灼眼のシャナ12 1/3

灼眼のシャナ12 1/3


揺りかごに花は咲いて。





出会いという物もいろいろある。

戦うためだけの出会いもあれば・・・



あいつら、ともがら(従)じゃぁ?



見逃して良いんですか?



見逃したんじゃぁねぇよ。
見逃してもらったのさ。



え?



お黙り。馬鹿マルコ。






電話で話をする異世界の王と平凡な主婦。
なんて出会いもあったりした。



それに女の子は見かけよりも
ずっと早熟なものですよ。



奥方・・・






シャナとの出会いには
いったいどんな意味があるのか?

答えはまだ見つかりそうに無かった。



あ!



お!



おまえとは絶対にしない。



え?






心配しなくても大丈夫だよ。
平井さんとは仲がいいだけで、恋愛感情はないって。






だけど・・・
気になるよ。

私は坂井君が好き。
ゆかりちゃんも たぶん坂井君が好き。

じゃぁ、坂井君は?

あぁ〜。
だめだなぁ〜、私。

ちょっと早いけどお散歩行こうか。
エカテリーナ。






シャナ!
もう少しゆっくり走ってくれよ。
鍛錬の後にこれじゃぁ身が持たないよ。



いいから登る!



見せたいものがあるって言うからついてきたけど・・・
いったい何が?

あ!
こんなの、あるんだ?



うん。
私の大好きな眺め。






もう、待ってよ。

うん?

あ!






坂井の奴も呑気なもんだよなぁ。
吉田さんの気持ちもわかっているのか、わかってないのか。
素直だし、一途だし、けなげだし。
どこに不満があるって言うんだよ。
あんないい子に。






おはよう。



うん、あ!

おはよう、池くん。
今日も早いね。



吉田さん・・・



今日、すごく早起きしちゃって ちょっと寝不足なんだ。
犬の散歩も河川敷まで行って
それで・・・それで・・・






う〜ん、いただきまーす。

はむぅ〜。



俺にオルゴールの警護を?



ええ。
お兄様にこれ以上お待ちいただくのは心苦しいもの。
持ち主のところへ行って
にえとののしゃな(贄殿遮那)をもらい受けないと。



しかし、昨日は手を出してこなかったとは言え
あの弔詞の詠み手がこのまま引き下がるとは思えん。
さすがの君たちでもフレイムヘイズ二人を相手にするのは
楽じゃないと思うがね。



依頼主がかまわないと言っているのだから
素直に従ってちょうだいな。
フレイムヘイズが共闘を好まないことはご存知でしょ?
あんな雑魚はもし向かってきてもついでに料理してやればいい。
それだけのこと。



彼女を見くびるのはどんな意味からでも
危険だと思うが。



見くびる?
私たちはこのクレイドルガーデン(揺りかごの園)の中では無敵よ。
だからこそオルゴールを守って欲しいの。
そんなにおかしな命令かしら?







姐さん!

本当のことを言ってください。





あぁ?



あのともがら(従)に見逃してもらったなんて嘘ですよね。
俺たちが足手まといだったから
戦えなかっただけなんでしょ?
俺たちのせいで姐さんが雑魚扱いされるなんて
耐えられません。

お願いです!
何か言ってくださいよ!
姐さん!






屋上で食べるってのも新鮮だろ?



まぁな。



実は、今朝早くの事なんだけどさ・・・



ぁ!



どうも眠れなくてちょっと真南川まで散歩に出たんだ。
そしたら堤防に居るのを見てさ。



あっ。



池くん・・・



おまえ言ったよな。
何もないって。
おかしいだろ。
ずっとそうやって吉田さんの好意を受け取っておいて。



これはその・・・



そんなんでいいのか?