灼眼のシャナII 5 2/3

灼眼のシャナII 5 2/3




こちらでございます。
本来なら、わたくしが学校までお送りする所
毎朝、坂井様にお越しいただいて本当に感謝しております。



気に、しないでください。
どうせ鍛錬があるから早く起きなきゃならないし。



鍛錬、でございますか?



あー、いえ、何でもありません。



おはようございます。



外から見ても凄いけど中も豪華なんだね。
近衛さんち。



そうでしょうか?



そっか。
近衛さんの基準だとあれが普通なんだ。
となると、佐藤の家に行っても驚かないのかな?



佐藤さん?



うちのクラスの佐藤だよ。
ほら、この間一緒にデカ盛り食べに行った・・・



ぁー。



ま、ゆっくり覚えていけばいいよ。



坂井さんの事はわかります。
そう、良かった。
覚えてもらって。



ん?






現国の教科書と、ノートと。
もう一人でも大丈夫じゃない?
ねぇ、吉田さん。



え?
あ、はい。



まだ大丈夫ではありません。



そ、そう?



じゃ、あせらなくていいから
わからない事があったら何でも聞いてね。



おお、やってるな、坂井。
頼んだ俺が言うのもなんだが
世話係も大変だなぁ。
朝から帰りまで着きっきりらしいじゃないか。



あ、いえ、僕だけじゃなくて
吉田さんも居ますから。



そうそう、その事なんだがな。
校内だけならともかく
送り迎えまでするには吉田はつらかろう。
お前の家、近衛の家とは逆方向だろう?



あ、それは・・・



そこまで考えてなかったんでなぁ。
すまん、すまん。
えっと・・・
緒方は確か近かったな。
吉田と変わってくれるか?



は、はい。
あたしでよければ。



吉田、それでいいか?



はい。



じゃぁ緒方、今日から早速坂井と協力して
近衛を頼む。



みんなも係りじゃないからと言って知らん顔するなよ。



はーい。







う・・・む・・・
むむむ・・・
お買い得なのであります。



原価相応。






なぁ、坂井。
最近、シャナちゃん達どうしたんだ?
ここのところずっと・・・



僕に聞かれても・・・
二人で何か話しでもあるんじゃないのかな?



そうは見えないけどな。



坂井君と喧嘩したわけじゃぁ ないよね。
こうして毎日、二人ともお弁当をくれるんだし。



あの、よろしければ、こちらとこちら いただけますか?



あ、どうぞ。






近衛さんをかまい過ぎだって?
そうは言うけど、ああいう子だし
ほっとくわけにもいかないだろ。



そんな事を言ってるんじゃない。
もう少し、周りの事も・・・
とにかく
かまいすぎだ。



池?



ヘイ、いらっしゃい いらっしゃい!
キャベツ、ピーマン、青菜に白菜
みんないいとこ いってるよ!

はーい、お姉さん、いらっしゃい!
どれも安いよ!
目茶安!
新鮮でお買い得だよ!

お、キャベツかい。
煮てよし、炒めてよし、生でよし
ちょっとこじゃれて、ロールキャベツなんてのもいいねぇ。
どうだい?
お姉さん、ベッピンさんだから
今日はサービスしちゃうよ。



料理・・・



まぁ、カルメルさんじゃありませんか。



へーい、奥さん、いらっしゃい。
毎度どうも。



奥様。



どうしたんですか?
何か心配事でも?



いえ、特にそういう事は無いのであります。



おせっかいだったら、ごめんなさい。
もしかして・・・シャナちゃんの事 ですか?



はぁ。



気にはなっていたんです。
ここの所、来てくれないし。
悠二に聞いてもよくわからないみたいで。



奥様。
食事と言うのは合理的なだけではいけないのでありましょうか?



そうですね・・・
それだけなら、こんなにたくさんのお料理は無いでしょうね。



栄養を摂取するだけでは人間は満足できないと?



ええ。
品を変え、味を変え、手間をかけることで
毎日楽しく食事が出来るのだと思いますよ。



ぁぁ。



カルメルさん。



はい。



よろしければ少しうちに寄って行かれません?



ぁ?






よぉ、おがちゃん。



ぁ?



今日、部活無いんだろ?
一緒に帰ろうぜ。



あー、ごめん。無理。



え?なんで?



緒方さん、そろそろ行くよ。



うん、うん。
今、行く。

お世話係、就任しちゃったからね。
部活の無い日くらい手伝わないと。



そ、そっか。



んじゃ。



帰るか。



あ、ああ。






まだ、帰らないの?



おまえこそ。



ぁ!



ぁ!



おかしいよ。またこの感じ。
凄く痛い。
嫌な気持ち。



わからない。
怒るつもりないのにイライラする。
悠二のしてることがわからないけど、頭にくる。






あぁ、あぁぁぁぁ。
そこ、そこ、そこ。
あぁ、効く。



こんなもんでいいですか?
手、痛くなっちゃいましたよ。



ぇえ?
もうちょっといいじゃない。
ね、これ一杯飲む間。



さっきから何度も聞きましたよ。