灼眼のシャナII 2 2/3

灼眼のシャナII 2 2/3





うん。



僕が?



悠二は強くなれるよ。






むぅ、むむむぅ。





池、昼飯買いに行かない?



うん?
何言っているんだよ?
おまえにはあるだろ?



え?



あの、坂井君。
今日はクラブハウスサンドにしてみたんですけど。



あぁ。



へぇ!凄いね!
吉田さんって苦手な料理ないんじゃ?



そんな事無いけど。



僕も弁当は買ってきてあるから
一緒に食べようよ。



私、お茶持ってきます。



変な気、使うなよ。



うん、ごめん。



はい、どうぞ。



じゃあ、いただきます。



悠二!
これ!



これって?



あげる。



シャナが?

へぇ〜。ありがとう。
もしかして、今朝はこれを作るために?



え?



いっぱいあるから分けてあげようと思っただけ。
これからもそうするかも。



ありがとう。
貰うね。



美味しいけど・・・
さすがにこの量は・・・

からしごかれて食欲ないし・・・

どっちか残すわけにも・・・






いてぇ・・・



おい、坂井、どうした?



悠二!



坂井君!






悠二・・・



坂井君、お弁当全部食べてくれたけど
やっぱり多すぎたんだ。



そうよ、だからおまえはもう悠二に何も持ってこないで。
わかってるでしょ。
私も悠二もいつ戦いがあるかわからない。
悠二がこんな状態だったら困る!



そんな・・・
私、お弁当の量、減らすから。



あたしのだけでいいの。
おまえは何も知らないけど
悠二はもうただのミステスじゃないんだから。
おまえはかまわないで!



ずるいよ。
そんな言い方、ずるい。

私は何も知らないかもしれないけど
でも、坂井君が好き。
だからその気持ちを込めてお弁当を作る。
これからも・・・



おまえは・・・



戦いとか関係ない!



おまえはわかってない。
結局、吉田一美なんかただの人間よ。
悠二だってそう思う。



封絶!
悠二!起きて!悠二!



シャナちゃん。
坂井君は体調が・・・
そんな場合じゃない。



悠二、ともがら(従)が居る。
一緒に来て。



わかった。



坂井君。



まって、私も・・・



え?



ううん、気をつけて。






ミサゴ祭り?!



封絶の中なのに気配が無い。



シャナ。
あれ、ミサゴ祭りのお炊き上げだよ。



悠二、今はそんな物どうでも・・・



だって、今9月だろ?!



え?



ミサゴ祭りは8月なのに。



あ・・・
あれは!



これと全く同じ事、前にもあった気がする。



悠二!
聞いてるの?



待って、この感じ。
前と同じ繰り返しって・・・






一瞬の、そして永遠の夢を。






どうして忘れてたんだ?

シャナ!夢だ!
また夢の中に居る!



やっぱりだ。



悠二!
どういうこと?



昨日と同じなんだ。
あの小さなともがら(従)と戦ったろ?



僕、あの時
夢を見させられたんだ。
その事自体、忘れてたけど
今みたいに前と全く同じ事が起こって・・・



何?
どうしたの?



シャナ?



うー!
何するのよ?!



うん、今度のシャナは本物だ。



なるほどね。
これは夢の中ってわけ。
あの小さいともがら(従)にそんな力があったなんて。



倒したと思ったけど、こんな状況って事は、まだ・・・



居る・・・。



けど、変だな。
前は夢だって気づいたら、すぐ目が覚めたのに。
どうして今は僕もシャナも夢だってわかっているのに
目が覚めないんだろう?



ともがら(従)に聞けばわかる。



ぁ。



どうしたの?



シャナ、この夢の世界では
自分たちが知っている事しか起こらないって
さっき言ったよね。



それが?



封絶は保健室に居る時から見えた。
という事は、もう夢の中だったんだ。
だから、保健室での吉田さんは
僕とシャナが知っている事しか言わないし
できないはずだ。
でも・・・






坂井君、待って、私も・・・



え?



ううん、気をつけて。






あの時の吉田さんを僕は知らない。
シャナは?

僕たちが知らない行動を取れるって事は
つまり・・・



この夢は吉田一美の夢でもあるってこと?



うん。
吉田さんも夢だと気づけばきっと。