灼眼のシャナ17 2/3

灼眼のシャナ17 2/3




私が目をはなしちゃったのが悪かったわ。
シャナちゃん、初めてなのに。



千草のせいじゃない。
私の鍛錬が足りないせい。



鍛錬なんてそんな大げさなこと言わないの。
料理はね、愛情こめて作ればそれでいいの。



愛情?






どれから食べようか、迷っちゃうな。






シャナちゃん
お料理はゆっくり勉強しましょう。
そうそう、明日はお祭りなのよ。
ゆうちゃんと一緒に行って来たら?



祭り?
あの騒々しいやつ?



楽しいわよ。
明日、早く帰ってらっしゃいな。
浴衣着せてあげる。
ゆうちゃんには内緒で着るの。
シャナちゃんの浴衣見たら、綺麗だってびっくりしちゃうわよ。



悠二が?



ただいま。



あ!



あれ?
なんか焦げ臭くない?



は!



そう?



悠二!
鍛錬はちゃんとした?



したよ。



シャナこそなんで来なかったんだ?



別に。



あ、シャナ
先に行っていて。
僕ちょっと買う物あるから。



うん。



吉田さんの弁当、食べるわけにいかないよな。



ありがとうございました。



ぁ!



吉田さん。



ちゃんと言う。
ここでくじけたら一生言えない。
ずっと後悔する。



あの・・・



坂井君。



はい!



明日の・・・
明日のミサゴ祭り・・・
一緒に行きませんか?



ぇ?
吉田さん・・・






明日の祭り、どうする?



なんか飛行船とか出て、いつもより派手らしいじゃ。



けど、男どうしで行ってもな・・・



誰か、女子誘うか?



ん?



あ!
池くん、おはよう。



あ、あぁ。



あの、こないだはごめんね。
池くん私の為にいろいろ言ってくれたのに・・・



いや、僕のほうこそでしゃばっちゃって。



ううん。
私、ちゃんと自分で頑張ってみるから。



実は・・・
吉田さんに明日の祭り、誘われた。



行くの?



うん。



そうか。



おまえに言われたことわかっているんだけどさ。



僕に遠慮して断っていたら
そっちのほうが許せなかったよ。
たぶん。
正直、本当に好きなのか自分でもわかっていないし
そうだとわかったら僕も勝負に出る。



うん。






そうだね。
たくさんで行ったほうが楽しいかも。



でしょ、でしょ?
田中、あんたも入れてあげようか?
楽しい、ミサゴ祭りツアー。



あー、いや悪い。
ちょっと用事があるから。



や、やだ。
何、まじにとってるの?
冗談だよ。冗談。



祭りなんて今まで興味なかったけど。






シャナちゃんの浴衣みたら綺麗だってびっくりしちゃうわよ。






これは、たぶん・・・
楽しい。






ん、ん?



よう、具合はどうでぇ、大将!



ちょっと場所、借りるわよ。



また、バーを追い出されたんですか?
あんな所で寝なくても、他の部屋 使ってくれてもいいのに。



無駄に居場所を作っちまったら
未練がでかくなっちまうだろ?
出て行くときによ。



だいたい、あんたの所のメイド
掃除しすぎるのよ。



うちの親が気にしているのは
家を綺麗にしておくことだけですから。



まぁ、おかげで俺たちも 居候決め込めるって訳だ。
ありがてぇこったな。ヒャハハハハハハ。



まったくね。
こっちも気楽だし。



ふん、お子ちゃまね。
ほんとは看病して欲しいんでしょ。



うははは。
なーに期待してんのよ。



おいおい
熱が上がっちまうぜ。



これだけ元気があれば大丈夫ね。
じゃ、一眠りさせてもらうわ。

おやすみ。






坂井君を誘えた。
明日はきっと言える。



ありがとうございました。



ぁ!



あなたは知っているのですか?



え?



気配が強く匂ったのですが・・・



ふむ。
このお嬢ちゃんの近くに隠れて定住している者がおるだけじゃろう。



あぁ、そのようですね。



今のは?



あぁ、申し遅れました。
私は儀装の駆り手、カムシン
これは・・・



わしは不抜の尖嶺、ベヘモットじゃ。



協力していただきたいのですよ。
あなたは最適だと思われるので。
危険はありません。
ただ、この街のゆがみを直すだけです。

あぁ、逃げないで下さい。
これを見てもらえばわかります。
この世の本当の姿が。



この世の?



さぁ。



ぁ、
あ!






ん?
マルコシアス



あぁ、居やがるな。
今んとこ仕掛ける気はなさそうだが
様子見だな。



そうね。

ん?






え?
姐さんと一緒に?



もし、マージョリーさんたちが出て行くときは
俺も。