灼眼のシャナ22 1/3

灼眼のシャナ22 1/3


揺らぐ炎。




おまえに用があるんだよ。



渡す前に破壊を!



あ!



う!



シャナ!



ミステスをかばったのか?
物好きだな。



シャナ・・・
シャナー!!



悠二・・・
どうしていいかわからないから・・・






まだ、星黎殿は動きを見せぬな。
そう、心配せずともそろそろ目を覚ますだろう。
さして言おうがこの子はあのミステス
坂井悠二に出会ってから
われらが天道宮で教え得なかった感情に翻弄され続けてきた。

それまで知る事のなかった自身で制御できぬ感情に。



どうしてミステスごときを・・・



愚問だな。
万条の仕手。
我らはそれを教えこそしなかったが
知らぬわけではない。
だが、この子とて
それを真実、理解したわけではないのだ。
ゆえに、苛立つ。



当然でありましょうな。
しかし、フレイムヘイズとしての使命は
それで揺らぐ物ではないのであります。
あの灼眼の名を継ぐ者であれば
なおの事。



それはこの子もわかっている。
だからこそ混乱する。






飲めよ。



大丈夫か?



す、すみません。



くっそー。
あの、ともがら(従)たち坂井をどうするつもりなんだ?



坂井の中にある零時迷子ってのが欲しいんだろ?



じゃあ、あいつらもしかして坂井を・・・殺す・・・?



そんな・・・



大丈夫!
その前に助ける!



俺たちでか?



他に誰が居るんだよ!
平井とあのフレイムヘイズだって
坂井を殺そうとしたんだ。



ぁ?



これは?



姐さんが置いていった武器だ。



姐さんは片手で持てたって言うのに
俺たちに持ち上げる事もできなくてさ。



くそ。



違いすぎるんです。



違う?何が?



私とゆかりちゃんたちは。
坂井君も。

坂井君がさらわれた時だって
ゆかりちゃんは戦ったのに・・・
私、見ているだけで・・・



吉田ちゃん!



姐さんが居てくれたらな。



今さら言ったってしょうがねぇだろ?
俺たちしか居ないんだよ。



でも、本当に助けられると思うか?
俺たち姐さんが居なくなったからって
意地になっているんじゃねぇか?






これが、ゆかりちゃんと坂井君の世界。
近づけても傍には行けない。
悔しい・・・