ツバサ・クロニクル 2 1/3

ツバサ・クロニクル 2 1/3


戦うチカラ



これから、別の世界に住む人のところに
あなたたちを送ります。

同じ力を持つあの人の元へ。



さくら・・・






さてと・・・
行きますか。
魔女の元へ。






な・・・
何をしやがる?



あなたは強くなりたいと言った。
でも、もはやわが国には
あなたより強い者はおりません。
それゆえ、あなたを異界へ送るのです。



へ、単なる厄介払いだろうが!



では、元気でお過ごしくださいね。



てめぇ!
覚えて居ろよ!






着たわね。



ぁ?

さくらを、助けてください!
お願いです!
さくらを助けてください!



その子、『さくら』って言うの?



はい。



あなたは?



小狼(シャオラン)です。



この子、『たいせつなモノ』をなくしたのね?
そしてそれはいろんな世界に飛び散ってしまった。



ぁ。



このままでは
この子・・・

死ぬわ。



ぇ!?



で、てめぇは誰だ?



先に名乗りなさいな。



俺は黒剛(くろがね)。
つか・・・
ここ、どこだよ?



ここは日本よ。



あ?
俺が居たのも日本だぜ?



それとは違う日本。



訳わかんねぇぞ!



あなたは?



セレス国のウイザード(魔術師)。
ファイ・D・フローライトです。



四月一日、蔵に行って『アレ』を取って来て。



ぁ、はい。



どうすれば、さくらを助けられるんですか?
教えてください!



彼女の命を救うには・・・
いろんな世界に飛び散った記憶のカケラを
集めなければならない。



飛び散った・・・
記憶のカケラ?



ぁ!
あの羽が・・・



えぇ、そうよ。
あの羽を全て集めれば
この子の命を救うことができる。



ぅ。



それが、あなたの『ネガイ』ね?



はい。



あなたたちもここに来たという事は
何かネガイがあると言うこと。



ネガイ?
だったら簡単だ。
俺を元いた所へ、今すぐ帰せ。



オレは元いた所にだけは
帰りたくありませんね。



あなたたちのネガイは同じなのよ。
あなたは元のセカイに帰りたくないから
ほかのセカイに行きたい。



うん。



あなたはこの異世界から
元のセカイへ行きたい。



そうよ。



そしてあなたは、その子を救うために
いろんな世界へ行って
飛び散った記憶のカケラを集めたい。



うん。



目的は違っても手段は一緒。
要は違う次元、異世界へ行きたいの。
でも、異世界に行くには
それ相応の対価が必要よ。



対価?



ネガイを叶えてもらうのに
それに見合うだけの価値があるの物を
差し出せ。
という事ですね?



えぇ、そうよ。
異世界に行くにはそれ相応の対価が必要だから
それぞれのネガイをかなえることは出来ないわ。
けれど、3人で一つのネガイなら・・・
3人分の対価でOKしてもいいわ。



3人分?



例えば、あなたの場合・・・
その刀・・・
とか。



馬鹿言うな!
この銀竜は俺の命だ!
ぜってぇ、渡さねぇぞ!



それもいいわ。
その代わり
ぜってぇ、元の世界には帰れない。



てぇ・・・



どうす る の ?



必ず取り戻しに来るからな!
それまで預ける!



あなたの対価は、背中の文様ね。



ぇ?

この杖じゃ駄目ですかね?



駄目よ。
対価はその人にとって最も
価値のある物でなくっちゃ。



仕方ない・・・
ですね。



小狼
あなたの対価は・・・



ん・・・



関係性。



関係性?



あなたにとって一番大切なもの。
それはその子との関係。
だから、それをもらうわ。



どういう事?



もし、その子の記憶が全て戻ったとしても
彼女の中にそれまで在った
あなたに関する全ての記憶だけは・・・
決して戻らない。



ぁ!



だから、あなたと彼女は
もう、かつての関係にはなれない。
それが小狼
あなたの対価よ。



ぁ・・・