×××HOLiC 3 1/3

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第3話。
エンゼル。


×××HOLiC



いいんですね、本当に?



いいのよ、四月一日
さぁ、思いっきり・・・
来い、来い!



来ーい!



ふん。



あー!!



わーい!
ホームラン!

割れたぁ。



どっかの家の窓かなんかみたいね。



ねぇ。



行ってらっしゃーい!



って
やっぱり、俺がいくんですか?!






和むわ。



和まないでください!
俺、すんげぇ怒られたんですよ!
窓ガラスどころか、ボールが台所に飛び込んで
食卓の皿まで目茶目茶にしちゃって
その片づけまでぜーんぶしたんですよ!



四月一日君!



ひまわりちゃん!
ここだよ!



遅れてごめんなさい。
呼び出したのあたしなのに。



いいよぉ。
気にしないで。
ささ、座って。



ありがと。



お茶飲む?
日本茶?ウーロン茶?
ダージリン



あなたが、ひまわりちゃんね。



ぁ。



こんにちは。
四月一日からいろいろと噂は聞いているわ。



ぉ!
もう、そんな事
こんなとこで言わないで下さいよ!



侑子さんですね。
四月一日君のバイト先で
何でもしてくれるお店の店長さんの。
はじめまして。



で、ひまわりちゃん。
あたしに頼みたい事って何かしら?



じつは・・・
友達の学校の事なんですけど・・・



ん?



エンゼルさんが流行っているらしくて
そのせいか、学校で変なことが続いているらしいんです。
侑子さんなら何かわかるかな?
と思って。



エンゼルさん?
天使?



コックリさんの名前を変えたものよ。
キューピットさんという事もあるわ。
ま、名前をどう変えたって
危ないのは変わらないのだけどね。



危ないんですか?
やっぱり・・・



そのお友達の為になんとかしたい?



はい、心配ですし
出来るなら。



いいわ。
ひまわりちゃんの依頼
受けましょう。



うん・・・



ふん・・・
この子が。



俺かよ!
せっかく快諾してくれたのに
何だよ!これ!
どうすりゃ良いんですか!
おさんどんしか出来ませんよ!
僕は!



四月一日ひとりだけだと心配だから
あと一人欲しいわよねぇ。



それならあたしが・・・



もう一人は・・・






ひまわりちゃん、可愛いじゃない?
もう、四月一日もすみにおけないわねぇ!



なんで俺が依頼受けることになるんすか?!



だって・・・
あぁ、モロ
その帯留め取って。
マルはそっちの紐を持ってて頂戴。



はーい!



だって、なんすか?



だって、あたしが引き受けたら
ひまわりちゃんから対価をもらわなきゃいけないのよ。



おう!
危ない!
対価とか何とか言って
ひまわりちゃんが侑子さんの毒牙に!



あい!



だから、その毒牙って何なのよ?



けど俺、もし何かヤバイものが居たとしても
見えるだけで何も出来ないし・・・



だから一人じゃ大変だと思って・・・



だからって百目鬼と一緒に行く事ないでしょうが!
嫌がらせっすか?!
あーあ!
これじゃほんとに百目鬼と縁が出来ちゃう。



だって心細いでしょ?
それに、ひまわりちゃんが百目鬼君に
わざわざ頼みに行ってくれているのは
ありがたい事じゃない。



あんな奴、絶対来ねぇっすよ!



でも、ひまわりちゃん
感謝してたわよね?






ありがとう。
四月一日君。






えぇ、滅茶苦茶かわいかったです!



良かったね。



約束したんだから行かなきゃね。
百目鬼君と校門で待ち合わせでしょ?



侑子さんが勝手にサクサク決めたんでしょ!
わぁぁぁぁ!
わかりました!
百目鬼と一緒はやだけど
ひまわりちゃんの為に行って来ます!



よく言った!
男だねぇ!



色男!

男児



四月一日屋!



大丈夫。
一緒には行けないけど
アドバイスはしてあげるから。



侑子さん!



もちろん対価は貰うわよ。
四月一日のバイトに上乗せしとくわ。



やっぱりそういうキャラっすよね。
侑子さんは。



じゃ、これ装備してってね。



はい?






遅いぞ。



行くか?



せめて突っ込めよ!
おかしいだろ?!
あからさまに、この耳あたりが!



好きで着けてるんなら何も言う事ねぇだろ?



阿呆!
好きなわけあるか!






嫌っす!
なんでこんな耳つけて歩かなきゃならないんすか!?



ヘッドホンの代わりよ。
これで遠く離れてもあたしの声が聞こえてくるって訳。



だったら普通のヘッドホンでいいじゃないっすか!?



うち、ヘッドホン無いもの。



だとしても、もっと別の何かがあるでしょ!



駄目。これがいいの。



なんで?



面白いから。






まぁ、面白いな。
確かに。



おまえに言われたかないよ!



ほーら、百目鬼君にもうけたでしょ?
あ、そうそう
百目鬼君にも私の言葉を伝えてくれる?



はい?



百目鬼君、こんばんは。



なんで俺がそんな事を?



だってあたしと百目鬼君、面識無いんだもの。
きちんと挨拶くらいしなきゃ。
はい、百目鬼君こんばんは。



侑子さんからの伝言。
百目鬼君、こんばんは。



はじめまして。



あたしは四月一日の雇い主の
壱原侑子



百目鬼です。



今日は四月一日の事、よろしくね。



わかりました。



四月一日百目鬼君と一緒じゃなきゃやだって
泣いて言うから・・・



そんな事、言ってねぇっす!



音声の送受信、共に良好みたいねぇ。
あ、その耳取っちゃだめよ。



あ、ううう。



じゃ、ここでちゃんと聞いているから。
学校へ・・・

GO!



GO!じゃねぇっての!

行くぞ、おら!おら!おら!
さっさと来い!



おまえが動かなかったんだろ?



うにーー。
は!



どうした?



校舎に黒いものが。
あやかし?