×××HOLiC 5 3/3

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×××HOLiC



おや、おや。
昨日のお客さんじゃないですか!



あ!
羽のお兄ちゃん!



突然アヤカシに追いかけられて・・・



今日は厄日ですから。



よ!
久しぶり!



モコナさん。
ご無沙汰しております。



おまえ、偉そうだぞ!



ま、シリトリしてきたからな。



関係ねぇだろ!



シリトリ?

それは古い護法をご存知ですねぇ。
あ、なるほど。
それで。



え?
護法なんですか?



えぇ。
夜道や怖い場所を通る時に使うんですよ。
二人で途切れないように結界を張るんです。



そういう事だったのか。

ごめんな、モコナ



わーかればいいんだ!
四月一日と書いてワタヌキ!



だから偉そうにしすぎなんだよ!
おまえは!

あ、そうだった。
お重。

お重が壊れてないかどうか確認してくれませんか?



えー?!

鳥籠?!
しかも空っぽだ。



ほ、ほう。
これは満月にしか姿を現さない
月光鳥のつがいです。

以前、侑子さんのお宅に伺った際に拝見して
いたく気に入りまして
いつか譲って欲しいと言ったのを覚えていてくださったんですね。

この鳥は満月の光の下でしかこちらの世界に出てこられないのですよ。

うん?

なんと!
怪我をしてますね。



あ!
アヤカシがぶつかった時だ!

途中でシリトリが続かなくて
避けきれなかったんです。
それが荷物にぶつかっちゃって・・・



シリトリだけに尻尾の尾を取ってかれたか。



かわいそうに・・・
これじゃぁ、飛べない。



この間の破邪矢を持っといで。



あれ?
うん。



ねぇ、どうするの?



大丈夫。
見てごらん。



ぁ!

すごい!



あー!



治ったみたいだね。



綺麗だな!



月が沈む前には戻っておいで!



さて。
今日はもう、店じまいにしましょうかね。
わたくしたちもお月見でもしながら
残ったおでんを食べましょうか。



月見酒!



お前なぁ!



月見酒!



帰りはどうするんだよ!



あ!



帰りはうちのチビに送らせましょう。

破邪矢を持っていけば、シリトリをしなくても
無事に帰れるはずですよ。



うん!



そうですか。
じゃぁ、お言葉に甘えてお邪魔させていただきます。



おーむ。



あー・・・



どうしたんだい?
また、何か言いたいことでもあるのかい?



う!
うんとね。

僕もシリトリしたいの。



いいよ。
しよう。



ぷう!
モコナもする!
モコナ、シリトリ得意!



今度は意地悪するなよ!



まかせとけ!
四月一日と書いて、うそつき!



ワタヌキ!



ちなみに八月一日と書いて
ホズミ!



関係ねぇし!

じゃぁ、きみからどうぞ。



は!



なんでもいいから好きな言葉から始めてごらん。



好きな言葉・・・
じゃぁね・・・
うんと・・・

えーと・・・

おでん!






どうやら、四月一日も無事に役目を果たしたようね。
この素晴らしい月に・・・
乾杯!