灼眼のシャナ10 1/3

灼眼のシャナ10 1/3


絡まる想い





シャナと僕の日常は
いつの間にか当たり前のようにそこにあった。
時々、彼女がフレイムヘイズだということを忘れるぐらい
シャナが普通の女の子にみえたりもした。
でも、フリアグネとの戦い以来続けている鍛錬は
そんな僕の浮ついた気持ちを一気に現実に引き戻してくれるわけだけど。



いて・・・



シャナは強くて完璧なフレイムヘイズだって。






やばい、やばい。



遅い。



ごめん。



始めるわよ。
昨日と同じ。
殺しを感じて攻撃を避ける。



うん。






似合ってたな。あれ。






いって。



ぼうっとしてないで!



わかってる。
うわぁ!!



はぁっ!



ふぅっ!
そんなに強く叩かなくたって、いいだろ?



ある程度、力 入れなきゃ意味無い。
嫌なら早く避けられるようになればいいの。



今まで目を閉じない鍛錬しかしてないのに
急には無理だよ。



殺しを感じているんだから単調な攻撃ぐらいわかるはずよ。
相手が何を出すかわかっているじゃんけんみたいな物。



なによ。



じゃんけんなんて、この間知ったくせに偉そうに言うからさ。
知ったかぶりしちゃって。



うるさい!うるさい!うるさい!



鍛錬の最中に余計なこと言わない!



ちょっと待ってよ。
急に。



攻撃はいつも急な物!



でも、早すぎ!
うゎぁ〜!



無様だな。



余計なこと言っているから そういう みっともない事になるのよ。



待ってって言っているんだから ちょっとぐらい待ってくれたていいじゃ。



敵は待ってくれないわよ。



そう・・・だけど・・・
これは・・・鍛錬・・・なんだからさ・・・



言い訳は見苦しいぞ。



あ・・・うわ・・・破れ・・・



それが ともがら(従)だったら、おまえ 喰われてるわね。



わ、わかったよ。
今日はもう、いいだろ?
学校へ行く準備しなきゃ。



悠二・・・



あら?ゆうちゃんは?
もう、終わったの?



悠二が勝手に終わらせた。
鍛錬がうまくいかないから。



ほんと、随分派手にやられたみたいね。



今までのほうがもっと駄目だった。
でも、平気な顔 してたくせに。



自分のかっこ悪さに気づいちゃったのかも知れないわね。



かっこ悪さ?



シャナちゃん、こんなにかわいくて
小さな女の子なんだもの。
こてんぱに やられちゃうのは
男としてはちょっと みっともないでしょ。



私のほうが強いんだから仕方が無い。



でもね、男の子って見栄っ張りだから。
特によく思われたい女の子の前ではね。



私が悠二をよく思う?
私は悠二に、ただ・・・






いってらっしゃーい。






今日は学校終わったら封絶(ふうぜつ)張って
少し動きの大きい鍛錬をする。



うん。



急にそんな大掛かりなことして大丈夫かな?



大丈夫にする為の鍛錬よ。



まぁ、そうなんだろうけど・・・






男としてはちょっと みっともないでしょ。






鍛錬すればそのうち みっともなく なくなる。



それ、励ましてくれてるわけ?



当たり前のことを言っているだけ。



今は相当みっともないって事だよな。






みっともないとか、そんなのどうでもいい。
重要なのは悠二が強くなって一緒に戦うこと。
ずっと・・・






あ、一円玉あるから。






購買にしとくか。



あぁ。



姐さんの様子は?



相変わらず。



ふぅーー。
だめか。
でも、姐さん元に戻ったら、この街から居なくなるよなぁ。
たぶん。



うん?



いやぁ、俺は姐さんに元に戻って欲しいと思っている。
本当だぞ。



わかった、わかった。



あぁ、はらへったぁ。



緒方さん!



へぇ!



一緒に食べようよ。



あ、うん。



うわぁ〜!
これ、一美が作ったの?
かわいい!!



さっすが、吉田さん!



友達がレシピくれたから、ちょっと試したくって。



いっただきまーす。



あの、どうぞ。
嫌いですか?



そんな事ないよ。
ありがと。



ゆかりちゃんも良かったら・・・



うん、ありがと。



うん!美味しい!!



これは売ってんのと全然違うよ。



うん、美味い!



ほ、ほんとですか?



吉田さん、料理上手いんだね。



いえ、ただ好きなだけです。



美味しいけど・・・おいしくない・・・



すいません。
図書委員の人、居ますか?



はい。あたしと この子。



ああ、ちょっといい?
図書室の本の入れ替え、今日に変更になったんだって。
放課後、図書室に集合してって。



きょ、今日?



各クラス二人だから駄目なら代理の人たてて。
よろしく。



何か用事?



うん。おばあちゃんのお見舞いに行くことになっているんだよね。
家族で。



そっか。



じゃぁ、坂井
代わりに吉田さんと行ってあげなよ。



え?



僕は予備校だしさ、おまえ空いているだろ?



まぁ・・・



じゃぁ、決まり!
ねぇ吉田さん、いいだろ?



でも、迷惑じゃ・・・



二人って決まっているんだし・・・
いいよ。



サンキュウ。
助かる!



駄目よ!そんなの!



え?!



な、なんで?



ん?