×××HOLiC 3 3/3

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×××HOLiC



怖いものが来ればいい。
変なことが起こればいい。
例えば誰かが死んだりすれば、とても面白い。
それは、そんな生徒たちの
悪気の無い、邪気の残りかすよ。



ぁ!

黒くてでかいのが今、下に!



学校に巻きついていたものに・・・



聞こえないです!



大物だった?



危ない!



ぁ!



蛇!



どこに居る?



そっか、視えないんだったな。



で、どうすりゃいいんだ?
このあと・・・



俺が聞きてぇよ!
侑子さん!



動けねぇ!



こういうのを蛇に睨まれた蛙って言うんだな。
視えないが威圧感はある。



余裕ぶっこいてんじゃねぇ!
このあほー!



食われる!



古(イニシエ)よりこの地に住まう者よ
怒りをおさめたまえ。
猛し(タケシ)御身に
我を捧げよう。



助かったのか?



あぁ。
蛇がどこかへ帰ってった。
お腹でもすいてたのかな?



ぁ、いいよ。別に。
信じたくなきゃ信じないで。



誰も信じないとは言ってぇねだろ?



ぁ?



自分が今まで見てきたものだけが真実とは限らないからな。



あぁ。



俺には視えねぇけど
四月一日にまとわり憑いているらしい
あやかしってのも
おまえが居るっつうんだから
居るんだろ。



百目鬼・・・



まぁ、それ視てギャァギャァ喚いてるのも情けないけどな。



んなんだと!?



ま、でも
あの耳が無くなったのはちょっと
もったいねぇか。



なんでだよ?



間抜けで面白かったなと。



ぶっとばすぞ!てめぇは!






まぁまぁ、百目鬼君。
お疲れと始めましての意味をこめて一杯。



あ、どうも。
頂きます。



どうぞ。



ほんとにありがとう。
あの後から学校で変なこと起こらなくなったって。
すごいね!二人とも!



いやぁ!そんなぁ!



百目鬼君、怪我 大丈夫?



おう。



利き腕だし大変だね。



いや、そうでもねぇよ。



でも、侑子さん。
あの辺りを守っているものだったんですね。
あの蛇って。
って事は悪いものじゃなかったんですか?



今回の四月一日たちにとってはね。
善意なんて人間が決めるものでしょ?
人でないものに、そんな事は関係ないわ。
蛇は守っている場を荒らす
学校の生徒たちの残りかすを排除しただけ。



蛇が居たなら、結局俺が行かなくてもよかったって事ですよね?
はぁ。



そんな事は無いわよ。
蛇は四月一日にひかれて現れたんだもの。
四月一日はアヤカシにとって
とっても美味しそうなものなの。
のどから手が出るほど欲しいご馳走なのよ。
だから・・・
百目鬼君と一緒に居なさいって。



それは嫌っす!
ってゆうか、なんでそうなるんっすか!?



百目鬼君は魔や邪を寄せ付けず
なおかつ、払う力があるの。



俺、何も出来ないですよ。



潜在能力は自分の意思とは関係ないわ。
あの学校
四月一日一人じゃ
あのアヤカシの中を進む事はできなかったはずよ。
百目鬼君が居てくれたからこそ
四月一日は屋上に上がる事が出来たの。
それに、屋上でも助けられたでしょ?



これ、欲しいのか?



いらねぇよ!
つか、焼いたの俺だっての!



二人って仲がいいのね。



違うよ。
ひまわりちゃんも、なんで
こんな変な奴と馴染んでるの?
怖くない?



にゃんだと!
変な奴とは失敬だぞ!
四月一日



この子、可愛いもの。
ぜんぜん、怖くないよ。
ぬいぐるみみたいだし。



おい。



何だよ?



おかわり。



おまえが食うの早すぎ!
俺、まだ全然食べてないのに!

待ってろ!
今焼いてやるから!



早くしろ!



威張るな!



アヤカシに好かれる四月一日
それを寄せ付けない百目鬼君。
これから楽しくなりそうね。