灼眼のシャナII ８ 3/3

灼眼のシャナII　８　3/3

やっぱり僕は変なフレイムヘイズなんでしょうか？

そうね。
なんであんたみたいのが契約・・・
ぁ・・・

1年前・・・

いいわ。

僕はアメリカに向かう移民船に乗っていました。
そして、その船をともがら（従）が襲ったんです。

父が・・・
母が・・・
多くの仲間たちがともがら（従）に喰われ
その存在を消滅させていきました。

そんな中、僕はウァラクに見出され
フレイムヘイズになったんです。

僕はあの時の事、後悔してるんです。

後悔？
契約した事？

いえ、そういう意味じゃないんです。
ウァラクには本当に感謝しています。
けど、あの時、僕・・・
誰も助けられなかった。
自分のことで精一杯で・・・
だから、今回は・・・
今度くらいは誰かを助けたいんです。

ふっ。
ウァラク。

わかってる。
けど、どうしようもないでしょ？

今すぐ、帰りなさい。

え？

あんたじゃフレイムヘイズは勤まらない。

え、でも・・・
ともがら（従）を探さないと・・・

だったらやつの目的を言ってみなさい！
こそこそ隠れているくせに
どうしてご覧あれ！
なんて言ったの？

ともがら（従）の性格と今歩き回った結果から
私は推測できた！
あんたはどうなの？！

それは・・・

あんたみたいな未熟者について来られても迷惑なのよ！

ウァラク。

わからないなら帰るしかないわね。

そんな・・・

そろそろ見栄えの良い夜が来るから
行くわ。

イーストエッジに謝っておいてくれや。
虺蜴（きえき）の帥（すい）。

ま、まって！

来るんじゃ無いわよ。
絶対。

まったく素晴らしいビルです。
これだけの構造物をわずか405日で建造してしまうとは。
まさに　いにしえのバベル。
バビロンにも並ぶ偉業です。

憎悪と復讐を糧にして行き抜くのがフレイムヘイズ。
あんな危険な子、戦いに使えるわけが無い。

虺蜴（きえき）の帥（すい）も
とんだ兄ちゃんと契約しちまったなぁ。

誰かを助けたいですって？
フレイムヘイズとしての狂いが善意だなんて
最高に始末が悪いわ。

向く、向かねぇ、以前の問題だな。

ふっ。
今となっちゃぁ、どうだっていいこと。
私は全力でぶち殺す！

人間の底知れないパワーと建築という文明の営み。
双方の確かな証として
このビルは永劫記録に留められる事でしょう。

我が文明の加速に殉じなさい！
エンパイア・ステート・ビル！

封絶！