灼眼のシャナII 2 3/3

灼眼のシャナII 2 3/3





吉田さん!



あいつがこの夢を操っているともがら(従)?



でも、あの女の子じゃない!



そうね、改めて名乗らせてもらいましょうか?
私は戯睡郷(ぎすいきょう)メア。
ご存知でしょ?
ここは私の自在法、ゲマインデの中。
あなたたちのイメージで作り出した世界。



つまり、昨日倒したのはおまえの本体じゃなかったって訳。



あれはただのミステス。
この宝具、パパゲーナを宿していた戦闘用のね。
私はその身体に取りついていただけ。



気配さえ感じさせなかったのは、おまえが小さすぎたのね。
そのおまえが何のつもり?



それは私が知っていればいい事。



相手をしてもらおうか。



悠二!
私が戦うから隙を見て吉田一美を起こして!
夢から抜け出すにはそれしかない!



わかった。



ゲマインデの中では全て私の思い通りになるのよ。
この少女は永遠に目覚めない。
そして あなたたちも。



言ったでしょ。
この世界では私の思い通りになる。



シャナ!



油断しないほうがいいわ。
夢でも死ぬ。



こっちはいいから吉田一美を。



よそ見をするんじゃないよ。



いくら夢の中だからって
シャナの攻撃を受けて何とも無いなんて?
まるで身体が無いみたいに。






昨日倒したのはおまえの本体じゃなかったって訳ね。






もしかして、あれも本体じゃないとしたら?
まさか・・・



少しは頭が切れるみたいね。



シャナ!
僕の中だ!
メアは僕の中に居る!



え?!



あなたたちがバタバタしている間に
もう、私の手は零時迷子に届く。
あなたはもう、ミステスの中に居る私には
手を出せないはずよ。



悠二!



まさか・・・これは・・・まさか・・・戒禁?



あ!
戒禁?



あのバルマスケ(仮装舞踏会)が追うほどの宝具。
手に入れれば皆が存在を知り
追いかけてくれるはず・・・だったのに・・・
こうなればその宝具を葬った者として私は・・・



おまえ!



私が死ねばその瞬間にゲマインデは閉じる。
でも、その前にあの少女が起きる事は絶対に無い。
どちらにしてもお前たちは・・・



まずい。



吉田さん!
起きて!
吉田さん!

吉田さん!



・・・くん。
坂井・・・くん・・・



吉田さん。



坂井君。



なぜだ?
そんな馬鹿な!






今の・・・



吉田さん、ありがとう。
おかげでみんな戻って来れたよ。
でも、よく気がついたね。
凄いよ。



凄い?
私は、ただ坂井君が居るのがわかったから。
ちょっとでも坂井君に会いたかったから。



も、もっと・・・



坂井君、大丈夫ですか?
疲れたんですね。



私は・・・



またこんな事になったら大変だから
お弁当には気をつけて。
悠二にあげるのなら、だけど。



お弁当の量、半分にするね。



うん。






何?
戒禁?



うん。
あの悠二の中に入ったともがら(従)が
確かにそう言った。
零時迷子には強力な戒禁がかけられている。



なんと・・・



まさか、戒禁とは・・・






マージョリーさん
毎晩、飲みすぎですよ。



そのぉ〜
俺らも学校行けないですし。



ぁあ?何よ。
急に学校好きになったの?



い、いや。



おい、それにしたって
ちぃと飲みすぎじゃねぇか?
我が愛しのマージョリー・ドーよ。



なんかね、嫌な予感がすんのよ。






転校生を紹介する。
近衛史菜(このえふみな)くんだ。
慣れるまでみんなでフォローしてあげてくれ。



まさか!



また夢なんじゃぁ?