灼眼のシャナ 12 2/3

灼眼のシャナ 12 2/3





そんなんでいいのかよ!!
こんな半端なことしてたら
結局悲しい目にあうのは・・・



やめて!
頼んでないよ・・・池くん・・・
そんな事・・・



吉田さん。



私、そんなのじゃないの。
違うの!



あ・・・






今朝、おまえたちを見たのは
実は僕じゃなくて吉田さんだったんだ。



そっか。



それを朝 聞いてさ。
自分でもわかんないけど
お前がいつもどおり吉田さんの弁当食べるのを見てたら、つい。
でも、おせっかいが過ぎたよな。
こんなつもりじゃ無かったんだけど。



おまえでも失敗するんだな。



失敗?
するみたいだ。
ごめん。



いいよ。

いわれたこと自体はほんと情けないけど ほんと間違っていないし。
だけど、僕にだけ言うならともかく・・・



ああ、反省しているよ。



なぁ、一つ聞いていいか?

おまえ、吉田さんのこと・・・
好き?







あたしって馬鹿。
本当に馬鹿。
池くんは何も悪くないのに、それなのに私
自分が言えないこと あんなにはっきり言われたから・・・
でも、言うの怖かった。

このままにしておこうって思ってた。
坂井君とゆかりちゃん、ただ一緒に居るだけなのに
凄くつながっているみたいに見えて・・・

もしあそこに割り込もうとしたら
今のわたしと坂井君との細い絆とか
関係も壊れてしまうかも。



なんで逃げたの?



逃げた?



ゆかりちゃんは ずるいよ!



何が?



ゆかりちゃんだって坂井君のこと好きなんでしょ!



好き?
私が悠二を?



なのにそっけなくして、知らないふりして。
なのに私よりずっとずっと近くにいて。
ずるいよ!!



関係ない!



ゆかりちゃんだって逃げているじゃない!



なんでおまえにそんな事 言われなきゃならないのよ?!



言う資格あるもの。



え?



私も好きだから。

私も坂井君のこと好きなんだから!



悠二は・・・
悠二は・・・私の・・・
私の・・・何?



私ゆかりちゃんの言うとおり
逃げてたかもしれない。
でも、もう違う。
もう決めた!
あやふやなままにはしないって。

他の人に頼ったりせず、自分で頑張ってやってみようって。
ゆかりちゃん、坂井君に好きだって言った事あるの?
私、坂井君にちゃんと言う!





だめ・・・



はっきり自分の口で。



駄目。



坂井君が好きですって。



駄目!
そんなの言っちゃ駄目!



ううん、言う!
決めるのは坂井君。
好きだって言っても居ないゆかりちゃんには
負けない!



私だって・・・
私だって悠二のことが・・・






これってまさか・・・自在法?






何するのよ!
何邪魔してんよ!

すぐに聞かせてやる!
私の気持ちを!
おまえなんか全然・・・

悠司は私とずっともっとたくさんあるんだから!
おまえなんか絶対負けない!
ぜったい、負けない!!






ねぇ、ティリエル
僕、わかるよ。
あっちに にえとののしゃな(贄殿遮那)がある。



えぇ、お兄様
では早速いただきに参りましょうか。






愛染の・・・昨日の奴らの仕業よ。
随分派手な真似してくれるわ。



どうするんだ?
わが麗しのゴブレット、マージョリー ドウ。
また見逃してもらうか?



そうねぇ。
奴らの狙いは私じゃないみたいだし。
無理して出る必要もない。



なんで!なんでですか!
そんな弱気なのって無いですよ。
俺たち足手まといにならないようにしますから
戦ってくださいよ、姐さん!



もういいですよ!
マージョリーさんが行かないのなら、俺が行きます。
足手まとい扱いされてるよりずっとましですから。



あのね、あんた。



姐さん、俺も行きます。
立派に戦えるってとこ見ててください。



あ〜ぁ、もう!
わかったわよ!
とりあえず、例のデパートに向かうわよ。
フェチ野郎の置き土産が役にたつかも。



それじゃぁ!






封絶の・・・



そうみたい。

だけどこんなに大きな物を張る意味がよくわからない。



何かの罠かも知れないって事?



ともがら(従)の気配は3つ。
こっちに向かってくるのが2つと・・・



動かぬのが1つだな。



3対1、厄介ね。



ねぇ、シャナ
あの人、マージョリーさんの助けを借りたらどうだい?



プールで会ったでしょ。



今の弔詞の詠み手は戦力にならない。



迫ってくるのを迎え撃つほうが先決だろう。



うん。



あ・・・



悠二、おまえはどこかに隠れてて。



え?
まってくれ、僕も行くよ。



危険な戦いなのよ。



だけど・・・



火避けの指輪で守れない攻撃をしてくるともがら(従)だったら
おまえは一瞬で消えてしまう。



参戦の理由が無い。
したがって共に来る必要もない。



わかったよ。



だけど・・・
気になることがあるの。



この封絶らしき自在法を維持するには
今感じる以上の大量の存在の力が必要になる。
意味がわかるか?



もしかして、何かそのための仕掛けがあるのかもしれないって事?



宝具か?自在法か?
あるいはもっと別の何かが・・・



それを探ればいいんだね。



慌てるな!
簡単に見つかるとも思えぬ。



それに、街全体が相手の手のなかにある。
いつ、ともがら(従)や燐子に襲われるかわからないのよ。



ともがら(従)や燐子に。
やるよ。
できるだけの事、やってみる。

シャナ、何か役に立ったら
ご褒美でもくれよな。



ご褒美?

あ・・・

うるさい!
うるさい!うるさーい!
早くいけ!



じゃぁ、あとで。



行くか!



うん。