劇場版 灼眼のシャナ 6/9

劇場版 灼眼のシャナ 6/9





やっぱり慣れないな。
灯りが見えるのって。
人の寿命を覗き見しているみたいだ。
心臓みたいに鼓動してるし。



鼓動?



どういう事だ?



どういうって・・・
あんたたちにも見えてるんだろ?
灯りが揺れたり膨れたりしてるのを。



アラストール



いや、我にも見えぬ。



え?
だってあんなにはっきり。



おまえって、やっぱり変なミステスね。
中に入ってる宝具のせいだと思うけど。



え?



おそらくはかなり特殊な物だ。
空けて確かめねばはっきりとは言えぬがな。
それより気になるのは、貴様の言うトーチの鼓動だ。
ほかはどうなっている?



僕が見る限り全部そうだけど。



普通は鼓動なんかしないわ。



あるいはこの街全てのトーチが
そうなっておるのやも知れぬ。



アラストール



うむ。
何らかの仕掛けか。



自在法?!



探知の自在法か。



なんで今の人、消えたんだ?



自在法を使うには存在の力が必要なの。
そのためにトーチを使ったんでしょう。



そんな!?
誰がそんな事?
あのフリアグネって奴か?



いや、昨夜から感じていたフレイムヘイズ
立ち去らぬようだな。



え?
シャナの他にもフレイムヘイズが?



その名前で呼ばないで!
これだけトーチが多いんだから
フレイムヘイズなら嫌でも気づくわ。



狩人をおびき出すつもりだな。






マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ
四方を配して寝床の夢を破るお化けをこづかれよ!







ご主人様、トーチが・・・



まさか、気づいたとも思えないが・・・
しかし、急がなくてはならないな。マリアンヌ。
きみの言うとおりフレイムヘイズの訪れがこうも頻繁では
やはり面倒だ。






ひっかかんなかったわね。



でもまぁ、近くに潜んでんなら
見つかったーっつって慌てて出てくるんじゃねぇか?



その前に別のも釣れたみたいね。



おまえたち、何してんの?!



あーら、いきなりのお言葉ね。
こんにちは、も無し?



弔詞の詠み手、蹂躙の爪牙。
貴様達だったのか。



よぉ、よぉ、よぉ。
天壌の劫火じゃねぇの。
ってことは、そいつは炎髪灼眼か?



随分とお子ちゃまねぇ。



貴様ら、一体何の・・・



あんた達がやったのか?



ぁん?



あんた達がやったんだろ?
どうしてだよ?
どうして、あんな簡単にトーチを消すんだ?



はぁ?
何、これ?



トーチみてぇだが。



トーチだって、
トーチだって何かしようとしてたかもしれないのに!
何かを思ってたかもしれないのに!
どうして・・・
どうして?!



なんなのよ?
鬱陶しい。



消しちまえ、消しちまえ。
鬱陶しいトーチが!



待て。
それはミステスだ。
迂闊に壊してはならん。



マジかよ?
どうりで吠える訳だ。



くそぉ・・・



ミステスの肩を持つわけではないが
むやみにトーチを消すのは関心せぬ。
フレイムヘイズがバランスを崩してどうする?



なーに呑気な事を言ってんのよ?
こんなにトーチが多い状態で
ほっとくほうがどうかしてんじゃないの?



職務怠慢だぜ。
天壌の。



トーチの多さは承知している。
だが、そのトーチに仕掛けが施されているらしいのだ。



仕掛けだと?



だったらフレイムヘイズ殺しの罠かもね。
あんたたちも知ってるでしょ?
この辺りでご同輩が何人も消えているって。



だから真打の俺達が乗り込んできたって訳よ。



我らはトーチの多さに疑問を持っての事だが。



あぁ、俺達もここへ来て驚いたぜ。
普通じゃねぇからな。
仕掛けねぇ?



アラストール、なんか嫌な感じがする。



うむ。



珍しい光景だねぇ。
フレイムヘイズの井戸端会議とは。



フリアグネ



これは、これは。
とんだ大物だわ。



狩人か。
イヤッハー、こいつはすげぇぜ!



弔詞の詠み手、それに蹂躙の爪牙だね?
無粋な自在式も納得だよ。
せっかく街に書いた絵を台無しにしようとは・・・
最悪の気分だ。



まだまだこれからよ。
最悪は。
封絶!

狩人フリアグネ
その首、貰ったぁ!



街に書いた絵だと?



遅い!



ふ。



あ!炎が・・・



どういう事?



火避けの指輪、アズュール。
どんな炎も近づくことを許さない。
美しく高潔な宝具だ。



ふん。
どうしてコレクターって言うのは
能書きを垂れたがるのかしらねぇ。



しかも決まって面白くねぇ。



それは残念だ。
では・・・
これはどうかな?

バブルルート。
私のとっておきの宝具の一つだ。
どんな武器でもこいつを切る事は出来ないんだよ。



だったら、直接ぶん殴るまでよ!



チェッ。
そういやぁ、人形遊びが得意だったな。
あいつは。



切れないなら、持ち主のほうを!
こんな玩具!



あれは・・・



下がれ!



やべぇ。
近くで受けてたら ひとたまりもなかったぜ。



あのミステス・・・



私のダンスパーティによる爆発を見破るとは
中に入っている宝具の力か?

少々目障りだな。