灼眼のシャナ20 1/3

灼眼のシャナ20 1/3


非情のヴィルヘルミナ






戦いは 終わった。
残ったのは教授と呼ばれるともがら(従)の目的が
何だったのかという謎と・・・



坂井君、こんなに暖かい。
坂井君は人間です。



真実を知ってもなお
そう言ってくれる吉田さんの気持ちだけだった。



そして・・・シャナは・・・



何事でありますか?



ヴィルヘルミナ






あまり居住しているようには見えないのであります。



うん・・・まぁね・・・



要清掃。



ねぇ、ヴィルヘルミナ
いつまでこっちに居られるの?



期間未定。



用が済むまでであります。



用とは?



この街に居るという零時迷子のミステスについてであります。



ぁ!






信じられないな。
あんなにいろいろな事があったのに
まだ昨夜のことだなんて。



吉田さん。



こんにちは、坂井君。



昨日は・・・その・・・ごめんね。
なんか、いろんな事に巻き込んじゃって。



坂井君のせいじゃありません。
私、ちょっぴり嬉しいんです。
坂井君に少しでも近づけたから。
それに・・・おかげでちゃんと言えました。



ぁっ。
あの・・・ほんと、どうもありがとう。



い、いえ・・・
そんな・・・



吉田さんの気持ちは素直に嬉しい。
だけど・・・
僕は零時迷子のおかげで生かされているだけ。



坂井君?



え?



どうかしたんですか?



ううん、なんでもないよ。






あの家に零時迷子のミステスが居るのでありますな。



潜伏。



うん・・・まぁ・・・
ねぇ、ヴィルヘルミナ
もう帰ろうよ。
その・・・
まだ掃除も終わってないし。
それに話したい事も・・・たくさん・・・



今朝と言い、今といい
フレイムヘイズにあるまじき態度であります。



あら、シャナちゃん。



シャナ?



今日はゆうちゃんと一緒じゃなかったの?
あの子ちょっと出かけてくるなんて
ふらっと居なくなっちゃったんだけど。



居ないんだ。



それで・・・そちらは?



あ、えーと・・・






まぁ、まぁ
こちらがカルメルさんだったんですか?
ご挨拶が遅れてしまって・・・



いえ
お嬢様がお世話になっております。



ぁ・・・



シャナちゃんからお噂はかねがね伺っておりました。
何でも小さいころからお世話をされていたとか・・・
ね、シャナちゃん。



ぁ・・・うん・・・



奥様。



まぁ、奥様だなんて
何でしょう?



お嬢様をその名称で呼ぶのはやめていただきたいのであります。



ヴィ、ヴィルヘルミナ・・・



あら、失礼いたしました。
アラス・トオル様からも公認の呼び名と聞いておりましたので
てっきりカルメルさんもそうお呼びになっているのかと。



だいたい事情はのみこめたのであります。
炎髪灼眼の討ち手が錆びついた理由はこの女でありますな。



それで、カルメルさんは今
ゆかりさんのお家に?



はい。奥様。



当分はこの街に滞在する予定であります。
その間、お嬢様のお世話も当然私がさせていただくのであります。

もう、この女の好きにはさせないのであり・・・



それは素敵ですわ!
私どもも少しは寂しさを紛らわせるお手伝いはしてこられた・・・