灼眼のシャナII 13 2/3

灼眼のシャナII 13 2/3




わぁーー!!



田中、よせ!
見るな!
大丈夫だ。
封絶の中だから後で直してもらえる。

くそ・・・
俺は・・・
結局・・・
何も・・・






動きがさっきより鈍い。
弱ってる。



パイ取ったのは、だれ?



弔詞の詠み手!



誰?!
あなた?!
私?!
彼?!



いい加減にしねぇか!



手を出さないで。



フィレス!



待って、弔詞の詠み手!



駄目か?



制圧鎮静。



ヴィルヘルミナ



やっぱり弱ってる。



邪魔!



お願いだから、おとなしくして!



絶妙連携。



当然。
だって私とヴィルヘルミナだもの。



お願いであります。
どうか、二人とも話を。



傾聴。(けいちょう)



おい、マージョリーよう。



アラストール、どう話そうか?



うむ。



簡単だろ。
坂井、おまえが出した銀色の炎の事から話せばいい。
今さら隠すなよ。

マージョリーさん。
この坂井が銀だなんてほんとに思ってたんですか?
銀の本体がどこか別の場所に居たらどうするんです?
坂井を消したらせっかくある手がかりを消すことになる。
それでいいんですか?



先刻、わたくしが伝えようとした事は
これであります。



理解要請。



マージョリーさん!



佐藤・・・



いいから、おまえはそこに居ろ!



姐さん・・・
ひどいですよ。
俺、知ってますよ。
姐さんがずっと銀を探していた事も・・・
暴れる理由も・・・
でも・・・
それでも・・・
あの爆発の中におがちゃんが居たんですよ!
おがちゃんが・・・居たんです。



知ってたんですよね?
その事も。
俺が言ったことも。
全部わかっててやったんでしょ?
何百年もやってきた事を
なんで自分から台無しにするんですか?
マージョリーさん!



我が涙の大杯、マージョリー・ドーよ。
ちっとばかり考えてみるこった。
駄々こねるザマを子分に見せる
親分のかっこ悪さって奴をよ。
おめぇが歌い渡ってきた理由は
どれだけ重い?

おまえのぶち壊しの標的は
どれだけ軽い。
おめぇと俺を繋げた雄叫びは
今日ほどに空っぽだったか?

そこに込めてきたものは
何処に置き忘れてきた?



マージョリーさん!



姐さん!



ぁ。



ともがら(従)じゃないのね?



そうよ。



銀じゃないのね。



それは、これから調査すべき事だ。



じゃぁ・・・
あんたは一体なんなのよ!?



僕が・・・
僕自身が・・・
一番それを知りたい。



そう。



悠二!



フィレス。
よく生きて・・・



ヴィルヘルミナ



フィレス。
なぜ、このミステスをヨーハンと呼んだのでありますか?
零時迷子はあなたとヨーハンの思い出の品ではありますが
しかし、ヨーハンはもう・・・



ヨーハンはここに・・・

ヨーハンは零時迷子の中に・・・

あの時、零時迷子を狙ってきた
壊刃(かいじん)サブラクとの戦いで・・・



サブラク
やはり・・・



サブラク



ぐぜ(紅世)のともがら(従)の中でも
名うての殺し屋であります。



私はヨーハンを助けるために
唯一の手段をとった。



ヨーハン。
必ず迎えに行くわ。

だから・・・
私はヨーハンを探した。
ずっと・・・
そして見つけたの。



わたくしはあなたも、ヨーハンも殺されたものと。



居るわ。
私もヨーハンも。



フィレス。
このミステスは銀という不可解な問題を抱えているのであります。
せめて、もう少し調査を行ってから
ヨーハンの救出を。



ほどいて。



フィレス。

どうか、お願いであります。
彩飄フィレスの討滅
いま少し待って頂きたいのであります。
フィレスはヨーハンとの誓いで
人を喰らう事は絶対に無いのであります。



助命嘆願。



ヴィルヘルミナ・・・



うん。
零時迷子の事をもっと聞きたい。
この力の消耗具合から見て
人間を喰らってないのは本当みたいだし。



たいした思想の固さよな。



感謝するのであります。



ヨーハン・・・
エンゲージリングの一人が
僕の中に・・・



こういう時、坂井君が遠くなる。
すごく・・・



酒が欲しいわ。



後で飲むがいいさ。
じっくりとよ。



そうね。



何?



留まってくれて感謝しているのであります。



ふん。
感謝されるような事
なーんもして無いわよ。
で、なんでここに?



この場の修復に坂井悠二の存在の力を使うにあたって
フィレスを傍に置いておくには
炎髪灼眼も心を許してはおらず
私がリボンを通じて彼の力の供給を受けることに。



手間のかかること。



それにもう一つ。



弔詞の詠み手・・・
マージョリー・ドー
世に名高き自在師であるあなたなら
今のヨーハンの・・・
零時迷子の状態を知る事が・・・
今の零時迷子はおかしい。
あんな、銀色の炎なんか、出せるはずが無い。



なるほどね。
零時迷子は永遠の恋人を入れた玉子。



ミステスの兄ちゃんは玉子の殻ってわけだ。



何か異変が起きている。
もしかするとサブラクの打ち込んだ式のせいで・・・



ご期待に添えなくて申し訳ないけど
あたし、こまごまとした見立ては苦手なの。