闇のパープルアイ 第3話。

闇のパープルアイ 第3話。


第3話。
幽霊学園の恐怖!!



闇のパープルアイ 第3話



誰か、誰か助けて!



逆らわないほうが身のためよ。



変身して頂戴。



おまえは豹だ。
そんな女を好きになれって言ったって、俺にはそんな自信無いよ。



出てって。
もう二度と顔なんか見たくない。



やめてくれ、倫子。
もうこれ以上、人を殺さないでくれ。



こんなあたしでいいの?



俺は倫子の事をずっと好きで居られるって。



慎ちゃん。



*******



何だよ、こんな所に呼び出して。



キス、していいよ。

しないの?

由佳が怖い?



そんなんじゃ無いけど。



これ、由佳とお揃いなんでしょ?



お、おい。返せよ。



自分の手で取り戻しなさい。



なんだよ。



おい、おい。

美咲!

美咲、出て来いよ!



意気地なし。



キャー!



助けて!
来ないで!
いやー!
助けて!
いやー!
キャー!



誰かそこに居るのか!



やべっ!



来ないで!

来ないで!
やめて!
来ないで!
怖い!
来ないで!



あっぶね。
うゎ!



うわぁー!!






慎ちゃん!



なんか付いてる?



いや、倫子、学校 来ないかと思ってた。



逃げても何にも始まんないし。



強いな、おまえ。



本当は悩んだんだよ。
でも、慎ちゃんが居てくれるし。



あぁ。



下がって・・・



ねぇ、ねぇ、ねぇ。
B組の伊藤美咲って子 知ってる?



へ?



屋上から落っこちたのよ。
もう、ぐちゃぐちゃだって。



自殺か?



みんな噂してるよ。
獣に追われて飛び降りたんじゃないかって。



紀子!



あたしじゃない。



あぁ。






現場検証終わったみたいだよ。



また獣?



新聞部としてもほっとけないなぁ!



きっと動物の霊に呪われているのよ。
この学校。



おーい、まったかよ。
このオカルト好きが。



おい、ふざけて取り上げる問題じゃないだろ。



ふざけてなんかないでしょ?
真面目に事件の真相に迫ろうとしてるんだから。



あ、なんかわかったら一面に載っけるよ。



そっか。
みんな呪いが怖いんでしょう。



あぁ!
裕介、怖いんじゃないの?



関係ねぇよ!



起立。

礼。

着席。



それでは教科書の39ページを開いてください。






裕介くん♪
どうしたんだよ!
なんか今日、元気ないじゃん。



うん、何でもねぇよ。



まぁ、あんな事あったんだしね。
元気なほうが変か。
よーくみんな平気で居られるよなぁ。

あれ?どうしたの?






これ、由佳とお揃いなんでしょ?






あ、悪い。
朝、急いでてさ、忘れてきた。



愛が薄いんだ!



そんなんじゃないよ!



あ、怒ったの?
ごめん。



あ、それ!



植え込みの影に落っこちてたよ。



返せ。



昨夜、何があったの?



何も?



伊藤美咲の事、何か知っているんでしょ?

あなたの身体から血のにおいがしてる。
ここに漂っている物と同じ血のにおい。



俺じゃない。
俺、何もやってない。



裕介が何かしたなんて思わないよ。
けど、何か知ってるんだったら、教えて。



闇の中に紫色に光る目を見た。
あれは・・・獣の目だった。



獣の目?



ほんとだよ。
俺、ほんとそれしか見ていないんだよ。



あたし以外に変身人間が・・・






えー、最近いろんな事件が起こってみんなも浮き足立っていると思うが
こういう時こそ DON'T USE YOUR Full.
勉強に励むように。
それから、今日の生物の時間は自習です。



先生。
曽根原先生、どうかしたんですか?



それな、曽根原先生 
突然 長期休暇をとってしまわれたんだ。



うおー。

なんで?



