい。



この人も、
大会に出るつもりでこの街に来たのですが
その旅の途中で・・・






う・・・






おれは
まだあきらめていない。



キリファ。



大会に出て優勝する。
強さの証を立てるんだ。



でも、その傷じゃ・・・



おまえは口を出すな!



ぁ・・・






ま・・・
参った。



ひゅ〜!
ひゅ〜!
小狼くんもやるね!






少し冷たいですね。



うん!
お水、冷たい!



うふふ。



あ!



慣れてますから。



でも・・・



気持ち、わかるんです。
あの人、この1年間
大会に備えて必死で特訓してましたから。



ぁ・・・



それに・・・



いえ・・・



ぁ?



でも、どうして男の人って
自分の強さにこだわるのかしら?



よくわからないですけど・・・
私のお友達にもよく似た人がいます。






へらへら笑ってねぇで
覚悟しろよ。



うーん。
困っちゃったな。
どうしたらいいと思う?



う・・・
えっと・・・



黒りん
オレたち仲間だよね?



仲間だ?
くだらねぇ。
俺はいつだって真剣勝負だ!



ふぅ!
はぁ!
てぇ!

ちゃんと戦え!
この野郎!



戦うのはいいけど
負けるの、痛そうで嫌だし・・・
かといって、こっちが勝ったら
あとあと、しこりが残りそうだしね・・・



てめぇ!
俺に勝てると思ってんのか?!



ぁ・・・!



もちろん。

なんてね。



てめぇ!
待ちやがれ!
この野郎!



ひゅぅ!



黒さまが来た!



ぇ?!



それっ!



てやぁ!



ぁ・・・



よっと!



お!ぉぉぉ・・・



覚悟しろ!



何だ?



試合は終了です。



どういうこった?!



外に出たら無条件で失格なんです。



なんだと?
っつ事は・・・?



二人とも負けです。



何?



ああ!
しまった!
そのルールをころっと忘れてた。



後は任せたよ。
小狼くん。



ファイさん・・・
もしかして・・・?



ふん^^



あら?
もしかして黒ぽんかな?



てめぇの面なんざぁ二度と見たくねぇ!
死ぬまでそいつをかぶってろ!



取っても
取らなくても・・・
どっちでも一緒だったりして・・・?






お手伝いしてくれて
ありがとうございました。



いえ。



モコナも乾燥中なの。



う・・・!



シャルメさん?



大丈夫。
ちょっと胸が・・・
う・・・!



シャルメさん!



シャルメ!






いよいよ決勝戦だね。



はぁ・・・



黒ぽん、まだ怒ってるの?



あったりまえだ!



おぉ!



ひゅー!
小狼くん!
かっこいい!






後を頼む。



どこ行くの?



キリファさん・・・



試合に・・・
出るんですね・・・



そうだ!
おれは自分の強さを・・・



嘘。



う・・・



もういいのよ。
キリファ。
私、本当は全部知ってるから。
嘘つかないでいいの。

あれは、1年前のことです。
村はずれにあるその遺跡は
古代の霊を祀る神聖な場所でした。

村の長老たちからは決して入ってはいけないと
言われていたのに
私は、そこに足を踏み入れて
古代の霊の呪いを受けてしまったんです。



ぅ・・・



これが、呪いの文様です。
この呪いのせいで私の命は
もうすぐ尽きてしまうのです。



どうしてそんな場所へ?



そこへ行くとどんな願いでもかなうという
噂があったんです。



呪いをとく方法は無いんですか?



ひとつだけ・・・ある。



え?!






霊よ・・・

古代の霊よ!
教えてくれ!
呪いを解くにはどうすればいい?



強くなれ。
聖なる宝物を手にするがいい。



聖なる宝物・・・

それがあればシャルメを救うことが出来るんだな?

ぁ・・・



この人は自分のために
戦おうとしてるんじゃないんです。
もうすぐ、命が尽きようとしている
私のために。