×××Holic 6 3/3

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×××Holic





他人って・・・
家族ですよ・・・



血がつながっていようが
どんな関係性があろうが
あなた以外はあなたじゃない人。
すなわち他人。

だからあなたが自分で考えて
自分で決めなきゃいけないのよ。

あなたにとってそれは必要か否か。

誰かに迷惑をかける。
でも、やりたい。

それだって、あなたの意思よ。

子供が泣こうが旦那ともめようが
パソコンとフレンドリー。
ネットこそ我が世界。

ありよ。それも。

それが自分で選んだ道なら
今の世界を捨てても求めるものを追う。
失うもののつらさも重さもわかって
それでも欲する。
そういうのが本当の覚悟。



え!



で、どう?
あなたの大切なものは、なぁに?



パソコン、やめたいんです。



本当に?



今の生活を失いたくないですから。



自分でやめられる?



頑張ります。
でも・・・
出来たら何か・・・



手助けが欲しい?



はい。



この家にパソコンは?



これだけです。



これをやめれればいいわけよね?



はい。



わかった。
これをやめる手伝いはしましょう。
その代わり、お代は頂くわよ。



お金?



お金はいらないわ。

そうね・・・

あの椅子を頂くわ。



子供用の椅子ですか?



なんで?



いいかしら?



あ、はい。



四月一日、バットを。



え?



あのね、名前って大事なのよ。



名前っすか?



そ、名前には力があるの。
生き物でも、物でも
その名を冠することによって
その名を持つものと同じ力を持つ事もできる。



いや、話が見えねぇんすけど。



ふーん!



斬鉄剣



まさか!
侑子さん!



はぁー!



ちょい、待ち!



は!



はぁーーっ!



いやー!



また、つまらぬものを斬ってしまったわ。



おーっ!
パソコンしか斬れてねぇ!



じゃ、お代は頂いていくわ。
あとは・・・
あなた次第よ。



ぁ・・・



あ、侑子さん!
待ってください!






パソコンも壊れちゃったし
これであの人もネットやめられますね。



あのパソコンではね。



え?



外に出ればいくらだって手に入るでしょ?



でも、侑子さん
やめるの手伝うって・・・



言ったでしょ?
選ぶのはあの人。
後はあの人次第だって。



なんか、それじゃぁ
まがい物売りつける悪徳業者みてぇ。



あんまりすごい事こっちがやっちゃうと
やられたほうはそれに見合う御代を払わなきゃならない。
今度は子供の椅子じゃ済まなくなる・・・

私たちにできる事なんて
ほんの少ししかないのよ。



また、あの通路、通るんすか?



うん?
帰りは電車。



で、電車?
なんで?



乗りたいから。



通りましょうよ!
あの通路!
変なものが居るのは我慢しますから。
みっともないじゃないですか!
こんな物、担いで!
侑子さん!






ママ?



な、なぁに?



ママ、ぼくのお椅子は?



はぁ・・・