ツバサ・クロニクル 1 3/3

ツバサ・クロニクル 1 3/3



あ!



てぇーや!



遅いぞ!
小僧!



王!



さくらは無事なのか?



それが・・・



妹は無事かと聞いている!



雪兎、さくらを診てくれ。



わかりました。



これは・・・

あなたの記憶を読み取りました。
姫の背中から羽のような光が飛び散ったと言うのですね。



はい。



やはり・・・
その羽は姫の心です。



こ・・・こころ?



姫の中にあった、生まれてから今日までの思い出が
全て消えているのです。
そして、飛び散った心は・・・
すでにこの世界には・・・
無い。



なんだって?



そ、そんな・・・



心の無い躯(からだ)は
虚ろな容器(いれもの)に過ぎません。
このままでは姫は・・・



おれにできることは無いですか?



小僧。



ぁ!



妹を・・・
たのむ!



はい!



さぁ!
あちらへ!



ふ。
ここから先は一歩も通さん!






これから、別の世界に住む人のところに
あなたたちを送ります。
同じ力を持つ、あの人の元へ!



あの人って誰ですか?
そこへ行ったら何をすればいいんですか?



あの人は『次元の魔女』と呼ばれています。
彼女に全てを話してください。
そして、姫を救う手立てを!



さくら・・・






さてと、行きますか・・・
魔女の元へ。






な!
何をしやがる?



貴方は強くなりたいと言った。
でも、もはや
わが国には貴方より強い者はおりません。
それゆえ、貴方を異界へ送るのです。



て、単なる厄介払いだろうが!



では・・・
元気でお過ごしくださいね。



てめぇ!
覚えてろよ!



姫様。
黒剛(くろがね)はいずこに?



あの方の元に送りました。
きっとよしなに取り計らってくれるでしょう。
旅が・・・始まりますわ。






来たわね。



誰だ?
これ?



『次元の魔女』さん・・・ですよね?



そうとも呼ばれているわ。



ぁ!

さくらを、助けてください!

お願いです!
さくらを助けてください!