灼眼のシャナ3 3/3

灼眼のシャナ3 3/3




やはりただのともがら(従)ではなかったな。



壊れたところを直さなきゃ。



どいて、そいつ使うから。



え?!
使うって・・・



そいつの存在の力を使って壊れたところを直すのよ。



池を?池を使って?!



そうよ。
ともがらの食い残しのトーチが無いんだから
その死にかけを使うしかないでしょ。
人間なら死にかけでも一人分で十分たりるわ。
そいつはトーチにして配置すれば何も問題はないでしょ。



おおありだよ!!
池が僕みたいに死ぬって事だろ。



仕方ないじゃない。
元になる力がないと直せないんだから。
別のやつでもいいけど。あいつとか。



だめだ。
生きている人間を使うなんて。



じゃあ、どうするのよ。
このままふうぜつ(封絶)をといたら大変なことになるわよ。
どっちみちそいつは死ぬし。




でも、そんなこと、できるわけない。



じゃあ、おまえでも使う?
おまえの残り火でもこの程度なら直せるわ。
その分、トーチとして燃え尽きるのが早まるけど。

出来るわけがない。
これも他のトーチと同じ
わずかな存在にすがりつくみっともないトーチ。



そうか、その手があった。



僕の存在が池たちのために使われる。
僕がここに居たあかし。





なんて変な・・・じゃない、妙な・・・
違う、嫌な
そう嫌なやつ!



かなり遠慮なく力を使ったな。



仕方ないでしょ。あいつが自分から言い出したんだから。
それでもまだ残してやったほうよ。



やっぱりここに居たんだ。



居てわるい?



なぜ我らがここに居るとわかった。



なんとなく、今日のふうぜつの小さいのみたいのを感じたから。



なるほど。
あれだけの力の発言に立ち会えば、わかってもくるだろう。



あの〜
ずっと気になっていたんだけど、それ通信機?



似て非なるものだ。
これはこの子の内に宿った我の意思だけを顕現させるコキュートスというものだ。



えっと・・・なんとなく わかったような・・・



用はそれだけ?



え?!
今日のお詫びとお礼を言おうと。




お詫びとお礼?
そんな事される覚えないけど。



平井さんのこと言い過ぎちゃったのと
池を使わないで居てくれたこと。



何を言い過ぎたのかわからないし
池とかいう人間の代わりにおまえの存在の力を使っただけよ。

おまえの灯りかなり小さくなっている。
時間の問題ね。




それでもトーチとしてただ忘れられるよりましだよ。
僕の存在が、僕の記憶が池たちに残るような気がして。



でも、結局は他の記憶と同じ。
これからの出来事に埋もれていくだけよ。



でも、残るんだろ?
それで十分だよ。
はい。差し入れ。



苦い!!



砂糖、入れたんだけど。



スプーン。



あ!忘れた。
ちょっと取ってくる。



まったく!どうしてこんなにイライラするのよ!



あ!今の見た?




うむ。
もしや、あのミステスの中にある宝具は・・・



僕はまだ何も知らなかった。
自分の中にあるものが何なのかを。
そして・・・
御崎市に新たに訪れた者たちが居ることも。





ふん。しけた街ね。



ワハハハハハーー
ヨーロッパでも散々同じ愚痴 聞かされたぜ。
しけてるのは おまえのほうじゃないか。
我が愛しのゴブレット、マージョリー・ドーよ。



さてと、ここに逃げ込んだのは間違いないけど
なんだか他のにおいもするわね。



あーたしかによ。
おまえの酒くせい息がよ。
ワハハハハ、ワハハハ



ウー



お黙り、馬鹿マルコ。
どうやらちょっと面白いことになりそうね。





ふん、邪魔者か。