劇場版 灼眼のシャナ 4/9

劇場版 灼眼のシャナ 4/9






一美、お風呂沸いたわよ。



はーい!



明日、渡すんだ。坂井君に。
でも、理由もなく渡したら迷惑かな?
ゆかりちゃんに相談してみよ。






ぁ!



おい、どうしたんだよ?坂井。



池、あれって・・・



うん?平井さんがどうかしたのか?



平井さん?
なんであれが?



池、頼む。
宿題の答え教えて。



わかった。
おまえ、顔洗ってきたほうがいいよ。



何してるんだ?



言ったでしょ。
おまえを見張るって。



だからって、こんなとこまで。
それに、そこは平井さんの席。



平井ゆかりは私よ。



え?



平井ゆかりの存在に私を割り込ませたの。



わ、割り込ませた?



昨日の残りかすを使ってね。



でも、顔が全然・・・



ゆかりちゃん!おはよう。
坂井君、おはようございます。



おはよう。



言えた。



吉田さんが平井さんと仲 良かったのに
全然気づいていない。



存在に割り込むってのは、元の人間に似せるとか
そういう事じゃないの。
他が認識していた平井ゆかりって存在を私にすげ替えたのよ。



そんな・・・



平井さん!
こないだ借りてたノート、サンキュ。



うん。



違う・・・
僕は知ってる。
平井ゆかりが誰か・・・



おはよう、シャナ。






あのフレイムヘイズはミステスに張り付いているようだね。



はい。
私たちが狙うのを待っているのでしょう。



正しい判断だ。
とても正しい。
ご希望通り、出向いてあげるべきかな?
ミステスの中の宝具に興味があるのは確かだ。



では、是非とも私に行かせてください。
先日の失敗をそのままにはしておけません。



わかったよ。
でも、相手は炎髪灼眼だからね。
これを持ってお行き。






私の傍から離れないで。



僕の勝手だろ。



ゆかりちゃん、今日一緒に帰らない?
ちょっと相談が・・・



駄目、忙しいの。



そっか。
ごめん。



なんか、今日のゆかりちゃん、怖い。



シャナ・・・



坂井。
帰りに本屋に付き合って欲しいんだけど?



うん。



来た。



え?



これってこの間の?



封絶よ。



ちょっと待って、学校で?



場所なんて関係ないわ。
おまえがここに居るんだから。
簡単に予想できた事よ。



待って、まだみんなが。



封絶したのは敵よ。
向こうに言えば?



え!



このままじゃみんなが巻き込まれる。
僕が何とかしなきゃ。
僕のせいなんだ。

ちょっとごめん。
池!



こんな物。






池!

吉田さん!
吉田さん・・・
吉田さん!



この間と同じ燐子(りんね)ね。
おまえの主の名は?



私が・・・言うと、思う?



ううん、確認しただけ。
でも、もう無駄駒をちょろちょろ出すぐらいだから
よほどの馬鹿なんだろうけど。



おまえ・・・



こんにちは、オチビさん。
逢魔が時に相応しい出会いだね。



わかる。これがぐぜ(紅世)のともがら(従)だ。



へぇ〜。
私の自慢の宝具であるレギュラー・シャープを
刀一つでここまでしのぐとは。



ご主人様。申し訳ありません。



謝るのは私のほうだよ。
慣れない宝具を持たせてしまってごめんよ。

まったくフレイムヘイズ
ひどいことをする。



おまえが主ね?



そう、狩人フリアグネ
それが、私の名だ。
直接会うのは初めてだねぇ。
天壌の劫火、アラストール



見かけに惑わされるな。
数多くの宝具を駆使して
フレイムヘイズを幾人も葬っている
強大なぐぜ(紅世)の王だ。



うん。



それが君の契約者。
炎髪灼眼の討ち手か。
どれほどの者かと思っていたけど。



何ですって?



天壌の劫火よ。
契約者がこんな貧弱では
偉大なるぐぜ(紅世)の魔人の力も
宝の持ち腐れという物だな。



持ち腐れかどうか、試してみる?



ふん。
そう言った討ち手が何人も私の前で倒れていったよ。
ミステスを巻き込むわけにもいかない。

また伺うよ。
ここは私の狩り場だからね。
何が入っているのかな?
その中。
楽しみだ。



やまり只のともがら(従)ではなかったな。
ぐぜ(紅世)の王。
それも狩人フリアグネとは。
ミステスを狙うのも道理だ。



狩り場って言ってたわね。
この街にトーチが多いのもあいつが。



うむ。
であれば、納得がいく。



なんて奴。
壊れた所を直さなきゃ。
どいて、そいつを使うから。



え?
使うって?



そいつの存在の力を使って壊れた所を直すのよ。



吉田さんを使って?



そうよ、ともがら(従)の喰い残しのトーチが無いんだから
その死にかけを使うしかないでしょ?
人間なら死にかけでも一人で十分足りるわ。
そいつはトーチとして配置すれば何も問題ないでしょ?



おおありだ!
吉田さんが僕みたいに死ぬって事だろ?



仕方ないじゃない。
元になる力が無いと直せないんだから。
別の奴でもいいけど。
あいつとか。



そんなこと。



じゃぁ、おまえでも使う?



え?
それでいい。



何よ?
駄々こねてたくせに随分簡単に決めるのね。



簡単なもんか。



じゃぁ、何で残された時間を捨てたりするの?



捨てるんじゃない。
生かすんだ!