灼眼のシャナ21 2/3

灼眼のシャナ21 2/3




発揮する。



そうなの、前の戦いでもそうだった。
聞いておいたほうがいいと思う。
悠二、ミステスの話・・・



ミステスの話・・・か。



なんという顔。
そこまで・・・



あなた方が必要だと言うのならば
そのミステスにもまだ利用価値はあるのでありましょう。
破壊は延期するのであります。
ただし一度だけ。



承認。



ヴィルヘルミナ



信じているのであります。
私はあなたに失望したくないのであります。



僕が言いかけた事だけど・・・



うん。



街に残っている鳥の飾りは大丈夫なのかな・・・
って思って。



うん?



昨日のともがら(従)が燐子(りんね)に使わなかった飾りだよ。
あれ、本当に残りなのかな?



まだ、何らかの危険性が残っていると言う事か?



ともがら(従)が何をしに来たのかわからないって言っただろ?
まだ全部終わってないのだとしたら
わからなくて当然だよ。



なるほど。
可能性がないとは言えぬ。
警戒はしたほうが良いだろう。



うん、わかった。



利用価値あったかな?



あ、あれは・・・



わかってる。
僕はミステスでシャナはフレイムヘイズ
なんだよな。






坂井君?
ゆかりちゃん?






シャナ
僕、やっと決心がついたんだ。
街を出るよ。



ぁ!






ぁ!






悠二!



考えたんだ。
これ以上この街やみんなを戦いに巻き込んじゃいけないって。



ぁ。
ぇ?



僕がみんなを守るためにできる事はそれしか無いんだ。



守るために?



うん。
守りたい。
街やみんなを。



街やみんなを・・・



違う。そういうんじゃない。
全然違う。
そんな理由で一緒に行きたくない。



街を、街を出るよ。



そうじゃない!

街を出てもバルマスケは追ってくる。
他のともがら(従)だって狙ってくるかも。



また別の場所に行くよ。
戦う事だって・・・



無理よ!



どうして?



無理だから無理なの!



じゃぁ、ここに居ろっていうのか?



そんな事 言ってない!



だったら一体・・・
やっぱり僕を壊すって事?



違う!



フレイムヘイズとしてはそれが正しい方法だもんな。



違う!
違うの!
そうじゃない!



じゃぁ、どうしろって言うんだよ?
シャナが何を考えているのかわからないよ。



悠二・・・






坂井君。



吉田さん。
どうしたの?
こんな時間に。



私、カムシンさんにお守りを貰って
そのおかげで・・・



そっか、封絶を感じたんだ。



坂井君、ほんとに・・・
ほんとに ここから出て行くんですか?



聞いてたの?



すみません。



うん、ほんとだよ。



そんな・・・



吉田さん
決心できたのは吉田さんのおかげでもあるんだ。



え?



僕を人間だといってくれたよね。
だから僕は坂井悠二という人間として
大切な物を守ろうって思えたんだ。
そう思える事が自分が坂井悠二だった証拠なんだって。



だけど・・・だけど・・・



ありがとう。
吉田さんの気持ちも凄く嬉しかった。
でも、ごめんね。
もう、決めたんだ。



坂井君・・・



えらい!



あ!?



田中?
佐藤?



坂井、おれ感動した。



おまえ、本気ですげぇ奴だったんだな。



あ、いや・・・
なんで居るの?



これのおかげで封絶ってやつが見えるわけ。



もしかして姐さんが戻ってきたのかって思ったんだけど・・・



俺はそんな事思ってねぇよ。



ともがら(従)なら戦ってやろうって言ったんじゃないか。



マージョリーさん、居なくなったんだ。



あぁ。



関係ねぇよ。もう。



そっか、マージョリーさんは・・・






今度ばかりは坂井悠二に賛同せざるをえんな。
破壊するのか・・・せぬのか・・・
街を出るのか?とどまるのか?



それは・・・



我が止めなければ
おまえはあの時、万条の仕手に剣を向けただろう。

しかし一方でその信頼に応えようと必死だ。
おまえは坂井悠二をどうしたいのだ?



どうしたい・・・



あるいは
坂井悠二にどうして欲しいのだ?



あっ!
私は悠二に・・・
悠二を・・・
わからない。
全然わからない!






おまえを殺して零時なんとかを
どっかに飛ばすって言うのか?



そうなればまた見つけるのは凄く大変になるらしいんだ。
御崎市にバルマスケ(仮装舞踏会)っていう
ともがら(従)の集団が襲ってくる理由もなくなるし。



けど、おまえは・・・
死ぬんだろ?



うん。



そんな・・・



平井ちゃんも・・・っていうか
シャナだっけ?
そうしようって言ってんのか?



シャナはわからない。



フレイムヘイズなんてみんな俺たちの事なんか
何とも思ってねぇんだよ。



坂井、街を出なければいけないんなら
一緒に行ってやる。



え?



こんな街にも家にも未練なんか無いからな。
出てったほうがせいせいする。



よし、俺も行こう。
坂井だけにつらい思いはさせられないからな。



ありがとう。



けど、たまには帰ってきていいか?



なんだよ、ぬるいな。



逢いたい奴とか居るだろ?



ぁあ?



い、いや・・・別に・・・



なんだよ。別にって・・・



別にいいじゃないか。






坂井君、本気だ。
街を出て行くなんて大事な事なのに
あんなふうに言えるなんて。
ゆかりちゃんとだって真剣に言い合って。

私、坂井君にちょっとでも近づけたって思えた。
なんで?坂井君・・・
前よりもずっと遠い。