×××Holic 9 2/3

×××Holic 9 2/3




えぇ。
思い当たるふし、自分でもあるんじゃない?



な、何の事だかわかりません。

私・・・もう帰ります。
待ち合わせに遅れるといけないんで。



待ち合わせ?



えぇ、今付き合っている人なんですけど
私のこと、すごく大事にしてくれるんです。
だから、もう行かないと。



また、小指から・・・



そう。
じゃぁ、これ、差し上げるわ。



何ですか?
それ。



指輪よ。



それを着ければ小指、良くなるんですか?



さぁ・・・
つけるのも、つけないのも
あなたの自由よ。
その癖を直すのも・・・
あるいは、直さないのもね。



あの人の小指から煙があがっていました。



また見えたのね。



はい。
あの人、
前の指が動かなくなった人みたいになるんじゃ?



おれ、ちょっと行ってきます!



うー!
ぁ?



相変わらず、そそっかしいわね。
四月一日は・・・
今回の癖はこの間のとはちょっと違うのよ。






おかしいな・・・
たしか、こっちのほうに来たはずなんだけどな。

う、おー!
何、すんだよ!
おまえ!



別にいちいち説明する事なんかないんだけど。
あたしたち、うまくいかないって思ったの!
ただそれだけの事でしょ!



う・・・ぉ!



だから気が変わったんだってば。
もう、電話しないでくれる。
迷惑だから!



はぁ?



あ!
ヨシキくーん!
待たせちゃった?



いや。
今来たばっかりだよ。



ほんとうに?
ほんとに、ほんと?
ランの事、怒ってない?



あ、怒ってないよ。



よかった!






ぁ。
付き合っている人、本当に居たのか。






ねぇねぇ、明日、お仕事お休みだったでしょ?



うん、そうだけど?



じゃぁ、どこかへ行こう!
ねぇ、どこかへ連れてって。



え?



お願ーい。



しょうがない奴だな。
じゃぁ、ずっと延期になっていた遊園地にでもいくか?



え?
ほんとに?
嬉しい!



おまえ、ずっと行きたがったもんな。



ありがとう。
ヨシキ君てすごく優しいんだね。
じゃ、約束ね。



なんだよ?



いいでしょ?

あたしたち、運命の赤い糸で結ばれているんだから。

ね、
これからもずっと一緒に居ようね。






指きりげんまん
嘘ついたら針千本
飲ーます。






あ!



うわぁ!



そうか!
おまえ、おれを助けてくれたのか!



ぉ!



どういう事だ?



あ?






何で、おれがおまえと一緒に
体育の後片付けしなきゃならないんだ?



一番点数を入れたからだろ?



だから!
なんで、そういう理屈になるって話だよ?!

あ・・・え・・・!
たたた・・・
おーい・・・



抗議の意思を表す新しい踊りか?



おーい!
こら!
違う!
違ーう!



ん?



あ、はぁ。



なんだ?
これ?



管狐。



これが、管狐か。



おまえ、知ってんのかよ!



爺さんに聞いた事がある。
すごい霊力を持っているんだろ?






おまえな!
部活はどうしたんだよ?!



休みだ。
おまえこそ、何でおれに着いて来る?



おれもこっちの道なんだよ!



あー!
と・・・と・・・と・・・
こら・・・



あ?



どうした?



あの女の人、昨日
侑子さんの店に来た人なんだ。
けど、なんか随分、雰囲気違うんだよな・・・



ん?



入るか?



え?
おい!
百目鬼



あぁ。






でさぁ〜。
その変な占い師みたいな女の人が
無理やりこの指輪をくれたんだけどさぁ〜



へぇ〜。



これ、つけてると
なーんとなく
身体が楽になったような気がすんるだよねぇ〜。



良かった。
最近、体調悪いって言ってたから
心配だったんだ。



ありがとう。



なーんか落ち着くんだよねぇ〜。
あなたと居ると。
飾らなくてすむからぁ〜
気が楽なんだよねぇ〜。
きっと。



あ!
いけない!
もう、こんな時間かぁ!



え?
これから何かあるの?
食事・・・
ご馳走するつもりだったんだけど・・・



あぁ、今日はいいの。
これから友達と遊園地に行く約束してるんだ。



友達?



うん。
女子高時代の仲良し三人組で。



ぁ・・・

で、今度はいつ会えるかな?
次の日曜日はどう?



ごめん、
日曜日は買い物 行くの。

来週の火曜なら大丈夫だよ。
どうせならその日にご馳走してよ。
あたし、中華が食べたいな。



わかった。
店、予約しておくよ。



うん。
それじゃ、約束。






あ?
また?






指きりげんまん
嘘ついたら針千本
飲ーます。






えーっと
中華の美味しい店はっと・・・






ごめんなさーい!



よう!



ゼミが長引いちゃって
もう、抜けるのすーっごく大変だったんだ。
ねぇ、許してくれる?



あぁ。もちろんさ。

あ?
おまえ、煙草の匂いしないか?



え?
うっそう!
やーだ!
あたし、煙草吸えないもん。

あ!
きっと教授だよ。
ゼミの間中ずっと吸ってたんだ。
あー、やだやだ。
チョー迷惑なんだよね。



そっか。







ぁ!






やっぱり平日は空いているよね?



そうだな。



あ!
あれ、乗りたーい!



よし!
行こう!






しっかし、何が楽しくて
男二人で遊園地に来てるんだ?



それはこっちの台詞だ。



ん!

それにしても何であんなに性格を豹変できるんだ?