ツバサ・クロニクル 14 1/3

ツバサ・クロニクル 14 1/3


真実のレキシ。



あ!



ぁ・・・



あなたが来るのを
ずっと待っていました。
長い、長い、間
ずーっと・・・






小狼くんも黒ぽんも
伝説のお姫様がよみがえって
さくらちゃんや子供たちをさらったって
思ってるの?



わからん。



カイル先生に聞いたんですが
この国では魔法や秘術を使える人間は
認知されていないようです。



つまり、ここには
魔力みたいなものを使える人間は
存在していないってことだね?

家の鍵も壊されていない。
子供たちが騒いだ様子も無い。
それに不思議な力じゃないなら・・・
さくらちゃんが見たって言うお姫様の正体は・・・



かつては魔法を使う者が居たそうですが
今は居ないそうです。



という事は・・・
不思議な力を持った何者かが
さくらちゃんをさらっていった可能性は
ゼロって事か・・・



不思議な力が近くに来れば
モコナが感じるもん!



って、寝てたんだろ?
お前は・・・



ぷう!
凄く強い力だったら
ちゃんと目、覚めるもん!



この野郎!



何か手がかりはありましたか?



さっぱりだ。
街のどこを探しても見つからない。
第一、夜通し降った雪で足跡が消えてるし。



城の方はどうですか?



城の手前までは探した。
けど、あの川があるから向こうへは渡れない。



そうですか。



お前ら、なんでそんなに冷静なんだ?
仲間が消えたんだろ?



って言われてもね・・・



少なくても、
あのガキに関してそう見えるんなら
お前の目はふしあなだ。






ぁ・・・

ぁ!

子供たちが!

あ!



ぁ!
ここ・・・
どこ?

ぁ!
誰?

お姫様?
の、像?



あれは・・・?
街から連れ去られた子供たち?






往診ですか?



昨夜の事件で街の子供たちが
ショックを受けているようなので。



さすがは先生。
お医者さんの鏡ですね。



ただでさえ、ここ数年の凶作続きで
みんな心身ともにまいってますからね。



そう言えば・・・
街の土地って、ほとんど
大地主のグロサムさんの物なんですよね?



土地代は?



グロサムさんに掛け合って
暫く待ってもらっています。

グロサムさんはああいうお方ですから
払えないのなら街から出て行けと言ってますが・・・



ひでぇ野郎だぜ。



でも、グロサムさんもお気の毒ですよ。
土地代が入らない分
苦しい生活を強いられていますから。



当然そうなるでしょうね。



ここだけの話ですが
グロサムさんには良くない噂があるのです。



良くない噂、ですか?



グロサムさんは
伝説に登場するさくらさんの羽根を
狙っているそうです。

ま、これは単なる噂でしょう。
では、私はこれで。



グロサムさんが羽根をね・・・



関係ねぇだろ?



そうだけど・・・
ほら、昨日・・・



よし、わかった。
犯人はグロサムさんで決まり!



でしょ?



確かに怪しかったな。
あいつ。



決め付けるのは良くない。



あ?



ぷ?



真実はたくさんの事実を集めて
わかるものだから。






あ・・・
うぅぅ・・・

急がなきゃ・・・

うぅぅぅ・・・

子供たちのために・・・






あいにく、お留守・・・
みたいだね。



どうすんだ?



モコナに任せて!

ふっ・・・
ぴゅー!



え?



いらっしゃい魔法〜!



てめぇ!
どっから入った?!



ふふーん。
向こうのちっちゃい窓が開いてたの!
これぞ、モコナ108の秘密技の一つ!
超、忍び込みなの!



で、何を探せばいいんだ?



手がかりになりそうな物なら
何だっていいんだよ。



めんどくせぇな。
本人、ふんじばって
洗いざらいしゃべらせれば良いだろうに!



子供たちと
さくらちゃんの命が惜しかったら・・・

なーんて悪者の決め台詞
言われたら、おしまいでしょ?

ん?



あ!
これは・・・

カイル先生の所にもあった
この国の歴史書か?



小狼
来て、来て!



ぁ・・・