灼眼のシャナII 3 1/3

灼眼のシャナII 3 1/3


疑惑の転校生。




零時迷子を狙って現れた戯睡郷(ぎすいきょう)メア。
窮地に追い込まれた吉田だが悠二への想いが事態を打開する。
明らかになる零時迷子に秘められた戒禁。
時を同じくして悠二たちのクラスに転校して来た少女は
頂の座(いただきのくら)ヘカテーに瓜二つだった。






転校生を紹介する。
近衛史菜(このえふみな)くんだ。
慣れるまでみんなでフォローしてあげてくれ。



頂の座(いただきのくら)ヘカテー

封絶!



坂井君、シャナちゃん。



吉田さん!
どうして?



カムシンさんに貰ったこれ、いつも着けてるんです。
でも、どうして急に?



それが・・・



どういう事?



うむ。



止まっている。



封絶の中で動かないってことは・・・



彼女・・・近衛さんでしたっけ?
何かあるんですか?



そっくりなんだ。
前に御崎市を襲ったバルマスケ(仮装舞踏会)の一人に。



ぇ?



頂の座(いただきのくら)ヘカテー
悠二を使って存在の泉を作り出していたのもそいつ。



坂井君を?
じゃぁ、また坂井君を狙って?



いや、もしヘカテーなら封絶の中で動けなくなるなんて
ありえない。



うむ。
しかし・・・



似過ぎてる。



アラストール
ともがら(従)がここまで人間に擬態できる可能性は?



安易に否とは言えぬが
しかし、我の知りえる範疇には無いな。



そう。



シャナ。
うまく言えないけどヘカテーと一緒に居た時の空気を
全然感じない。
顔はそっくりなんだけど。



私も同じ。
でも・・・
この街の、しかも悠二と同じ学校に
ここまで似たやつが来るなんて偶然はありえない。



それは、うん、確かに・・・



いつまでも封絶を張っているわけにはゆくまい。
当面は警戒を厳しくするよりないな。



あ、平井、どうかしたのか?



なんでもない。



そうか。

えー、近衛史菜(このえふみな)くんは
さいころから海外での生活が長くて
最近帰国したばかりだそうだ。

慣れない日本の生活に戸惑う事も多いだろう。
みんな、助けてやるんだぞ。



はーい。



近衛、一番後ろの席が空いているからそこに座りなさい。



え?



近衛、そこじゃない。
一番後ろだ。



ここに座ります。



って言われても・・・



ここが、いいんです。



え、えっ?
先生!



なんだ、初めてだし・・・
しょうがない。
菅野、代わってやりなさい。



ぇえっ?



わざと悠二の近くに。



よし、授業を始めるぞ。



さて、昨日・・・
まだこっちの教科書、揃えてないのか?



いえ、カバンに入ってます。



じゃぁ、出しなさい。



自分で出すのですか?



おいおい、自分で出さなきゃ他に誰が出すんだ?



そうですか。



あぁー。



ちょっと近衛さん。



うん、まぁいい。
坂井、手伝ってやれ。



はぁ。



恐れ入ります。



いえ。
これは、何?



あ、爺やが机に敷くよう持たせたものです。



え?



変わった子だね。
面白そう。






おい、佐藤。
学校、おもいっきり始まってるぞ。



もうちょっと・・・



ハハハハ。
律儀に毎晩親分に付き合う事ねぇんだぜ。
青少年。



まぁ、そうなんだけど・・・



なぁーんか、街の外にすっごい気配がする。



ともがら(従)ですか?



まぁね。
けど、この街には3人もフレイムヘイズが居るし。