×××Holic 11 3/3

×××Holic 11 3/3



ぁ・・・



大丈夫・・・ですか?



うん。



何で助ける?



悪い奴なのに!



泣かせたのに!



そうだ!そうだ!



なんで?なんで?



この人は悪くないの!



はぁー!
待て!待て!
こらぁー!



あのぉ・・・



はい。



とりあえず・・・
ありがとう。



ごめんなさい。
わたし・・・
このお萩を渡したかっただけなんです。



うん。
でも、渡す相手の魂ごと奪っちゃったら
元も子もないよ。



え?



え?って・・・

それを百目鬼に渡したいのに
あいつを昏倒させちゃ駄目だよって・・・
意味なんだけど・・・



ぁ!
違うの!

私が・・・
渡したかったのは・・・
あなたです。



え?



え?



お中元です。



え?



え?
じゃないでしょ!
四月一日 君尋!



え?



まったくもう!
やっぱり間違えてた!



ぁ!

童女



うん!

鈍感!



ぇ?



こんなのの、どこがいいんだか?



ぇ?
なに?



全然、違うってば!



違うって?



お中元ってのは
日ごろ世話になっている人に贈り物をして
恩を売っておこうという人間界の習慣の事。
好きな人にプレゼント渡すのは
それはまた別なのよ!



ぇ、え・・・!
やだ・・・うそ・・・



そそっかしいというか
なんと言うか・・・
どっちも、どっちだけど・・・



え?
なに・・・?
何なの?



間違えてごめんなさい。



童女と知り合いって事は・・・
きみはいったい・・・



座敷童女よ!



え?
座敷童女?!



この子がこんな人間の多い所にくるのは
珍しいのよ。
悪意とか邪気に弱いからね。
いつもは霊気の強い山奥に避難しているんだから。
鴉天狗たちと一緒に。



へぇ〜。
じゃぁ、あいつらが烏天狗



そう。



モコナ
もう、よせ!



了解!



さぁ、用も済んだし
そろそろ帰りましょ。



ぁ・・・



ほら、あんまり長いと良くないよ。

じゃぁね!
四月一日 君尋!



うん。






お疲れ。
どうだった?



バイバーイ!



なんか背中に変な羽の生えた
空中暴走族みたいな鴉天狗が
スノボ乗って出てきて
童女まで出てきて・・・

それから、あの子がこれを・・・



キャー!
けなげね!
愛しい四月一日
一口でもそのお萩を食べて貰いたかったんでしょうね!



はぁ。



こーの
色男!
かわいい座敷童女ちゃんにお萩なんか貰っちゃって
やる、やる!



いやぁ・・・
いやぁ・・・えへへへ
まいったなぁ。



男前!



って、これはもともと
おれが作ったお萩じゃないすか?



そうよ。
そのお萩は
アヤカシを視る力を持つ四月一日が作って
それを祓える百目鬼君の中に一度取り込まれたお萩。

座敷童女の愛情がこもった
特別なお中元ってわけね。



あれ?
なんか納得いかないんすけど。



さぁ、それ早く
百目鬼君に戻しましょ。



そうだ!
おれ、結局これ食えねぇじゃないすか!



お腹の上にそっとかざして。



あの子、おれにくれたんだけどなぁ・・・



ぁ・・・



どうも。



あ、どうも。

ん?
あ?



助けがいのない反応だな。



頭いてぇ。



たんこぶ!



あのね、いまさっきねぇ
四月一日がかわいい女の子からお萩もらったのよ!



お萩?



あのなぁ!
おめぇが食ったんだろうが!



話が見えん。



詳しく聞く?



えぇ。



ぁ?



実はね・・・



おう。



かくかくでね、しかじかでね・・・



へぇ。



かようかよう、だったんだけどね。



なんと!






残暑お見舞い
申し上げます。

まだまだ暑い日が続きそうですね。
お互い夏バテには
気を付けましょう。
アルバイト、頑張ってね。

九軒ひまわり



ひまわりちゃんから届いてたんだ!
でも・・・



壱原侑子
四月一日君尋様

九軒ひまわり



なんで、おれのは
侑子さんと連名なのかな?



氷と水が無いわよ。



頑張ります。