ツバサ・クロニクル 4 2/3

ツバサ・クロニクル 4 2/3



ぁ・・・
あれは・・・






うん!



ところで、お客さん。



い!



まさか・・・
とは思うけど、お客さん、
この子に悪さする気じゃないだろうね?



げは!



ど、どうしてそんな事を・・・



お客さんたち、あんまりいい噂
聞きませんからね。



えへへへへへへ。



美味しい!



い?



とっても、美味しい!






さくらちゃん、見つかった?



答えるまでもねぇ。



こっちも見当たらないねぇ。



あ、そうそう。
これ・・・
黒たんに、あげる。
これが結構かさばるんだよね。



あのなぁ・・・

これで、よし!



無茶するねぇ。



ファイさん!
黒剛さん!

さくら、見かけました?



こっちもいろいろ探してみたけど・・・



そう・・・ですか・・・



小狼くーん!



ぁ?



めきょ!
ふぅ。



なんだって?
さくらが・・・?



はい。
やつらと一緒でした。



この前のパンク軍団?



そうです。
確かに見ました。

待ってください!

僕に、考えがあります!



考えって?






ここ、どこ?



ふふん。
おれたちのアジトに決まってるっす。



余計なこと言ってねぇで、早くしろい。



へぇ。



へへへ。
この子さえ居ればあのガキどもはおれ達の言いなりだ。
そうすれば笙悟のチームなんぞはひとひねりだぜい。



わぁ・・・
ひろーい!



いや・・・



こいつは・・・



子分たちはどこに行ったんだ?

ぁ?



なんすか?



我々はボスのあまりの負けっぷりに
愛想がつきました。
もう、チームには居られません。
みんなで出て行きます。
探さないで下さい。
チーム一同。

そ、そんなぁ・・・
立ち上げから25年。
苦労に苦労を重ねて
やっとここまでチームを大きくしたのに・・・



ぁ?



どうしたの?



どうしたのじゃねぇ。
おめぇの仲間のせいだぞ。

ぁ!



おまえたちのせいで、おれのチームは・・・

おれのチームは・・・



泣いちゃ駄目。



い・・・あ・・・



泣いちゃ・・・駄目。



ぁ・・・

おれの、負けだ。






ほんとにうまくいくのかよ?



たしかに僕の巧断は4級で一番弱いランクだけど
人を探し出す力があるんです。



おれ達の居場所もこうやって突き止めたんだね?



そうです。
強い巧断は心の強い人にしかつきません。
笙悟さんや、小狼くんみたいに。
巧断は自分の心で操るもの。
だから、僕みたいに弱い人間には
弱い巧断しかつかないんです。



正義君・・・



でも、そんな僕にもやれる事があるんです。
どうか、僕を信じてください。



うん、ありがとう。



あっちです!






おおきい!



一緒にお好み焼き食って
おれのこと、なぐさめてくれて
あんなにいい顔で笑って・・・

ほんとは俺達に騙されて
ここに連れてこられたって言うのになぁ。



なんか、罪の意識を感じるっす。



だろ?
あの笑顔にもっと早く出会ってたら・・・
俺は今頃まともな道を歩いていたと思う。
だから、決めたんだ。



決めたって、なんでさぁ?



話ってのはなんだ?



んー。



ん?



俺は今日限りチームを解散して
かたぎに戻る事にした。



なんだと?



縄張りはおまえにくれてやる。
好きにしてくれ。



いったい、何があったんだ?



そいつは言わねぇ。
あの子の事は誰にも言わないって決めたんだ。



あの子?

そうか。



ボス!
た、大変っす!



どうした?



さくらちゃんが・・・
あそこに・・・



ぁ?



さくらちゃん!



ちょっと目を離した隙に
急に居なくなったと思ったら・・・
あんな所に登ってたんでさぁ。



おまえ!
一体、何をしていたんだ?



そうか。
あの子が・・・



笙悟、頼む。



任せとけ!



お嬢さん。



ぇ?



そんなに高い所が好きか?



うん。



だったら、おれがいい景色を見せてやるから
こっちに来な。

しっかり捕まっていろよ。



はい。



笙悟の奴にすっかりおいしいとこ
持ってかれちまったっすねぇ。



いいんだよ。
これで。

元気でな。さくらちゃん。






笙悟ってば、もう!
何やってんのよ!






ぁ!



ぁ!



ん?
どうした?



羽根・・・



え?



あたしの・・・
はね・・・

見つけなきゃ。



おい!