ツバサ・クロニクル 12 1/3

ツバサ・クロニクル 12 1/3


暖かなエガオ。





次の世界に到着!



俺の居た世界じゃねぇな。



オレのいた世界とも違う見たいだね。



ここは・・・



ぁ・・・
湖?



で、どこなんだ?
ここは。



おっきい湖だね。
家とかも全然見えないしね。



人の気配も無いみたいですね。



モコナどう?
さくらちゃんの羽根の気配、する?



強い力、感じる!



どこから?



この中から!




潜って探せってのかよ?!



潜って!潜って!



はぁ。



羽根はおれが探します。



ん?



ぇ?
小狼くん・・・



さくら姫。






ぁ!



小狼くん。



羽根があたしの中に戻ったときね、見たの。



ぇ?



私の国の王である桃矢兄様と
神官の雪兎さん。
桃矢兄様は王子で、まだお父様がいらした頃
私のお誕生日でね、みんなでお祝いしてくれて



ぁ・・・



でも、一つだけ誰も座っていない椅子があって






私、誕生日の
・・・と一緒にいられて
本当に、本当に嬉しい!






あたし、その椅子に向かって話しかけてるの。



ぁ・・・






あたし、誕生日に小狼くんと一緒に居られて
本当に、本当に嬉しい!






不思議ね。
誰も居ないのに・・・

あたし、とても幸せそうなの。






ね、小狼くんのお誕生日は?



わからないんです。



おれは、少し前に藤隆さん
今のお父さんに拾われて
それ以前の記憶が無いんです。

だから・・・
いつが誕生日とか
全然覚えてなくて・・・



だったら、あたしがお誕生日、決めてもいい?



ぁ・・・



小狼くんのお誕生日は
私と一緒の四月一日
これなら、ずーっと同じ日にお祝いができるよ!



ぁ・・・
ぇ・・・?



それにね、前の事を覚えてなくても
これからは、私が覚えてるよ。



ぁ・・・



うふふ。

二人で毎年お誕生日をお祝いして
いっぱい素敵な思い出を作ろうね。






ただいま。



お帰りなさい。



これ、藤隆さん・・・
お父さんのお土産にって・・・



ありがとう。
お誕生日会、どうでしたか?



おれが、前の記憶が無いって話しても
気味悪いとか・・・
かわいそう・・・
とか、言わないで・・・

それで、誕生日を作ってくれて
今日、四月一日だって。



ぁ・・・



それから・・・
笑ってくれて・・・



お姫様の笑った顔・・・
すごく
暖かかった。