一体どうしちゃったのかなぁ。
Please Tell Me.



先生、曽根原先生に悪い事したんじゃないんですか?






逆らわないほうが身のためよ。






逃げたんだ。
曽根原のほうが。



だと良いけど。



なぁ、昨夜の事件のこと まだ気にしてるのか?



裕介が美咲と居たの。
闇の中で紫色に光る目を見たって。



何かの見間違いかもしれないだろ?



変身人間かもしれない。
それが本当に変身人間だとしたら会ってみたい。
会って聞いてみたい。
今まで、どういう風に生きてきたのか。



緑川。



感心しないわね。人の話を盗み聞きするなんて。



あの、水島先輩がここに入るのを見たんで・・・
部活の事でちょっと相談したいなぁと思って・・・



どうぞ。
私の用事はもう終わったから。



倫子!



尾崎先輩を怒らしちゃったみたいですね。



悪い、また後で。



変身人間?






裕介。



あー、なんか隠した。

これ・・・裕介?

やっぱ何かあったんだ。



昨日、俺さ
大事な用事があるからって美咲に呼び出されてさ。
あ、でも何もしてない。
すぐ振り切って別れたんだ。
そしたらさ・・・

信じてくれよ!



由佳!
裕介!
ねぇ、一緒に真犯人探さない?



一緒にスクープ撮ろうよ!



はーい!
あたし、探す。



やったぁ!
さすが由佳だよねぇ。






お姉ちゃん?
あんれぇ?
どこ行くの?



あ、ちょっと。



慎ちゃん❤
慎也さんの所でしょ?



まぁね。



心配しないで。
パパが帰ってきたら
由佳さんちで勉強してるって言っといてあげる。



お願い。



その代わり・・・



調子のんないの!



ちぇー。






やっぱやめとかない?



そ、そうね。



なによぉ。
真実を伝えるのが新聞部の使命でしょ?
さまよえる霊を呼び出せるのは
48時間以内なんだから。



何があっても俺が守ってやるからな。



裕介。






はーい。
あ、慎ちゃん。
どうしたの?



倫子は?



お姉ちゃん?



え?慎ちゃんとこじゃなかったの?



俺んち?



うん。



サンキュ。



え、ちょっと!






ねぇ、帰ろうよ。



やっぱり霊を呼び出さなきゃ駄目よ。



出来るわけ無いだろ?そんな事。



おい、あんま騒ぐなよ。
警備員来たらまずいぞ。



やっぱり帰ろうよ。



うわぁー!



こん中から聞こえた!



調べなくっちゃ。



窓が開いてる。



ちょっとやめようよ。



うわぁー!!



いやぁー!!



うわぁー!!



あなたは・・・
あなたも変身人間なの?

待って!



良かった。
生きてる。

血のにおい。






由佳。



知らない!
裕介なんか大っ嫌い!



裕介!
どうしたんだ?



いや、悪い。
今、ちょっと取り込んでるからな。

待ってよ、由佳ちゃん。



おい、どうした?
何があった?



あー、慎ちゃん、出たんだよ!



何が?



わかんないけど、出たの!



暗くてよく見えなかったのよ。



獣か?



違う。
人間だと思う。



紀子がさ、そいつにさらわれそうになったんだよ。



おい、紀子、しっかりしろ!
おまえ、何 見たんだ?



ミイラ。
ミイラ男。



倫子!

倫子!






曽根原先生の家。



誰か居るの?



さっきまで誰かここに居たの?
やっぱり曽根原先生は私以外の変身人間を捕まえていた。
誰なの?
ここに閉じ込められていたのは?



血のにおい。



あなたも 変身人間 なのね?
敵じゃない。
あたしも、あたしもそうなの。



変身人間?



そうよ。
仲間よ。
私もあなたの仲間なの。



ハハハハハハハ。
ウハハハハハハハ。



どうして?
どうして、仲間なのに?



