ツバサ・クロニクル 5 1/3

ツバサ・クロニクル 5 1/3


魔術師のバトル



ぁ・・・

あ!
さくら!

さくら!






さくらちゃんは無意識のうちに自分の記憶を
自分で探そうとしていたのかもしれないね。



はい。



寝ちゃった。



寝すぎだ!



モコナ夢見た!
めきょ!ってなる夢見た!



今度は夢じゃなくて
本当に頼むよ。



任せとけい!



悪しき者の心を改めさせるほどの優しさ。
それが、さくらちゃんの本質・・・
なのかもしれないね。



はい。

さくら、今度は必ずきみの羽根を見つけるからね。






大丈夫ですか?
姫。



う〜ん。
敬語、やだって言った。



ぁ・・・
すみません。
あの・・・
ごめん。

でも、本当に、大丈夫なの?



平気。
ちょっと熱が出ただけなの。
寝てたらすぐ下がるってお医者様も言ってたし。

でもね・・・
手、握ってくれたらもっと早く良くなると思う。



ぇ?!



だめ?



少し、眠ったほうがいいよ。



うん。

こうやって眠ったら
目が覚めて最初に見るのは小狼だね。






羽根を探すんだ・・・
必ず!






今、帰ったで!
ハニー!

お帰りのチューを、ほれ、ここ!ここ!






そうか・・・
今日も見つからへんかったか。

で、作戦会議しとったっちゅうわけか。



たんこぶ、すごーい!
嵐、強い!

たんこぶ、すごい!



モコナが最初に羽根を感知したのは
この橋の上です。



次に感知したのが
たこやき屋さんのあたりだったよね。



ありゃ夢だったんだろ?



あれ、夢じゃない!
あとで、気づいた!
へへーん。



しっかりしろよ!
白いの!



そっちもな、黒りん!



黒りんって言うな!



一度感知した波動が
同じ場所に無いという事は
羽根は動く物に取り込まれているのでは?



動く物?



しかも、それは現れたり消えたりもするということは・・・



ん!
巧断?



確かに巧断なら、出たり消えたりするから・・・



巧断が消えりゃぁ、波動も消えるってか?



巧断の中にさくらの羽根が・・・?
でも、一体誰の巧断に・・・?



問題はそこや。
巧断はこの国に居る者やったら
誰にでもついとる。

わいが思うに巧断ちゅうのは
八百万(やおよろず)の神さんみたいなもんや。

八百万、つまり『たくさん』っちゅう事や。
どんな人にも巧断はついてて
その人を守っとるわけや。



そんなにたくさんの巧断の中から
どうやって、さくらの羽を取り込んだ相手を
探せばいいんですか?



これっちゅうアイデアは無いけど・・・
一つだけ言える事は
その相手がかなり強い巧断である事は確かや。



なんでそうなる?



さくらさんの羽根、
つまり、記憶のかけらは
とても強い心の結晶のような物です。

羽根を取り込むには、巧断の側にも
それだけ強さが必要なのです。



なるほどね。
とりあえず強い巧断を探すのが
さくらちゃんの羽根への近道かな?






と、言ってみた物の・・・



普段から巧断を出して
歩いている人なんて
居ないですね。



うーん、それじゃモコナわからない。



だいたいよ
持っているやつが誰かわかったところで
はい、そうですかって
簡単に渡してくれるのかよ?

ぁ?



小狼くーん!



正義くん。



例の羽根って見つかりました?



いや・・・
まだ・・・



だったら、僕にも手伝わせてください!
今日は日曜だし・・・



いいのかい?



はい!



ありがとう、正義君!



正義、まさにいい奴!



ぁ!



あ!