ツバサ・クロニクル 14 2/3

ツバサ・クロニクル 14 2/3



ひひーん!
これ見て!



これってあの城の図面と
あの城の周りの地図だ!



これってもしかして
さくらたちの居場所?



いや、違うと思う。
たぶんそこは・・・



何をしている?



あ!
やーん。
見つかっちゃった。



何をしているのか?
と聞いている。



事件の手がかりを求めて
勝手にお邪魔しました。



そうか。
で、私の疑いは
はれたのか?



おれは誰の事も疑っていません。



ん?



ただ、事実を集めています。



ほう。



考古学者だった父さんが
よく言ってました。
真実を求めるなら
偏見を捨てて事実だけを集めろと。
そうすれば
いずれ、真実が見えてくるんです。



なるほど。
で、その真実とやらは
見つかりそうか?



それは・・・






ん?



あいつ・・・



ちょっと待って。






お前を見ていると若いころを思い出す。



え?



かつて、この地方に住んでいた者たちは
沈黙を美徳とし
肝心なことは言葉にせず
胸にしまうことが多かった。

私のような世代には
まだそういう気性が残っていてな。



ぁ・・・



大昔、この地方には
幸福にまつわる言葉を
忌み言葉とする風習があったと言うから
おそらくはその名残なのだろう。



ほ!
忌み言葉って何?



不幸を招くから
あえて使わない言葉だよ。



幸せな出来事は
言葉や文字にすることで幸福が逃げてしまう。
昔の人はそう考えたらしい。
これは、おまえに預けよう。

私の言ったことを念頭において
読むといい。



ありがとうございます。






あの様子だと
グロサムさんも犯人じゃ無いかもね。



じゃぁ、こいつはどう説明する?



それは何?



失踪した子供たちのリストだよ。



黒わんわんが
お鼻をクンクンさせて見つけたんだよね。



するか!



あ、怒った!



誰がワンワンだ!



あ!



あらら。



ぷう。
昨日は平気だったのに。



すみません。



あせるな。
見えるもんも、見えなくなるぞ。



はい。



黒剛!
男前!



うるせぇ。



平気そうな顔をしているけど
やっぱり心配なんだね。
さくらちゃんの事が。






うっぅぅぅ・・・

う!
きゃぁ!

あ!
あ、あ!



せっかく、自由になれたのに。
あきらめちゃ駄目。
子供たちが待っているんだから!






おかしい。



ん?



どうした?



この歴史書、昨日カイル先生から借りたものと
ちょっと違うんです。



どういう事?



ページが・・・
多いんです。

ほら、ここに。



あのお城って
地下にいろいろあるんだね。



このページが
あの先生の本には無かったってのか?



はい。



何でだよ?



おそらく・・・

ぁ?



あれは・・・



黒い鳥・・・



ん・・・



さ、こっちへおいで。






どうしました?



すみません。
手を怪我してしまって
薬をお借りできないかと思って・・・



これで、大丈夫ですよ。



ありがとうございます。



で、何か手がかりはつかめましたか?



子供たちが居なくなったのは
エメロード姫のせいではありません。



え?



先生の・・・
にらんだ通りかもしれません。



では・・・
グロサムさんが・・・?



今晩からグロサムさんの屋敷を見張る事にしました。



そうですか・・・
それにしても、まさかグロサムさんが・・・



今夜も
雪になりそうですね。






あれは・・・



あ!






もうちょっと・・・



あ!



もう1回!






小狼くんの言ったとおりだね。



随分と古い水門だが
ちゃんと動くのかよ?



あそこに行けばわかるでしょ?



あそこ?



これで、流れをコントロールしてるんだね。
それじゃ、黒ぽん
あと、よろしく!



てめぇがやれ!



え?
でも、オレって力仕事に向いてないし。



くねくねすんな!



だったらほら、早く!



うわぁ〜・・・



あ!
これって鍵がないと駄目みたいだね。



それを早く言え!



でも、鍵はあの人が持っているだろうから
力任せにやっちゃおう。



うわぁぁぁぁぁぁ!