灼眼のシャナ13 1/3

灼眼のシャナ13 1/3


校庭裏の宣戦布告




これは・・・



すごいね、ティリエル
つかまえたね。



えぇ、当然ですわ。お兄様。
フレイムヘイズって頭が悪いんですもの。
どうせ、ここにあった大きな花を
私たちの弱点とでも思われたのでしょう?
これはピニオンという燐子ですの。
一つ壊されたところで、また咲くだけのこと。



ねぇ、ティルエル。
はやく にえとのの しゃな。
もう、いいよね?



えぇ、そうですわね。お兄様。
では、そろそろ渡していただけます?



誰が!



あっ!
にえとのの しゃなだぁ!






あっ!
はっ!



あんた、こんな所で何やっているのよ?



あ、あなたは・・・



まったく・・・
こんな状況でうろうろしているなんて、
おおかた、あんたあたりじゃないかと思ったけどね。



いや、それは・・・

うっ、何?



黙って!



あれって?



燐子の一種ね。
場所変えるわよ。






あっ。



聞こえる?
さっきのやっぱり あいつだったわ。



例の、もう一人のフレイムヘイズのお付で
ミステスって奴ですよね。



そういう事。



あのチビジャリに恩義感じているのか
惚れているのか知らないけど
無謀なもんよ。



無謀か・・・



それでどう?他に・・・



あの、誰と喋っているんです?



私の子分たちよ。



え?



どうなのよ。他の動きは?



あ、姐さん、今俺たちのこと子分って言ってくれました?



はぁ?



確かにそう聞こえて・・・
俺たちやっと認めてもらえたのかって。



まったく、ガキなんだから。

ほら!そんな事より動きは!?



ワハハハァ
照れてやがるぜ。
我が純情なる・・・



随分扱い違うな。アラストールと。



えっと、さっき出来上がった花みたいな所から
パイプラインみたいに組み替えられました。



相変わらず自在式は滅茶苦茶にこんがらがっています。
トーチは変化なしです。



ふぅん。
そう言えば何であんたがあそこに居たのか
聞いてなかったわね。



何でというか
存在の力を集める仕掛けがあるかもしれないって
シャナに言われて・・・



おいおい、ちょっと待て。
まさか、おまえ 花が咲く前から
あそこにあの仕掛けがあるって察知してたってことか?



う、うん。なんとなく。
でも、あんなのが相手じゃ壊すなんて僕には無理だろうけど。



こんな込み入った状態で、燐子の場所を特定できるなんて
特別以外の何者でもないわ。



そう なんですか?



あんたが居れば面白いことができそうね。
チビジャリを助ける事にもなるけど。どう?






あは。うふ。

やった!ぼくの にえとのの しゃな!



素晴らしいですわ。お兄様。



それじゃぁ、お兄様。



うん、ごほうびだね。






シャナ、何か役に立ったらご褒美でもくれよな。






シャナちゃん、私はね こう思っているの。
口と口のキスは誓いのようなものだって。






違う!こいつらも違う!



そうだ、お兄様
試し切りをなさってはいかがですか?



ためしぎり?

したい、したい。



ぁ!



すごいよ、ティリエル
このけんは はすじが ぜんぜん みだれない。



お兄様は新しいおもちゃをフレイムヘイズ相手に試すのが
お好きですの。
まずは服、そして皮から肉、骨、
内臓の一つ一つ。

ん?
面白くありませんわね。

この期に及んで恨み言も言わなければ
泣き叫ぶこともしないなんて・・・



違う!
おまえたちのは違う!
それは誓いなんかじゃない!



誓い、ねぇ。
何も違いませんわ。
私はお兄様に喜びを与え、それが私の心を満たす。
私たちはお互いに愛を謳歌していますの。
討滅しか頭に無い、王の道具ごときに
とやかく言われる筋合いはありませんわ。



やっぱり違う!
おまえたち、お互いにすがり付いているようにしか見えない!



お子様には少しお話が高尚過ぎましたかしら?
討滅の道具に愛を語ったところで、甲斐ないことでしたわね。
私はお兄様の望みをかなえる。
お兄様を守る!
それが私の全て!



こんな奴らと、私と悠二は違う!



何?今のは?






背理(はいり)!
回帰順配列!



やれやれ、いくら詩が出てこねぇとは言え
無粋な呪文だなぁ。



効果は同じでしょ。
これで5つね。
次、行くわよ。



うん。



今度は、あのガソリンスタンドの前に居る男。



了解。
こうしていれば、いずれ敵も動き出す。



ピニオンだけを正確に破壊してまわっている。
あのフレイムヘイズ、いったいどんな手を?