やめて!
私を怒らせないで!
どうして仲間同士で争わなくてはならないの?






あれが・・・あたしの仲間・・・






おはよ。



なんだ、もう食べてんのか?



パパ待ってたら遅刻しちゃうよ。



え?
パパはね、お前たち二人のために夜遅くまで一生懸命働いてんですよ。



はい。



どうしたんだ?
そのスカーフ。
今時の流行か?



あ、ちょっと。



やだな、パパ。
キスマーク隠してんにきまってんじゃない。
ねぇ❤。



おい、ちょ・・・



パパ、舞子の冗談、いちいち間に受けないで!



舞子!変な事言わないの!



行ってきまーす。


おい、ちょっと自分の分ぐらい片付けて行きなさいよ!



はーい。



パパ、お前の事 信頼してるんだからな。
変な事に巻き込まれないでくれよ。



大丈夫よ、パパ。



パーパ、油断してちゃ駄目よ❤。



舞子!



この味噌汁、だんだんママの味に似てきたな。



ごめんね、パパ。
またパパに嘘をついた。






慎ちゃん、待っててくれたんだ。



あぁ、俺も昨日 行ったんだ。学校。
けど何かすれ違いだったみたいだな。



うん。



あれ?
そのスカーフは?



曽根原先生の家で変身人間に会ったの。



紀子が言っていたミイラ男か?

けど、どうしてそれが変身人間だって?



私にはわかるの。
変身するたびに骨がきしみ、筋肉がひきつり、皮膚が裂けて
普通の人の何倍もの早さで衰えていくのよ。
そして、きっとあんなふうに・・・



やめろよ!
そんな事無い!
きっとないよ。



でも、見たのよ!
あの姿を見たらきっと慎ちゃんも嫌になる。



そんな事無いよ!
たとえ倫子がどんなふうに変わっても
俺は好きだ!
ずーっと好きだ!






この窓が開いてたんだ。



おい、何で鍵がかかってなかったんだ?



何でって、どっかの・・・紛れ込んだんだよ。



間違いなく、ミイラ男よ。
ファラオの呪いって知ってる?



うん?



きっと昔、大学の教授なんかがエジプトからミイラを発掘して
持ち込んだりしたんじゃない?



チョー、バッド。



ほんと、バッドだよね。
学園にミイラ男が居る。



ちがくてね、
あたしがバッド入ってんのは、あの男たちのだらしなさよ!
特に裕介のやつ。



裕ちゃんて、案外 臆病なんだ。



うるせぇ、おまえこそ。






倫子先輩、首 どうかしたんですか?



えぇ、ちょっと。



倫子先輩
曽根原先生が学校から居なくなった本当の理由
なんか知っているんじゃないんですか?



どうして?
私は知らないわ。



変身人間となんか関係があるのかなぁ〜
なんて。
本当は倫子先輩が変身人間だったりして。
ふふ。
なんちゃって。
そんな事ないですよね。






なぁ、倫子。
またあの屋敷に行くつもりじゃないだろうな?



確かめなきゃならないのよ。



でも、危険すぎるよ。
変身人間だとしても
敵か味方かわからないし
また曽根原の罠かもしれないだろ?



たった一人の仲間かもしれない。



でも、一人じゃ行かせない。
俺も一緒に行く。

ちょっと待てよ!



どこまでついて来るつもり?



どこまでも。



大丈夫よ。
一人で抜け駆けなんかしないから。



信じても良いんだな。



約束する?
幼稚園の時みたいに。



あぁ。
針千本だ。

おい、どうした?



気のせいだったみたい。

じゃ。



おい、指切りは?



もう幼稚園児じゃないのよ。



針千本が怖いのか?



おーい。

おい!






見つけた。
とうとう、見つけた。
ハハハハハハハ。






浮かない顔だな。
誰か大事な人でも居なくなったのか?



