灼眼のシャナ20 2/3

灼眼のシャナ20 2/3




・・・やっぱり本当の家族と一緒に居ることが
ゆかりさんにとって一番でしょうから。



家族・・・



家族・・・



そのような不躾な・・・
私は血のつながりの無い単なる養育係の身であります。



そうでしょうか?



ゆかりちゃん、
本当にそれだけ?



血のつながりなんか一緒に暮らした家族にとっては
些細なことじゃありませんか。



なんという、嫌な女でありましょう。






気をつけろよ。



わかっている。



35センチ。
新記録!

よし、チェンジ!



すぐに持ち上げてやる。
絶対に。



あぁ、これが出来なきゃ手伝いなんて
絶対無理だからな。



フフフン。
あいつら無理しやがるぜ。
いくらミステスの坊やにいいところを見せつけられたからってよ。






それ、あいつの?



はい。
だけど・・・
あの時 カムシンさん
なんだか怖い事 言ってましたね。






あぁ、そうだ。
調律のお礼にお守りを差し上げましょう。



貰っていいんですか?



気休め程度の物ですが・・・
あぁ、あなた方に一つ忠告を。
教授の狙いが何だったのかを知りませんが
零時迷子に関して大きな動きがある事を
私たちは聞いています。



え?零時迷子に?



警戒する必要があるでしょう。






大きな動き・・・か。



坂井君もゆかりちゃんも
みんなこんな怖い状況でずっと戦っていたんですね。
私だけが何も知らずに。



吉田さんだけじゃないよ。
大部分の人間はこんな事知らずに過ごしている。
出来れば知らないほうが良いんだ。



坂井君・・・



今まで考えた事も無かったけど
僕はこの街が好きなんだ。
母さんや吉田さんやみんなの居るこの街が。
だから必死に守りたいって思ったんだ。
もう、この街を、街の人たちを昨夜みたいに巻き込みたくない。



ん?
どうしたの?



ごめんなさい。
なんだか今 坂井君が急に遠くに行ってしまう気がして。
うん?



あれって・・・



お炊き上げの準備ですね。



あぁ、そんなのもあったっけ。

あの飾り、全部 燐子(りんね)に変わっちゃったのかと思ってた。



うん?
ぁ!



坂井君、どうしたんですか?



あぁ、ごめん。
何でもないんだ。
行こう。



考えすぎかもしれないけど
一応、シャナに確認をしておこう。
あれは大丈夫なのかなって・・・






まさか、零時迷子のミステスの家に入り浸っていたとは。



予測不能



天壌の劫火がついていながら
何をしていたのでありますか?



むぅ・・・



何が むぅ・・・ でありますか。



職務怠慢。



んんんんん。



別にここに居てもかまわないと思う。
悠二は・・・
ミステスはちゃんと戦いの役にたつんだから。



まだ未熟で思慮の浅い面も多々あるがな。



教えて、ヴィルヘルミナ
零時迷子のミステスをどうしようって言うの?



以前、千変がここに来たはずであります。



千変シュドナイ



やはりバルマスケ(仮装舞踏会)か。



零時迷子に関して不穏な動きを見せているのが
ほかならぬ彼らなのであります。



ん?



ただいま!



あ!



母さん、シャナが来ているよね?
あのさ、シャナ
ちょっと聞きたい事があって・・・



ぁ!



ゆうちゃん、ちゃんと挨拶なさい。
ゆかりちゃんの養育係をされていた
ヴィルヘルミナ・カルメルさんよ。



よ、養育係?



エカテリーナ!
勝手にお庭に入っちゃ駄目!
ぁぁ!



ぅぅ・・・



そういう事でありますか?



シャ、シャナ!



シャナちゃん?



奥様、お邪魔をいたしました。
後の事は私が。



は、はい。



迷いは断ち切るべきであります。






結局、記録は48センチか。



振り回すのはまだまだだけど
大進歩だ。



そろそろ飯にしようぜ。



あぁ。
姐さん、晩飯は何にします?
俺たちがっつり栄養のつくもの食べたいんですけど。

おっかしいなぁ。
また寝ているのか?



ん?



マージョリーさん?

マージョリーさん?



姐さーん!



マージョリーさん!



姐さん!



マージョリーさん!



姐さん!どこに居るんですか?!
返事ぐらいしてください!
姐さん!



田中。






置いていくのか?
あの剣。



えぇ、どのみち私には似合わないでしょ?
ああいう物騒なの。



いやー、まったくだ!
ただでさえ物騒な奴に、物騒な物 持たせたら それこそ・・・



お黙り、馬鹿マルコ。