ルパンｖｓコナン 2/11

ルパンｖｓコナン　2/11

ルパンｖｓコナン

え？

よぉ、姫君。

ん？
私、ひげ面の男ってだいっ嫌い。

ふふ。
はっはー。

８時間後
ＰＭ　10：26

ヴェスパニア王室専用機
日本に向け離陸。

あ。
は！

よ、ご苦労さん。

今度また、射撃のご指南をお願いします！

お安い御用で。

次元先生！

先生はやめてくれ。

王女と一緒に日本へ行かれたのかと。

その王女に嫌われた。

は？

ちょっと聞くが
王女が戴冠式でかぶる
クイン・クラウンってのはこの中にあるのか？

はい。
ご覧になりますか？

え？

ご覧になっちゃっていいのか？

これが、クイン・クラウンか？

歴代女王に代々受け継がれる
この国の至宝です。

ほう。
たいしたもんだ。

駄目ですよ。
先生。

取りゃぁしねぇよ。

違います。
その先からは、
ここでもセキュリティが切れないんです。

一歩でも中に入ったら
たちまち閉じ込められてしまいます。

開けるパスワードは
私たちにも知らされてはいません。

ほう。
そりゃぁ、厄介だ。

ヴェスパニア
ヴェスパランド広場
ＰＭ　00：15

ほーんと、厄介だこと。
大事に大事に守られちゃって。
過保護もいいとこ。

まずは、床に脚をつけたら
重量センサーでアウト。

それを避けても
赤外線センサーでアウト。

さらに、それを避けても
サーモセンサーでアウト。

スリー、アウト
チェンジってか？

昔、誰かさんが盗みに失敗しやがったから
必要以上に厳重になっちまったんだろう。

失敗したんじゃねぇよ！

で、どうすんだ？
あきらめて、観光でもすっか？
俺のバイト料で。

オレ様が今まであきらめた事あったっけか？

だから、迷惑してんだ。

これ見て、そう言う？

え？

ＣＯＮＦＩＤＥＮＴＩＡＬ

ハッカー自慢か？

違うって。
この石ころさまが、今回のラッキーアイテム。
デスキニア鉱石。

東京
サクラ　サク　ホテル
ＰＭ　06：02

ヘリ２号から本部。
ただいまサクラ　サク　ホテル上空
要人警護の要請は入っているか？

こちら本部。
何も入ってない。

サクラ　サク　ホテル
レセプションパーティー

ん、もう！
せっかくイケメン芸能人やスポーツ選手に
たっくさん会えるチャンスだってのに
空手のお稽古だと。

相変わらず好きだね。
園子姉ちゃん。

ほんと、蘭って物好きよね！
気が知れんわ。

オメェの事だよ。
オメェの・・・

遅れても来るって言ってんだから
では・・・

なーにが、
では・・・

決まってんじゃ。
沖野ヨーコさん探し。

あー、懲りないね。

うん。

馬鹿じゃないの！
こんな気持ちの時にパーティー？！
嫌って言ったら・・・

わかりました。
王女。

では、母上が勧めてきたこのパーティーを中止して
悲しんで下さっている日本の皆様に
何も言わずに帰りたいとおっしゃる・・・

うるさい！

王女様・・・

予定の時間を過ぎている。
早く王女の仕度を。

は、はい。

ミラ王女。

大っ嫌い！

で、居た？
ヨーコちゃん？

居ませんでした・・・

ははははははは。

ぁ！

皆様、大変お待たせいたしました。
どうぞ、盛大な拍手でお迎えください！
本日のサプライズ・ゲスト！
ヴェスパニア王国
ミラ王女のご登場です！

王女が出た。
全員、客から目を離すな。
この時点で会場を出ようとする奴には
必ず張りつけろ。

了解。

こちら、正面受付。
暫くここの入り口は閉じます。
来場者はサイドの扉にまわします。

聞いたな。
リーハ。

了解。

どうぞ。
お座りください。

あ！

蘭！

蘭にそっくり！

ん？

蘭はあんなに盛らねぇよ。

クシュン。
やだ、シャワーで冷めちゃったかな？

うわ！
もう、こんな時間！

園子、怒ってるだろうな。

あの、ミラ王女。
何か一言、お言葉を頂戴できれば・・・

ざわざわ・・・

ミラ王女は始めての来日を
心より喜んでおります。

おい、おい。
後ろの奴がしゃべりだしたぞ。

え、
王女、感じ悪・・・

仮にも一国の王女様が
ホテルのレセプションにわざわざ来るか？

このホテルの名前
サクラ　サク　ホテル。
亡くなったサクラ女王は
自分の名前と同じ、日本の桜が大好きだった。

そのサクラをコンセプトにした
このホテルのレセプション。
急な事故が無ければ
本人が出席できたはず。

普通なら王女も来日中止になる所だけど
ヴェスパニアの国としては
今は利権も絡んで日本に貸しを作りたいところ。
可哀想にな。

日本で行かれたい場所は？

ミラ王女は昔から京都に行ってみたいと。

あ、はい。
では、お好きな日本の食べ物は？

王女はお寿司が大好きです。

なんだよ。
みんなあいつが答えてるぞ。
ちょっと、これ持ってろ。
トイレ行ってくる。

小学生にワインあずけるなって。

では、ここで改めて
ミラ王女に乾杯のご発声をお願いしたいと思います。
皆様、どうぞグラスをお持ちください。

ねぇ、あたしジュース無い！

あー・・・
ぼく、貰って来るよ。

あら、ガキンチョ悪いわね。

よく言うよ。
目が取って来いって言ってたぜ。

ぁ！

サクラ　サク　ホテル
ＰＭ　06：37

では、ミラ王女
乾杯のご発声をお願いいたします。

飲んじゃ駄目だ！

は？

ごめんなさい。
王女様。

でも、そのワイン
注いでくれたその人に味見してもらってよ。

ぁ・・・

誰か服を・・・
そいつを捕まえてくれ！

抑えろ！

集合だ！
外の出口を！

落ち着いて！
走らないで！
危険です！

おじさん！
そいつ、捕まえて！

ふ。
とりゃぁ！

この毛利小五郎に刃を向けるとは！

あ、ちょっと・・・
まだ、台詞途中なんすけど。

サクラ　サク　ホテル
会議室

王女のワインからは
致死量の毒物が発見されました。

ミスター・キース！
サプライズも結構ですが
我々にも内緒では警備のしようがありません。

王家のＳＰだけで十分だと判断したもので。

十分？

厨房まで人が回らないような警備で？

高木君。

あらかじめ
王女にはパーティーの飲み物も食事も
手をつけないよう
打ち合わせてありました。

ですが、そのお二人にはお礼を申し上げる。

ぅ・・・

ミラ様。

あ！
いや！

ご、ご安心ください。
これは私たちがご用意したお水でございます。

ぁ・・・

もう、いい。
下がってて。
一人にして！

我々は外に居ます。
落ち着かれたら、お声をかけてください。

お母様。
無理よ。
あたしには出来っこ無い。
ううう。

屋上を見てくる。
今は誰も入れるな。

は。

ふ。
もう、いや。
耐えられない！