ツバサ・クロニクル 10 3/3

ツバサ・クロニクル 10 3/3



秘術とは人に幸福をもたらす力。



決して私利私欲のために使ってはならない。



えぇ。



そうか。
私は秘術の力で領主を倒す事ばかり考えていた。
でも、それは違うんだ。
私の力は、誰かを幸せにするためにあるんだ。



さぁ、もう一度。



出来た。



春香。
手を。



ぇ?



これは?



母からの贈り物。
秘術の鏡です。



秘術の鏡・・・



それを用いて人々に幸福をもたらすのです。
いいですね?



はい。



わたしはそろそろ行かねばなりません。



母様!



春香。
これでお別れです。



いやだ!
母様!
もっと一緒に居たい。
ずっと私の傍に居て!



それは出来ません。



なら、いつか必ず、私が秘術で母様をよみがえらせてみせる。



それは、かなわぬ願いです。
たとえどんな力を使っても
失われた命は決して戻らない。
だからこそ、命は尊いのです!



ぁ・・・
ぁ・・・



でも、忘れないで。
母はいつもで
あなたの傍で見守っているから。



ぁ・・・
ぁ・・・



さようなら。
春香。



母様!






お城に行くの?



うん。



そうだ。



なーんだ、おまえか。
脅かすな。

どうした?



領主様のご命令だ。
一緒に来い。






ここか。
モコナ



うん。
ここ、不思議な力
一番強い。



ついに、見つけた。



ここ。



ぁ・・・

さくら・・・
春香・・・

ぁ・・・



めきょ!
さくらの羽根だ!



やっぱりここだったのか。



わしの秘術を破るとは
やはりおまえたちは
政府の密偵衆か?



降ろせ。



政府にわしの事が伝わったのか。
いや、たとえそうだとしても
これがあれば密偵衆を倒す事も可能・・・

ぉ!



二人を降ろせ!



ぅ・・・



うわぁ!



小狼



わしに指一本でも触れてみろ。
あの二人の命は無いぞ。

出でよ。



おう!



あれは!



この街の者たちだ。
身の程も知らずにわしの城を攻めてきたので
秘術をかけてやった。
いまや彼らはわしの思うままに動く兵隊となったのだ。
この者たちを倒せるか?
小僧!
ふふふふふふふふ。
わはははははははは。