灼眼のシャナ22 3/3

灼眼のシャナ22 3/3




あの仕掛けの大元を絶つことは
当然かつ現実的な作戦なのであります。
フレイムヘイズとして失敗は許されないのでありますから。
その為にはまず、怪我の治癒を。



悠二・・・






じゃぁ、どうしろって言うんだよ?
シャナが何を考えているのかわからないよ。

わかってる。
僕はミステスでシャナはフレイムヘイズ なんだよな。

やっぱり、僕を壊すって事?






そうじゃない。
そうじゃないのに何も言えない。






おまえは坂井悠二をどうしたいのだ?



どうしたい・・・



あるいは坂井悠二にどうして欲しいのだ?






信じているのであります。






シャナ!



あれは・・・ブルートザオガー(吸血鬼)
どうしてここに?



マージョリーの姐さんが残していったんだ。



あのともがら(従)たちと戦うんだろ?
あんたに渡そうと思って持ってきた。



え?



頼む。
これで坂井を助けてやってくれ。



頼む!
自分たちで助けたいと思ったけど無理なんだ。



結局俺たちに出来るのはこれくらいしかない。



平井ちゃん、坂井を死なせないで くれよな。



俺たちはフレイムヘイズじゃなくて
平井ゆかりとしてのあんたに頼んでいるんだ。



平井ちゃん!



頼むよ。



俺たちは玻璃壇の所へ行く。



何かの役にたつかもしれないからな。



平井ゆかりとして・・・か。
人間からあのように頼みごとをされるのは初めてだな。



考えること、佐藤君たちと一緒みたい。



聞きたくない。



私だって本当は言いたくない。



ん?



私がゆかりちゃんだったら自分で助けに行けるのに。
悔しいよ。
やっぱり坂井君とゆかりちゃんは
近いところに居るんだって。



私と悠二が?



でも、だから信じられる。
私、ゆかりちゃんを信じる。
人を好きな気持ちは変わらないと思うから。
坂井君を好きなゆかりちゃんなら信じられる。



私は・・・



このような所に居たのでありますか。



ぁ・・・



安静にしていなければ怪我の治癒が遅れるだけであります。
ミステス破壊は緊急を要するのでありますから。



ぁ!



参りましょう。



ゆかりちゃん、待っているから。
坂井君と一緒に帰ってきて。



さぁ。



お願い。
坂井君の好きなゆかりちゃんなら・・・



私は・・・悠二を・・・






この街全てが存在の塊になる。
かつてこれほどの力を手に入れた者がいたか?
否、この逆理の裁者が最初の存在になる。



ヘカテー・・・






僕は何をしているんだろう?
思い出せない。
何か忘れている事があるはずなのに。



あ!
これがミステスの記憶。



僕の・・・記憶?



そう、記憶。
あたしの中に入ってくる。



僕の・・・

そうだ!
僕は・・・






シャナ!
おまえの道はおまえが選べ。



うん。






あれは・・・
あれは・・・






悠二。






シャナ!



あ!






万全でありますか?



うん。



突入すればもう後には引けないのであります。



わかっている。



目的は・・・



確かなのは今行くしか無いって事。



了解であります。



行けばおのずと答えは出るでありましょう。
フレイムヘイズとして。



うん。



突入。






シャナ、僕をかばってくれた。
ミステスでしか無い筈の僕を。
どうして?



あぁ、私を満たしていく。
ミステスの人の想い。
なんて深くて強い。
今まで合わせてきた器とは違う。



シャナ。






悠二!
私は悠二を・・・






来るぞ。



あぁ、承知の上さ。



だが ここまでたどり着けるかねぇ?






坂井君・・・
ゆかりちゃん・・・



平井ちゃん・・・
頼む・・・






なんでバルマスケ(仮装舞踏会)のともがら(従)が
こんなに うじゃうじゃ しているのよ?
星黎殿から追い出されたって訳?



沈没する船から鼠は逃げるって言うぜ。



ふん。
重りをつけたって沈みはしないわ。
特にベルペオルのババァはね。

けど、連中の動きが妙なのは確かね。



お尋ねする相手には事かかねぇようだが。



ふん。
それじゃぁ、一つ聞いてみようかしら?
話しやすいよう、ぶん殴ってからね!