灼眼のシャナII 24(最終回)1/3

灼眼のシャナII 24(最終回)1/3


守るべきもの。





突如再来したヘカテーによって
悠二は零時迷子を抜き取られてしまう。
その眼前で異様な変貌を遂げていく時計塔。
バルマスケ(仮装舞踏会)の秘そうする謎の力。
大命詩篇が今、発動しようとしていた。






まずは順調。
このまま計画が進めば・・・



我等が大命の成就。



さてね・・・
世界の理(ことわり)を変えるんだ。
このまますんなりゆくかどうか。






生み出すだと?
これほど巨大で異質な存在を
恒常的に稼動させる気か?
気でもふれたか?
探耽求究。



先駆者とは理解されぬもの!
その覚悟をもって
実験アーンド検証に使える物のーみが
一歩、二歩、三歩を踏ーみ出すのです!



エークセレント!
教授。



ウハハハハハ。
この剛の立像が今、私に代わって
明日の未知なる一歩を踏み出してくれるでしょう!



断固阻止。



わかっているのであります。



零時迷子を取り戻せばいい!
悠二を助けるためにも!



させんと言った筈だ。



ぁ。






やっぱ・・・柄にもないことするもんじゃないわねぇ。
戦いをまん前におあずけくらうなんて。



いいから黙ってろ!
くそ、治すに手間取るぜ。
こいつは!






悠二!






坂井くん・・・






存在の力の回復は叶わぬ。
現在の坂井悠二が持つ存在の力の量は
相当に大きい。
滅多なことで消耗しつくす事は無いだろうが。



でも・・・
もし力が無くなったら・・・



消滅。






もし、シャナちゃんたちが坂井くんを助けられなかったら・・・
今がこれを使う時なのかも・・・
一瞬でも叶わないと思ったんだから。






坂井くんを助けるために?



違う。
悠二と一緒に戦うために。






私にできるせめてもの・・・






まずい。



ちっ。



攻撃してこない?



間違いない。
時計塔を傷つける事を避けている。






ぁ!
カルメルさん。
じゃぁ、きっとシャナも。
でも、全然気配は・・・
今はきみしか感じられなくなっているのか。
くっそう!
こんな所で・・・



僕は、僕の戦いを!



発見、発見。






護衛には慣れているつもりだったが
ここまででかいと流石に守る側に不利か。



敵の切り札が我々の盾になるとは
皮肉でありますな。



ただ重要なのは千変たちの討滅ではない。
このともがら(従)の誕生を阻止することだ。
ただ守りを固めて戦いを長引かせるわけにはいかぬぞ。



零時迷子奪還。



うん。
隙を見てあの中に突入する。