灼眼のシャナII 22 1/3

灼眼のシャナII 22 1/3


クリスマス・イヴ。




不死身のともがら(従)
壊刃(かいじん)サブラクの正体が
御崎市全体に広がるほど巨大な物だと見極めた悠二は
シャナやマージョリーヴィルヘルミナたちと協力し
ついにその撃退に成功した。






ご苦労だったねぇ。
壊刃(かいじん)。



なるほど。
確かに手ごわい連中だった。
あわよくばミステスへの襲撃を餌に
あの厄介な三者を片付けたかった所だが
やはり、そう上手くはいかぬか。



かまわないよ。
所定の目標は達成された。
後はこちらの仕事さ。



ふん、これで俺の仕事は終わりだ。
当面の用も無かろう。
もはや長逗留する理由もない。



では、始めようか。






うん、よし!

う・・・はぅ。



ハハハハハハハ。
ため息、はぁ。
ときたもんだ。



何、してんのよ?
朝っぱらから。



俺、やっぱりアウトローで働きたいんです。
そのために必要な事は勉強でも何でもやります。
自分の武器になるんなら
何だって使うつもりです。
絶対に頼りたくない奴も・・・



きれぇ、きれぇと喚いてた親父まで引っ張り出すか。
ありゃぁ、あきらめねぇぞ。
マジも、マジ。
目標めがけて一直線の大マジだ。



さんざん、脅したのに
効果無しね。



ふん、しょうがねぇだろ?
どっかの誰かさんが本格的に火ぃ着けちまったんだからよ。






あなたが死んだ後のことなんか
俺には考えられない。






ほんと、馬鹿なんだから。






何だか、変わったなぁ。みんな。
佐藤と田中からは以前の騒がしさが消えた。
シャナちゃんと吉田さんは
仲良く二人で話してる。
坂井は・・・
何でだろ?
何も違ってないのに
あいつが一番変わったような気がする。
僕は・・・



池くん!
会長が呼んでるよ。
そろそろ終業式の準備
仕上げに入るから戻って来いって。



うん、わかった。



変わらなきゃいけないんだ。
僕も。






また、来年な。



もう、2学期も終わりか。
シャナ、今日はこれからどうするの?



千草に成績表見せる。
それから、一美と会うから出かける。



吉田さんと?



うん、ちょっと。
約束。



ふーん。



ぁ。



ん?



よう。



父さん!?






良かったのか?
彼女を一人で帰らせて。



うん、うちに寄るって言ってたし。
それに父さん、僕に話があるんでしょ?



そうか。

冬の河川敷ってのもいいもんだ。
渡り鳥のような暮らしをおくっていても
息子と立つと、ここが自分の街だって気がしてくる。



自分の街・・・か・・・

父さん、今度は長く居られるの?
もうすぐお正月だよ。



あぁ、それがな
今度も急用が出来て帰ってきただけなんだ。
また、すぐ出る事になる。
すまん。



急用って、母さんの?



あぁ。
困った人の相談にのるのが
私のモットーだからね。



え?
母さんが?



千草さんはいいと言ったんだが
あの人は昔から自分自身の事になると
不器用な所があるから・・・



あ、待ってよ、父さん。



母さんが困ってるって、その・・・



やぁ、別に悪い意味じゃない。
ただ、どう説明すればよいか悩んでた。
って、ところかな?



そう・・・



でも・・・
実際に母さんが困ったり悩んだりしてた事に
気づけなかったのなら・・・
僕はその・・・
やっぱり悔しいよ。



うん、そうだな。
私が帰ってきたのは
おまえに同意を求めるためなんだ。



同意?



あぁ、弟か妹か
その子の名前に三って字を入れたいんだ。
いいかな?



そりゃぁ、別に僕はかまわな・・・
えーーー!?!?