灼眼のシャナII 10 3/3

灼眼のシャナII 10 3/3




うん。
すごく若い頃に結婚したってこと。



そうなんですか。
学生結婚。



当時は未熟さゆえの苦労が容赦なく襲ってきてね
大変だったよ。

おっと、我々の年齢は聞かないでくれ。
千草さんに怒られてしまうから。



もう、貫太郎さんったら。



ハハハハハハ。






ゆうちゃん、テーブル全部片付けちゃってね。
後でコーヒーいれるから。



うん。
シャナと吉田さん
父さんと何 話しているんだろう?



気になる?



別にそういうわけじゃぁ。






なるほど。
本当に近くに居たいと思ったら
気持ちがどうすればいいかを教えてくれる。か。
さすが、千草さんだ。



すいません。
こんな事を。
でも、お二人がすごく素敵で
それって、きっと どうすればいいか
ちゃんとわかってたからなのかなって。



あっはは。
この歳になって素敵と言われるとは思わなかったな。
お世辞でも嬉しいよ。



お世辞じゃない。



ん?



吉田一美の言った事は
お世辞じゃない。



そうかい?
どうもありがとう。



あの頃、私も千草さんも若くて
右往左往して回り道をしては
ふりだしに戻ったりしていたな。
でも、確かに気持ちが
どう動くかを教えてくれたように思う。
千草さんの答えがどうだったか
知りたいかい?



うん。



千草さんはねぇ・・・
こうだぁ!



ぁ?!



あっはは。
坂井家の男は風船みたいに
ふわふわしている所があるからねぇ。
千草さんは紐をしっかり握っててくれたんだ。
おかげで何処へ飛んでいっても迷う事はない。
あははははは。



はぁ。



また、貫太郎さん。
シャナちゃん達に妙な事を吹き込んでないでしょうね?



妙どころか、大切な事だよ。



だといいけど。
はい、コーヒー入りましたよ。



さ、お嬢さん方。



ぁ。



迷っているのなら
まず手を伸ばせばいい。
そうすればある程度は届くものだよ。
さぁ、コーヒー、コーヒー。
千草さんの入れたコーヒーはまた旨いからな。



近くに居たいと思えば・・・



手を伸ばせば・・・






やはり、フィレスは生きているのでありますか?



あぁ、生きています。
そしてあるものを探しています。



まさか・・・



零時迷子。

あぁ、当然でしょう。
彼女にとっては
かけがえの無い恋人の形見ですから。
例のミステスを見つけるのも
時間の問題でしょう。



では・・・
では、いずれフィレスが・・・