灼眼のシャナS OVA第3巻 2/3

灼眼のシャナS OVA第3巻 2/3





ガラガラ



お帰りなさい。



うかない顔だなぁ。
準子とはまだあれか。



今度ばかりはね。
でも、大丈夫。
話せばちゃんとわかってくれる子だから。



はぁ。
そうだな。






シャ



従(ともがら)の強さを示す気配は
とてつもなく小さい。
この程度のものが
フレイムヘイズを恐れず留まり続けるとは
考えづらいがな。



居るのは間違いない。
それにしてはトーチの数が
少なすぎるけど。



はぁ。
半日を費やしても
発見したトーチが一つきりとはな。



手がかりは大上準子しかない。
いつ、どこで
従(ともがら)と接触して喰われたか?



コンコン



準子
ご飯・・・



大上準子に最近何か変化が無かったか
家族ならわかるかも。



準子・・・
聞こえた?



わざわざトーチの存在に割り込んだ利点を
無駄にするな。
相応の態度をとれば
きわめて穏便に調査ができるのだ。



わかった。






ぁ!



大上準子の父親?



ただいま。



カタン



そこ、母さんのだろ?
いいのか?
テレビ見えなくて。



うん。



どうかしたのか?



別に。



そうか。



人間と関わるの
本当に面倒。



最近わたし
何か変わった事無かった?



あぁ・・・
ん・・・
あぁ・・・



今、お鍋できるから。



おぉ。
ありがたいなぁ。
今日は少し冷えたからな。

準子・・・
あのなぁ
母さん、悪気無かったんだ。
許してやれ。



ぁ!



へへへ。



ん?



娘が外で・・・
その・・・
なんだ
そういう事をしてたの見て
ちょっと慌てたんだな。

だから
ま、え〜なにくんだったかな。
濱口くんか・・・



ぁ・・・



母さん、結構しょげてるんだぞ。
いつまでもそうツンケンしてるな。
準子、聞いてるか?



それが最近の変わった事?



え?



はい。お待たせ。



あぁ。
あれ?
新聞・・・



あ、鍋敷きだっけ?



ありがとう。
準子。



ぁ・・・



それでもう一度聞くけど
他に変わったことは?
私が呆然と立ち尽くしていたり
私が居る事を
うっかり忘れたりした事は無かった?



ぁ・・・



え?!






到底、穏便な事情聴取とは
言えなかったな。
大上準子ほどの存在の力が残っているトーチなら
周囲への繋がりだけでなく
対応の感覚も得られるはずだが。



回りくどいのは嫌い。
それより情報の少なさが問題。



うむ。
両親からはあまり有益な情報は得られなかったな。



遠出もしてないし
様子がおかしくなった事も無い。
せいぜい3日前の火曜に
母親と喧嘩をしたって事ぐらい。

濱口幸雄
大上順子が通っていた高校のクラスメイト。
ん・・・
従(ともがら)と関係あるかな?



明日、学校に行って確かめるよりあるまい。



うん。
ぁ!






・・・
ぁ・・・






ぁ・・・
どうしたんだろう?



大上順子とのいさかいが
気になっているのであろう。



ふぅ。
どうせすぐ忘れる。
私がこの街を去れば
大上準子の存在は完全に消えて
居なかった事になるんだから。

娘が居た事も忘れる。
何も・・・
問題ない。






ん・・・






パチン!

パラパラパラ






おはよう。

おはよう。



2年3組
出席番号2番。
大上準子。






2−3



ガラガラ



ぁ・・・



おはよう準子。



来たね。



ラブラブ女が登場!



うるさい・・・



昨日は逃げられちゃったけど
今日こそは聞かせてもらうわよ。
で・・・



結局どうだったんだ?



隠れてこっそりなんて
許せません。



ぇ?
なに?



もう
とぼけちゃって
このぅ。



濱口との事に決まってるでしょ?



隠しだてはずるいですよ。






濱口・・・
濱口幸雄の事?
こっちが聞こうと思ってたのに・・・
大上準子と濱口幸雄が共同した行為。






娘が外で・・・そのぉ・・・
なんだ
そういう事をしてたのを見て
ちょっと慌てたんだな。






そういう事って何だろう?
とにかく何らかの秘密があることは間違いない。






濱口幸雄はどこ?



おや?
早速助けをお求めですか?



う〜ん
見せ付けてくれるじゃない。



悔しいですぅ。






何なの?
こいつら。



おはよ。



え?
噂をすれば・・・



ぁ!



ぁ!
なにこれ?



ぁ!



おはよう。



おはよう!



濱口幸雄。



おはよう。

ぁ?
どうかしたの?




わぁ!
朝から熱い視線
交わしちゃって。



すっかりデレデレだね。
濱口くんも。



羨ましい。



今日は急病につき退出する。
施設の教官
教師にはそう伝えておいて。



はぁ?



お前が一番
大上準子の行動について熟知してるのね。



はぁ?



聞きたい事がある。
邪魔が入らない場所で。



え?



ちょっと、おい!



え?
ちょっと準子?



おい!
授業始まるぞ!



きゃぁ!
駆け落ち!



おい、準子って!






はぁはぁはぁはぁ・・・



おい!