どうしてここへ?



レッドカードは渡したはずだ。
学校は俺が見張っている。
これ以上、倫子を狙うつもりなら・・・



あなたね。






抜け駆けは許さないぞ。






もし、あの男が変身人間だったら・・・
あたしもいつか・・・
あんな姿になってしまう。






たとえ倫子がどんなふうに変わっても、俺は好きだ。
ずっと好きだ。






そんな姿、慎ちゃんに見せるわけにはいかない。
慎ちゃんにだけは。



ごめんね、慎ちゃん。






あなたも変身人間なの?

あなたのその姿は変身を繰り返してきた結果なの?

答えて!

ぁ!

あたし・・・



ハハハハハハ。

見つけた。
とうとう、見つけた。
アハハハハハ。



あなたは・・・






おい、倫子、居るのか?
入るぞ。
倫子!
倫子?



お姉ちゃん?



あ!
しまった!



おい、倫子、どうしたんだ?
どこ行った?
誰のとこ、行ったんだ?



知らないけど・・・
どうしちゃったんだろう?






倫子、どうして?
どうして約束を守ってくれなかったんだ?



おい、おい!
タクシー!

んだよ、畜生!



曽根原。



乗りなさい。

怖いの?
倫子がかけがえのない存在なのは私も同じよ。



なぁ、学校に現れたやつは一体何なんだ?
変身人間なのか?
あんただって知ってるはずだろ?



あたしが知っている変身人間は倫子 一人よ。



どういう事なんだよ!
倫子が会ったのは変身人間じゃないってのか?






手術室?
あなたは、私の仲間じゃないの?
どうしてこんな事を?



ハハハハハハ。






会ってしまったのね。
決して会ってはいけない人間と。
今のあの人ならきっと倫子を殺してしまう。



なに?






見つけたぞ!

見つけたぞ!

お前の身体の仕組みを解剖して確かめてやる。



違う!
あなたは私の仲間なんかじゃない。



ずっと探し続けて、やっと本物の変身人間を探し出したのだ!



あなたは変身人間を探すためにあんな事を?






おまえは変身人間か?



何、それ?
変身人間?
やめて!
やめて!
来ないで!
キャー!






違ったのね。
この男は変身人間じゃない!

いや!
やめて!
やめて!



おとなしくしろ!

ハハハハハハハハ。



まだ死ねない。
ここじゃ死ねない。



変われ、変われ!
変われ!
ハハハハハハハハ。

うわぁー!!



麻酔が今頃効いてきたか。
ハハハハハハハ。

学会のやつら、お前の死体を見たら驚くぞ。
豹の皮の下から人間が現れればな。
ワハハハ。

お前は・・・
二人も変身人間が居るとは・・・
やはり私は正しかった!!






銃声!



あ、危ない!



うわっ!

お、お父さん!






父は死んだんじゃない。
殺されたのよ。
頭の固い学者連中にね。






曽根原教授は生きていたのか?



薫子。



わかるの?
あたしが。



ついに、見つけた。
変身人間を・・・
本当に居る。



そうよ。お父さん。



学会の・・・
学会のやつらの前に必ず・・・



あたしが必ず学会のやつらの前に・・・
本当の変身人間を見れば
父さんの研究が正しかった事を認めるわ。



頼むぞ。薫子。



お父さん。
お父さん!



倫子!



よくもやってくれたわね。
尾崎倫子。
あなたはあたしに貸しを作ったわ。
必ず償ってもらうわ。
その身体を使って。
うふふふふふ。
うはははははは。



倫子!

倫子!

倫子!

おい、お前 何やってんだ?

倫子。
倫子。



恋人のつもりか?
その女はいずれ俺の事が好きになる。



なに?



お前にその女は守れない。



倫子、大丈夫か?
倫子。



慎ちゃん。



ん?
どうした?
何が言いたいんだ?



針千本、飲まなくちゃね。