灼眼のシャナS OVA2 2/3

灼眼のシャナS OVA2 2/3





やっぱり・・・
居ませんね。



気配を隠して潜伏している周到さから
当然でありましょうな。



言及不要。



良かった。



ん?



ぁ!
本当は良くも無いんですが
その・・・
調律以降、僕の他にトーチは居なくなったなって。






今の言葉には
自己保全の安堵も
己への哀れみも
世界への恨みも
卑屈な羨望もこもっていない。

なぜそのように見える?
もしや
危難に際しても
平時に在っても
常にその本質が感情の面にない
特殊な人格の持ち主なのでは?

ゆえに、日常における
感情のみで処すべき事態には疎く鈍い。



結論尚早。



ぁ!

確かに、急ぐ意味は無い
でありますな。



カルメルさん。
自在法の表示をお願いします。
気配は消せても
自在法の発動している場所までは消せません。



わかっているのであります。



ぅ!



ぁ!



マージョリーさんがばら撒いたのか?



そのようでありますな。






彼女には明日改めて学校で聞いてみます。
まさか本当に悪い事をしているとも思えません。
秘密なら秘密で
その意味を教えてもらうくらいは出来るでしょう。



うむ。



(黙礼)






ダメダメ、坂井くん!
今日は一人で帰って!



え?



シャナちゃんは
今日はあたしたちのお買い物に
付き合ってもらうんだから。



約束しちゃったんです。
すみません。



あの・・・



はぁ。



佐藤たちだけじゃなく
吉田さんや緒方さんまで
シャナに協力してるのか。

もしかしてみんなでカルメルさんのために
サプライズ・パーティーを計画してる・・・
とか?

じゃ、なんで僕に言わないんだ?
カルメルさんに脅されたら
すぐ白状しそう・・・とか
思われたのかな?

いや、まだパーティーって決まったわけじゃないけど
でも・・・



なんだ。
帰りまで一人か?
今日一日
シャナちゃんに避けられてる感じだったな。



うん、まぁね。
何か秘密があるみたいでさ。
みんなに聞こうとする度に
はぐらかされて・・・

池は何か聞いてないよな?
例えばその・・・
誰かの誕生日に
サプライズ・パーティーを開くとか・・・



どうかな?



え?!



もし、僕が隠し事に加担してるなら
聞かれて素直に答えると思うか?
適当にお茶を濁して
情報を逐一シャナちゃんの側に流す・・・
とか、するかもよぉ。



ぁ!
ぁ・・・






HEY YU
24時間営業



どのような意図を持って
このような場所に来ているか
説明していただきたいのであります。



意図って・・・
ただの買い物でしょ?



必要な食料や生活雑貨は
私が調達しているのであります。



諸品完備。



ぁ・・・
ふ。



何でありますか?



あぁ。
いえ。
まるで出会ったばかりの彼女みたいだな
って思って。



ん?



カルメルさんは
あのころの
フレイムヘイズ意外には何も無い
まっさらな彼女に戻って欲しいんですね。

子供のころからあんな感じだったんですか?



当然であります!
己を厳しく律し
使命を真摯に思い
日々、鍛錬に励・・・

今は関係ない話であります。



詮索無用。



あぁ、ところでカルメルさん。
その服・・・
目立ちすぎませんか?



ん?



あ、いえ・・・
別にいいんですけど・・・
他の格好はしないのかな?
って・・・



貴人の身辺で世話する者の着衣を求めたところ
これが当世風と示されたのであります。
実際、機能性にも優れているため
天道宮を出てからも通しているだけのこと。



その・・・
二人・・・じゃない
4人で暮らしてたころって
毎日が退屈じゃなかったりしませんでしたか?
正月とか・・・お盆とか・・・



5人であります。



え?!
そうなの・・・



そして
黙るのであります。



緘口。



はい・・・



む。






これで全部かな?



あ・・・うん・・・
大丈夫だと思う。



頑張ってね。
シャナちゃん。



うん。
二人ともありがとう。






本当に
吉田さんたちに付き合ってただけかな?






頑張る。
じゃ、また後で。



うん。






あ!
カルメルさん!

うわぁ!

うへぇ!

ゲホ、ゲホ。



黙るのであります。



叱責重複。



ん・・・






ふふ〜ふん♪






今度は肉眼で追えるよう
上から尾行するのであります。



ぁ・・・






どうして・・・
そこまで?



どうしてそこまで?



ぁ・・・



本心じゃ彼女を信用してないわけじゃ無いのに。

フレイムヘイズの使命を
彼女が軽んじたりするわけが無いって
わかってるんでしょ?

なのに・・・
どうしてそこまでこだわるんですか?



後悔・・・



え?



隠して後悔する・・・
そんな愚かしい辛さを
感じて欲しくない。
私がいつか
エンゲージリンクに対して抱いたような・・・



ぁ・・・



あの子は・・・
大丈夫でありましょうか?
些細な事でも隠したことの辛さを
味わってはいないのでありましょうか?



カルメルさん・・・



正直、彼女は出会ったころと比べて
変わりました。
ここで暮らした彼女は
以前よりもずっと・・・
そう、大きくなった。



ぁ・・・



それは
カルメルさんが心配するもの
そうでないもの
いろんな気持ちを抱えて
そこから何かを見つけてきたからだと思うんです。

今だって・・・
きっと・・・



うむ・・・



こんばんは。






昨日、あたしが寝てる時に尋ねてきたんだって?



はははぁ〜ん。
酔いつぶれている時の間違いだろ・・・



お黙り!
馬鹿マルコ!



うぉ・・・



一体何のつもりでありますか?



何のって
何か?



あの・・・
彼女に気配を消す自在法を
しおりか何かで渡したのは
マージョリーさん・・・
ですよね?



うん?
彼女?



えぃさぁ。
あぁ、あげた、あげた。
欲しいつぅからよぉ
学校帰りは親に隠れて過ごすってのが
今時の若ぇもんのジョーシキらしいからな。
ハハハ。



冗語不要。



あなたともあろう方が
なぜこのような所業に手を貸すのでありますか?



私ともあろう人は
今このようなこと
したい人なのよねぇ。



自在法込めたしおり1枚渡した程度で
咎められる覚えもねぇわなぁ。
ハハハハ。



うむ・・・






はぁ、はぁ、はぁ。
ごめん。遅くなった。



お帰りなさい。



急いで。
シャナちゃん。
時間無いよ。



うん。



この日のために1週間も特訓したんだもん。
カルメルさんが帰ってくる前に
全部済ませないと。



サプライズ・パーティーにならないからね。



うん。



ところでさぁ
今更だけど
今日ってカルメルさんの何の記念日なの?



わからない。
でも
ヴィルヘルミナが大切な日だって言ってた。



誕生日?



かもしれない。



何にせよ
大切な日ならいいじゃない。



ぁ!



ぁ?



何?
一美?



それ・・・
強力粉・・・
じゃない・・・



ぁ!