灼眼のシャナ15 2/3

灼眼のシャナ15 2/3




エーー!ァアーー!

ゲァーー!!



シロ!



ヒェ!



敵の後続が来るのであります。
今の力で可能な限り抗戦して時間を稼いで欲しいのであります。



ヴィルヘルミナ



行くのであります。



逃がすかーー!



貴様ーー!!



シロが心配。



いえ。






ねぇ、ヴィルヘルミナ
ブィルヘルミナは、その・・・
フレイムヘイズなの?



いかにも。そのとおりであります。
ぐぜ(紅世)の王の一人
夢幻の冠帯ティアマトーフレイムヘイズ
万条の仕手ヴィルヘルミナ・カルメルがその呼び名であります。



初見披露。



ぁー!!



今の声は我が身のうちにある ぐぜ(紅世)の王
ティアマトーのものであります。
非常に無愛想なやつなのであります。



どうして隠していたの?



先入観を与えないための措置であります。



ぇ?



自分で目指すべき姿を探し
胸のうちで磨き上げ
決めて欲しかったのであります。
もっともそれは杞憂であったようでありますが。



だって私はフレイムヘイズとして生きたいんだもの。
少しは嬉しい?



嬉しくなかった事は一度もないのであります。



あ!わかっている!
ヴィルヘルミナは今、自分と私を誇りに思ってくれている。
きっと。



正解であります。



ぁ!



ぁ?






え?!



ぁあーー!



なんで?そんな馬鹿な!?
なんでこんなところに!?
ぐぜ(紅世)に仇をなすものが?!
どうして俺の前に居る?!
天目一個!!






なんと、あれは天目一個であります。



天目一個?



史上最悪のミステス
化け物トーチなどと呼んで居る者も居るのであります。

強いともがら(従)を探し殺戮を繰り返してきた
無敵のミステスであります。
うかつに仕掛けるのは極めて危険 でありますな。



遅滞防御。



了解。






く、来るな。
来るな!
来るな!来るな!来るな!来るな!来るなー!

もう少しで全てがうまくいくはずだった。
なのに・・・なんなんだ、これは!?
だ、だめだ。こんな奴に適うわけがない!

いや待て、ちょっと待て!

オルゴンはどうした?
まさか、こいつに・・・?

そうか、やはりこいつがバルマスケ(仮装舞踏会)の同胞たちを。

ベルペオル様!どうか・・・お守りを・・・






あの鎧武者が?



どうやら虹天剣によって外壁が破られたため
この場所、天道宮の場所が知られたようでありますな。



虹天剣ってシロの出した虹の事?

あっ!
シロは?



大丈夫であります。
あの状態で出来る事をやって
もう出来ないから止まっているのでありましょう。



止まっている?



あれは、誓いに生きているが為に
それを果たさないうちに死ぬようなことは
絶対にしないのであります。



どうして天目一個は一気に目の前のともがら(従)を倒さないの?



それは天壌の劫火を標的に定めているからだと
推測されるのであります。



支持。



あっ!
より強いともがら(従)であるアラストールと戦いたがっているのね。



当面はともがら(従)やその後続ともども
私が進撃を阻止するのであります。



その間に、私はアラストールと契約する。



双方の同意さえあれば一瞬のうちに終わるはずであります。
以降は天壌の劫火の指示に従えばいいのであります。

フレイムヘイズとしての使命を果たすために。



うん。



しかし、問題はそのたどり着くまでの時間を
私だけで稼げるかどうか
というところに あるのであります。



あのともがら(従)だけなら楽勝?



気配の規模から推測するに
高確率で勝利できるはずであります。



支持。



天目一個のこと、詳しく教えて。






どうすればいい。
下手に動けば間違いなく斬られる。



天目一個。



馬鹿め。自ら斬られるつもり・・・?

まさか・・・

あの娘、わかっていやがる。
やつは人を斬らないことを。



天目一個!
おまえの求める物はなんだ?

おまえがフレイムヘイズとの勝負を求めるなら
私を導け。
そうすればお前の望むままの勝負を私がしてやる。
炎髪灼眼の討ち手が。



炎髪灼眼の討ち手?



そうだ!



汝、強者たりうるものなり。
我、強者と仕合う。



てー!
させるか!



おまえの相手は私なのであります。



そ・・・今度あうときは・・・



あっ!