灼眼のシャナII 1 2/3

灼眼のシャナII 1 2/3




申し訳ありません。



いいんだよ、マリアンヌ。
痛かったね。

オチビさん、また伺うよ。
ここは私の狩り場だからね。



シャナ・・・
今のどういうこと?
どうしてフリアグネが?



狩り場って言ってたわね。
この街にトーチが多いのもあいつが・・・



うむ。
であれば納得がいく。



なんてやつ。



シャナ、僕の言う事 聞いてくれる?
フリアグネが現れるなんてどう考えてもおかしいよ!
前と同じことが繰り返されているんだ。
何か感じない?



壊れた所を直さなきゃ。






あの後の授業も前にやった所ばかりだった。
絶対におかしい。



坂井、帰らないのか?

何だよ?



池、今 何月だ?



はぁ?
9月に決まっているじゃないか。



9月に桜が咲くなんて変だよな。



親の機嫌もとっておかないと小遣いに影響するからね。
何かあるの?
じゃぁな。



カルメルさん。
カルメルさん!



何事でありますか?
まさかあの方に何か?



たぶん、シャナだけじゃない。
学校中が変なんです。
倒したはずのともがら(従)が現れたり
みんなの行動も前の繰り返しばかりで。
カルメルさん、何か気づいたことは?



あの方のお迎えに参上したのであります。



下校時刻。



ヴィルヘルミナ
来なくていいって言ったのに。



買い物ついでなのであります。



もう・・・



悠二、夜の鍛錬 遅れないで。



時間厳守。



どういう事だ?
僕以外みんな・・・

まただ。
これは何なんだ?

思い出せない。
でも、こんな妙なこと出来るとしたら
ぐぜ(紅世)のともがら(従)の・・・

たとえば自在法がかかっているとか?
自在法?
マージョリーさんなら!



佐藤の家、確か萩野町だったっけ?
行った事ないんだよな。






落ち着け。
今、この状況を把握できているのは僕だけだ。
動けるとしたら僕しか居ない。
けど・・・
僕一人でどうにかなるのか?
シャナやカルメルさん
フレイムヘイズがみんなおかしくなっているのに。

こんな事が出来るともがら(従)だとすると
相当の・・・

そんな凄いともがら(従)だとしたら
どうして誰にも気づかれずにこんな事が出来たんだ?
もし自在法をかけられるにしたって
せめて直前には気配ぐらいあるはずだ。
あのシャナが気づかないはずがない。
そうだ、シャナなら気づく。
こんな事ありえない。

逆に考えてみるんだ。
この状況を把握しているのが僕なんじゃなくて
こんな状況になっているのが・・・
僕だけだとすれば・・・



ゆうちゃん、コーヒー入れたから降りてこない?



母さん。



ん?



コーヒー、いつものやつ?



そうよ。
美味しいでしょ?



今まで聞いたことなかったけど
そのコーヒーどこで買ってくるの?



お父さん、近いうちに一度帰れるかも知れないんですって。






シャナ!



さぁ、お兄様。
お望みの贄殿の遮那(にえとののしゃな)ですわ。



わぁ〜い。



いけるはずだ。
僕が思っているとおりなら。



なぜ、死んだはずのフリアグネが襲ってきたのか?
なぜ、前と同じことがおきるのか?
そして、佐藤の家にはなぜ行けなかったんだ?
その答えは・・・

いけるはずだ。
僕が考えているとおりなら。



やめろ!
もうやめろ!



あ?



わたくしのお兄様。
何でもなさって。
わたくしが許しますから。



うん。



そうなんだ。
シャナは何も言えない・・・
だってこんな時にシャナが僕になんて言うのか
僕にはわからないから。






私、悠二が・・・






ここでは僕が知っていることしか起こらない。
僕が知らない場所には行けないし
僕が知らないことは誰も答える事ができない。

なぜならそれは僕が作り出した世界だからだ。



一瞬の、そして永遠の夢を。



これは僕の夢だ!






悠二!
何してるの?!



シャナ!



戦闘中にぼうっとしないで!



ごめん、どれくらい眠ってた?



何?
数秒目を閉じていただけだが。
貴様!
眠っていたのか?



馬鹿!
大馬鹿、悠二!



うん、これが本当のシャナだ!



まだ寝ぼけているの?
いくら弱いともがら(従)だからと言って
油断しないで!
一応、宝具を持っているのだから。



弱いともがら(従)?



お帰りなさい。
つかの間の夢から。



おまえ、そんな小さい力で
よく私の前に現れたわね。



そうね、でも私にはどうしても果たしたいことがあるの。
望むままに、欲求のままに生きるのがともがら(従)でしょ?



その望みは叶わない。



こんな小さい存在のともがら(従)なんて初めて見た。



うむ。
自ら姿を現さねば気づかぬ程であったな。



でも、不思議な力だったよね。



不思議って?
悠二を居眠りさせたこと?



いや、えーと・・・
あれ?
何かあった気がするんだけど・・・
何だっけ?



もう、本当に寝ぼけすぎ!



気を緩めるな。
坂井悠二
貴様が零時迷子と言う宝具を宿しておる事を忘れるな。
バルマスケ(仮装舞踏会)とて
いつ、再び動き出すかわからぬ。



うん。