灼眼のシャナ22 2/3

灼眼のシャナ22 2/3




これが、ゆかりちゃんと坂井君の世界。
近づけても傍には行けない。
悔しい・・・
悔しいよ。
何も出来ないなんて。
坂井君・・・






いいのか?
ヘカテー



かまいません。
零時迷子が私の求めを満たすのなら。



いつまで余計な心配をしているんだい?
千変。
ヘカテーは存在の力を永遠に満たす者になるんだよ。



その満たすと言う事が引っかかるんだよ。
俺の無垢なヘカテーに余計な手を加えるって事だろ?



何も変わりはしないさ。
むしろ無垢である事が渾の聖廟にとっては
重要とさえ言える。

さて、そろそろ零時迷子の準備も整うころかねぇ。






ここは・・・どこだろう?
なんでこんな所に?






うっ。



お目覚めでありますか?



悠二!



慌てるな。
あ奴は星黎殿に連れ去られたままだ。



う。



バルマスケ(仮装舞踏会)が零時迷子を使って
何をもくろんでいるのか?
気になるのは逆理の裁者の言葉だ。



ベルペオルの?



うむ。



ここは存在の泉になると。



存在の泉・・・



零時迷子の特性は毎夜存在の力を回復する事。
つまり・・・



ミステスを利用する と言う事でありますか?



おそらくな。
だが、零時迷子が回復するのは
その日に失った量のみ。
ミステスと言う器の小ささを考えれば
それは大した量とは言えぬ。



あれほど大仕掛けをする理由はないと?



うむ。



故にこそ、そこに何らかの企みがあると考えるべきだろう。



まもなく零時でありますな。



悠二。






僕は・・・何をしているんだ?
思い出せない。
何か忘れている事が・・・






さぁ、ヘカテー



零時迷子。



ヘカテー、おまえの求める物が
おまえを満たす物があの零時迷子。
器を合わせてみるがいい。






器を合わせる・・・か。
いい気はせんな。
俺のヘカテーがあんなミステスごときと。



それがヘカテーの力じゃないか。
誰一人として真似できない。



きみは・・・?



頂の座(いただきのくら)、ヘカテー



ヘカテー・・・



器を開きなさい。
私の元へ。



僕が・・・広がっていく・・・



あぁーー。



何だろう?
すごく・・・気持ちいい・・・






よし。






感じる。
私を満たす無限の力。






零時迷子も驚いているだろうよ。
ミステスと同化するヘカテーの器は並の大きさじゃない。
底なしさ。



化け物みたいに言ってくれるな。
永遠に満たされず・・・
ゆえに染まらない。
無垢の存在なのさ。



ふん。
とにかくそのせいで
零時迷子はとてつもない存在の力を吐き出さなければならない。
しかも・・・
探耽求究の仕掛けは存在の力を回復した端から
吸い出してしまうからねぇ。
いつまでたっても器は空。

零時迷子は永久に力を回復させ続ける。
吸い出された存在の力は星黎殿からあふれ
この地を満たし続ける。

枯れる事を知らない泉のように・・・






あれは・・・



何?
存在の力?



ただ事では無いのであります。



零時迷子。



あ!



おそらくは探耽求究による仕掛けだな。



あれではこの街に大量の存在の力が集中する事になるのであります。
そうなれば、世界のバランスが・・・



う!



ここまで事態の進展が早いとはなぁ。
もはや他の討ち手を終結させる余裕もないか。



今、ここにある我々で阻止するしかないのであります。



敵地突入。



ミステスの破壊によって。