灼眼のシャナII 18 3/3





それは一大事であります。

日ごろ何かとお世話になっている方。
早速お見舞いの品を用意しなければ。



ぁ。

悠二の言っている事は何か違う。
あっているんだけど、違う。






急いだからあんまり出来は良くないんですけど
坂井君のお食事と、病気でも食べやすい物を入れときました。



ありがとう。
ぁ、でも・・・



お母さん、お大事に。
明日も持ってきます。
それじゃ。



吉田さんとの事
いつまでも中途半端には出来ない。
だから・・・






ぁ。



母さん、具合、どう?



ありがとう。
気分もいいし、もう大丈夫見たい。



そう。
でも、今日一日は寝てたほうがいいよ。



そうね、ちょうどお休みだし。



なんか、すっきりしないな。






では、先行してこの煎じ薬を奥様に。
わたくしもアウトロー(外界宿)からの定期便を受け取り次第
駆けつけるのであります。



うん。



何か昨夜から気落ちされているようでありますが。



ううん。
なんでもない。
行ってくる。






ぁ。

一美。



ごめんね。
受け取れない。
今、言ったとおりなんだ。
吉田さんも見たでしょ?
清秋祭でのこと。
僕は吉田さんと同じ側の人間じゃないんだ。



それは、わかってます。
それでも、私は・・・



僕がここに居ると街も巻き込まれる。
だから、僕はシャナと一緒に行かなきゃいけない。
その覚悟もできてる。
その僕がこれ以上、
吉田さんに甘えたり、迷惑はかけれないよ。



迷惑?



ほんとにごめん。



どうして謝るんですか?!



ぁ。



私が坂井君を好きな事が迷惑ならそれでもいいんです。
そう言って断ってくれたら
納得します。
それは、私の気持ちに対する坂井君の答えだから
でも、今の坂井君の答えは
そうじゃない。
私の坂井君への気持ちに・・・
悪いとか・・・

謝って欲しくなんかないです!



吉田さん・・・



吉田さん!



ぁ。
シャナ。



一美が怒った気持ち、わかる。
たぶん、私が昨日からずっと感じてたのと一緒。



ぇ?



悠二は嘘ついてる!
私と一緒に行くのも千草を心配するのも
全部ちがう。
ほんとじゃない。
私、今の悠二とは一緒に行きたくない。






馬鹿 悠二。






なんで、二人ともあんな・・・
僕はやっと本当の自分って物がわかったんだ。
嘘なんかじゃない。
僕は・・・






ぁ?



どうしたのでありますか?
それは奥様に届けるよう、お願いしたはず。



ぁ。






どうしよう。
坂井君にあんな事を・・・
でも・・・






ん?



うかないお顔ですねぇ。



うかない・・・



うかない・・・



お顔ですねぇ。



まさか・・・



お気づきですか。
わたくし、
名を聚散(しゅうさん)の丁(てい)、ザロービ
と申します。



ともがら(従)?!



そう、ぐぜの(紅世)のともがら(従)でございます。



どうして気づけなかったんだ?